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〘1169㌻〙

第1章

1 アモツの子こイザヤがユダの王わうウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤのときに示しめされたるユダとヱルサレムとに係かゝる異象いしやう

2 天てんよきけ地ちよ耳みゝをかたぶけよ ヱホバの語かたりたまふ言ことばあり 曰いはく われ子こをやしなひ育そだてしにかれらは我われにそむけり 3 牛うしはその主しゆをしり驢馬ろばはそのあるじの廐󠄇むまやをしる 然されどイスラエルは識しらず わが民たみはさとらず 4 ああ罪つみををかせる國人くにびとよこしまを負󠄅おふたみ 惡あくをなす者もののすゑ 壞やぶりそこなふ種族やから かれらはヱホバをすてイスラエルの聖󠄃者せいしやをあなどり之これをうとみて退󠄃しりぞきたり 5 なんぢら何なんぞかさねがさね悖もとりて猶󠄅なほ撻うたれんとするか その頭かしらはやまざる所󠄃ところなくその心こゝろはつかれはてたり 6 足あしのうらより頭かしらにいたるまで全󠄃またきところなくただ創痍きずと打傷うちきずと腫物しゆもつとのみなり 而しかしてこれを合あはすものなく包󠄃つゝむものなく亦またあぶらにて軟やはらぐる者ものもなし 7 なんぢらの國くにはあれすたれなんぢらの諸邑まち〳〵は火ひにてやかれなんぢらの田畑たはたはその前󠄃まへにて外人あだしびとにのまれ旣󠄁すでにあだし人びとにくつがへされて荒廢あれすたれたり 8 シオンの女むすめはぶだうぞのの廬いほりのごとく瓜田うりばたけの假舍かりやのごとくまた圍󠄃かこみをうけたる城󠄃しろのごとく唯たゞひとり遺󠄃のこれり 9 萬軍ばんぐんのヱホバわれらに少すこしの遺󠄃のこりをとどめ給たまふことなくば我儕われらはソドムのごとく又󠄂またゴモラに同おなじかりしならん

10 なんぢらソドムの有󠄃司つかさびとよヱホバの言ことばをきけ なんぢらゴモラの民たみよ われらの神かみの律法おきてに耳みゝをかたぶけよ 11 ヱホバ言いひたまはくなんぢらが獻さゝぐるおほくの犧牲いけにへはわれに何なにの益えきあらんや 我われはをひつじの燔祭はんさいとこえたるけものの膏あぶらとにあけり われは牡牛をうしあるひは小羊こひつじあるひは牡山羊をやぎの血ちをよろこばず
 1169㌻ 
12 なんぢらは我われに見まみえんとてきたる このことを誰たがなんぢらに要󠄃もとめしや 徒いたづらにわが庭󠄄にはをふむのみなり 13 むなしき祭物そなへものをふたゝび携たづさふることなかれ 燻物たきものはわがにくむところ 新月󠄃しんげつおよび安息日あんそくにちまた會衆くわいしゆうをよびあつむることも我わがにくむところなり なんぢらは聖󠄃會せいくわいに惡あくを兼󠄄かぬ われ容ゆるすにたへず 14 わが心こゝろはなんぢらの新月󠄃しんげつと節󠄄會せちゑとをきらふ 是これわが重荷おもになり われ負󠄅おふにうみたり 15 我われなんぢらが手てをのぶるとき目めをおほひ 汝等なんぢらがおほくの祈禱いのりをなすときも聞きくことをせじ なんぢらの手てには血ちみちたり 16 なんぢら己おのれをあらひ己おのれをきよくしわが眼前󠄃めのまへよりその惡業あしきわざをさり 惡あくをおこなふことを止やめ 17 善ぜんをおこなふことをならひ 公󠄃平󠄃こうへいをもとめ 虐󠄃しへたげらるる者ものをたすけ 孤子みなしごに公󠄃平󠄃こうへいをおこなひ 寡婦󠄃やもめの訟󠄃うつたへをあげつらへ〘900㌻〙

18 ヱホバいひたまはく 率󠄃いざわれらともに論あげつららはん なんぢらの罪つみは緋ひのごとくなるも雪󠄃ゆきのごとく白しろくなり紅くれなゐのごとく赤あかくとも羊ひつじの毛けのごとくにならん 19 若もしなんぢら肯うけがひしたがはば地ちの美產よきものをくらふことを得うべし 20 もし汝等なんぢらこばみそむかば劍つるぎにのまるべし 此こはヱホバその御口みくちよりかたりたまへるなり

21 忠信ちうしんなりし邑まちいかにして妓女うかれめとはなれる 昔むかしは公󠄃平󠄃こうへいにてみち正義せいぎその中なかにやどりしに今いまは人ひとをころす者ものばかりとなりぬ 22 なんぢの白銀しろかねは滓かすとなり なんぢの葡萄酒ぶだうしゆは水みづをまじへ 23 なんぢの長輩をさたちはそむきて盜人ぬすびとの伴󠄃侶かたうどとなり おのおの賄賂まひなひをよろこび 贓財おくりものをおひもとめ 孤子みなしごに公󠄃平󠄃こうへいをおこなはず 寡婦󠄃やもめの訟󠄃うたへはかれらの前󠄃まへにいづること能あたはず
 1170㌻ 

24 このゆゑに主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの全󠄃能者ぜんのうしやのたまはく 唉あゝわれ敵てきにむかひて念おもひをはらし仇あたにむかひて報むくいをすべし 25 我われまた手てをなんぢの上うへにそへ なんぢの滓かすをことごとく淨きよくし なんぢの鉛󠄅なまりをすべて取去とりさり 26 なんぢの審士さばきびとを舊もとのごとく なんぢの議官ぎくわんを始はじめのごとくに復かへすべし 然しかるのちなんぢは正義せいぎの邑まち忠信ちうしんの邑まちととなへられん 27 シオンは公󠄃平󠄃こうへいをもてあがなはれ 歸來かへりきたるものも正義せいぎをもて贖あがなはるべし 28 されど愆とがををかすものと罪人つみびととはともに敗やぶれ ヱホバをすつる者ものもまた亡ほろびうせん 29 なんぢらはその喜よろこびたる橿樹かしのきによりて恥はぢをいだき そのえらびたる園そのによりて慙はぢ赧あからむべし 30 なんぢらは葉はのかるる橿樹かしのきのごとく水みづなき園そののごとくならん 31 權勢いきほひあるものは麻󠄃あさのごとく その工わざは火花ひばなのごとく 二ふたつのもの一同ともにもえてこれを撲滅うちけすものなし

第2章

1 アモツの子こイザヤが示しめされたるユダとヱルサレムとにかかる言ことば 2 すゑの日ひにヱホバの家いへの山やまはもろもろの山やまのいただきに堅かたく立たち もろもろの嶺みねよりもたかく擧あがり すべての國くには流ながれのごとく之これにつかん 3 おほくの民たみゆきて相あひ語かたりいはん 率󠄃いざわれらヱホバの山やまにのぼりヤコブの神かみの家いへにゆかん 神かみわれらにその道󠄃みちををしへ給たまはん われらその路みちをあゆむべしと そは律法おきてはシオンよりいでヱホバの言ことばはヱルサレムより出いづべければなり 4 ヱホバはもろもろの國くにのあひだを鞫さばき おほくの民たみをせめたまはん 斯かくてかれらはその劒つるぎをうちかへて鋤すきとなし その鎗やりをうちかへて鎌󠄃かまとなし 國くには國くににむかひて劍つるぎをあげず 戰鬪たたかひのことを再ふたゝびまなばざるべし〘901㌻〙

5 ヤコブの家いへよきたれ 我儕われらヱホバの光ひかりにあゆまん 6 主しゆよなんぢはその民たみヤコブの家いへをすてたまへり 此こはかれらのなかに東ひがしのかたの風俗ならはしみち 皆みなペリシテ人びとのごとく陰陽師おんやうしとなり 異邦󠄆人ことくにびとのともがらと手てをうちて盟ちかひをたてしが故ゆゑなり
 1171㌻ 
7 かれらの國くにには黃金こがね白銀しろかねみちて財寳たからの數󠄄かずかぎりなし かれらの國くにには馬うまみちて戰車いくさぐるまのかず限かぎりなし 8 かれらの國くにには偶像󠄃ぐうざうみち 皆みなおのが手ての工わざその指ゆびのつくれる者ものををがめり 9 賤いやしきものは屈かがめられ尊󠄅たふときものは卑ひくくせらる かれらを容ゆるしたまふなかれ 10 なんぢ岩間いはのひまにいり また土つちにかくれて ヱホバの畏おそるべき容貌みかたちとその稜威󠄂みいつの光輝かがやきとをさくべし 11 この日ひには目めをあげて高たかぶるもの卑ひくくせられ 驕おごる人ひとかがめられ 唯たゞヱホバのみ高たくくあげられ給たまはん

12 そは萬軍ばんぐんのヱホバの一ひとつの日ひあり すべて高たかぶる者ものおごる者ものみづからを崇あがむるものの上うへにのぞみて之これをひくくし 13 またレバノンのたかく聳そびえたるすべての香柏かうはくバシヤンのすべての橿樹かしのき 14 もろもろの高山たかきやまもろもろの聳そびえたる嶺みね 15 すべてのたかき櫓やぐらすべての堅固けんごなる石垣いしがき 16 およびタルシシのすべての舟ふねすべての慕したふべき美うるはしきものに臨のぞむべし 17 この日ひには高たかぶる者ものはかがめられ 驕おごる人ひとはひくくせられ 唯たゞヱホバのみ高たかくあげられ給たまはん 18 かくて偶像󠄃ぐうざうはことごとく亡ほろびうすべし 19 ヱホバたちて地ちを震動ふるひうごかしたまふとき人々ひと〴〵そのおそるべき容貌みかたちとその稜威󠄂みいつの光輝かがやきとをさけて巖いはほの洞ほらと地ちの穴󠄄あなとにいらん 20 その日ひ人々ひと〴〵おのが拜はいせんとて造󠄃つくれる白銀しろかねのぐうざうと黃金こがねのぐうざうとを鼹鼠うころもちのあな蝙󠄃蝠かはほりの穴󠄄あなになげすて 21 岩々いは〳〵の𨻶はざまけはしき山峽やまあひにいり ヱホバの起󠄃たちて地ちをふるひうごかしたまふその畏おそるべき容貌みかたちと稜威󠄂みいつのかがやきとを避󠄃さけん 22 なんぢら鼻はなより息いきのいでいりする人ひとに倚よることをやめよ斯かゝるものは何なんぞかぞふるに足たらん
 1172㌻ 

第3章

1 みよ主しゆばんぐんのヱホバ、ヱルサレムおよびユダの賴たのむところ倚よるところなる凡すべてその賴たのむところの糧かて すべてその賴たのむところの水みづ 2 勇󠄃士ますらを 戰士いくさびと 審士さばきびと 預言者よげんしや 卜筮者うらなひしや 長老ちやうらう 3 五十人ごじふにんの首かしら 貴顯者たふときもの 議官ぎくわん 藝げいに長たけたる者ものおよび言語ことばたくみなるものを除去のぞきさりたまはん 4 われ童子わらべをもてかれらの君きみとし嬰兒みどりごにかれらを治をさめしめん 5 民たみたがひに相あひ虐󠄃しへたげ 人ひとおのおのその隣となりをしへたげ 童子わらべは老おいたる者ものにむかひて高たかぶり 賤いやしきものは貴たふときものに對むかひてたかぶらん 6 そのとき人ひとちちの家いへにて兄弟きやうだいにすがりていはん 汝なんぢなほ衣ころもあり われらの有󠄃司つかさびととなりてこの荒敗やぶれをその手てにてをさめよと〘902㌻〙 7 その日ひかれ聲こゑをあげていはん 我われなんぢらを愈󠄃いやすものとなるを得えじ わが家いへに糧かてなくまた衣ころもなし 我われをたてて民たみの有󠄃司つかさびととすることなかれと 8 是これかれらの舌したと行爲おこなひとはみなヱホバにそむきてその榮光えいくわうの目めををかししが故ゆゑに ヱルサレムは敗やぶれユダは仆たふれたればなり 9 かれらの面色かほばせはその惡あしきことの證あかしをなし ソドムのごとくその罪つみをあらはして隱かくすことをせざるなり かれらの靈魂たましひはわざはひなるかな自みづからその惡あくの報むくいをとれり 10 なんぢら義人ただしきひとにいへ かならず福祉さいはひをうけんと 彼等かれらはそのおこなひの實みをくらふべければなり 11 惡者あしきものはわざはひなる哉かなかならず災禍わざはひをうけん その手ての報むくいきたるべければなり 12 わが民たみはをさなごに虐󠄃しへたげられ婦󠄃女をんなにをさめらる 唉あゝわが民たみよなんぢを導󠄃みちびくものは反かへりてなんぢを迷󠄃まよはせ汝なんぢのゆくべき途󠄃みちを絕たつ

13 ヱホバ立たちいでて公󠄃理ことはりをのべ起󠄃たちてもろもろの民たみを審判󠄄さばきし給たまふ 14 ヱホバ來きたりておのが民たみの長老ちやうらうともろもろの君きみとをさばきて言いひ給たまはん なんぢらは葡萄園ぶだうぞのをくひあらせり 貧󠄃まづしきものより掠かすめとりたる物ものはなんぢらの家いへにあり 15 いかなれば汝等なんぢらわが民たみをふみにじり貧󠄃まづしきものの面かほをすりくだくやと これ主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバのみことばなり
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16 ヱホバまた言いひ給たまはくシオンの女輩むすめらはおごり 項うなじをのばしてあるき 眼めにて媚こびをおくり 徐々しづ〳〵としてあゆみゆくその足あしにはりんりんと音󠄃おとあり 17 このゆゑに主しゆシオンのむすめらの頭かしらをかぶろにしヱホバ彼かれらの醜所󠄃みにくきところをあらはし給たまはん 18 その日ひ主しゆかれらが足あしにかざれる美うるはしき釧くしろをとり 瓔珞やうらく 半󠄃月󠄃飾󠄃つきがたのかざり 19 耳環󠄃みみわ 手釧うでわ 面帕かほおほひ 20 華冠かんむり 脛飾󠄃すねかざり 紳おび 香盒かうがう 符嚢まもりぶくろ 21 指環󠄃ゆびわ 鼻環󠄃はなわ 22 公󠄃服󠄃こうふく 上衣うはぎ 外帔おほひぎぬ 金嚢かねぶくろ 23 鏡かがみ 細布にぎたへの衣ころも 首帕かしらぎぬ 被衣かつぎなどを取除とりのぞきたまはん 24 而しかして馨かぐはしき香かうはかはりて臭穢あしきにほひとなり 紳おびはかはりて繩󠄂なはとなり 美うるはしく編󠄃あみたる髮かみはかぶろとなり 華はなやかなる衣ころもはかはりて麁󠄃布あらたへのころもとなり 麗󠄃顏みめよきかほはかはりて烙鐵やきがねせられたる痕きずとならん 25 なんぢの男をとこはつるぎにたふれ なんぢの勇󠄃士ますらをはたたかひに仆たふるべし 26 その門もんはなげきかなしみ シオンは荒廢あれすたれて地ちにすわらん

第4章

1 その日ひ七人ななたりのをんな一人ひとりの男をとこにすがりていはん 我儕われらおのれの糧かてをくらひ己おのれのころもを着きるべし ただ我儕われらになんぢの名なをとなふることを許ゆるしてわれらの恥はぢをとりのぞけと

2 その日ひヱホバの枝えだはさかえて輝かがやかん 地ちよりなりいづるものの實みはすぐれ並またうるはしくして逃󠄄のがれのこれるイスラエルの益えきとなるべし〘903㌻〙 3 而しかしてシオンに遣󠄃のこれるもの ヱルサレムにとゞまれる者もの すべて此等これらのヱルサレムに存ながらふる者もののなかに錄しるされたるものは聖󠄃せいととなへられん 4 そは主しゆさばきするみたまと燒やきつくす靈みたまとをもてシオンのむすめらの汚けがれをあらひ ヱルサレムの血ちをその中なかよりのぞきたまふ期とききたるべければなり 5 爰こゝにヱホバはシオンの山やまのすべての住󠄃所󠄃すまひと もろもろの聚會あつまりとのうへに 晝ひるは雲くもと煙󠄃けぶりとをつくり夜よるはほのほの光ひかりをつくり給たまはん あまねく榮さかえのうへに覆󠄄庇おほひあるべし 6 また一ひとつの假廬かりいほありて 晝ひるはあつさをふせぐ陰かげとなり 暴風はやちと雨あめとをさけてかくるる所󠄃ところとなるべし
 1174㌻ 

第5章

1 われわが愛あいする者もののために歌うたをつくり 我わがあいするものの葡萄園ぶだうぞののことをうたはん わが愛あいするものは土つち肥こえたる山やまにひとつの葡萄園ぶだうぞのをもてり 2 彼かれその園そのをすきかへし石いしをのぞきて嘉よきぶだうをうゑ そのなかに望󠄇樓ものみをたて酒榨さかぶねをほりて嘉よき葡萄ぶだうのむすぶを望󠄇のぞみまてり 然しかるに結むすびたるものは野葡萄のぶだうなりき

3 さればヱルサレムに住󠄃すめるものとユダの人ひとよ 請󠄃こふなんぢら我われとわがぶだうぞのとの間あひだをさばけ 4 わが葡萄園ぶだうぞのにわれの作なしたるほか何なにのなすべき事ことありや 我われはよきぶだうの結むすぶをのぞみまちしに 何いかなれば野葡萄のぶだうをむすびしや 5 然さればわれわが葡萄園ぶだうぞのになさんとすることを汝等なんぢらにつげん 我われはぶだうぞのの籬󠄂笆まがきをとりさりてその食󠄃くひあらさるるにまかせ その垣かきをこぼちてその踐ふみあらさるるにまかせん 6 我われこれを荒あらしてふたゝび剪かることをせず耕󠄃たがへすことをせず棘おどろと荊いばらとをはえいでしめん また雲くもに命おほせてそのうへに雨あめふることなからしめん 7 それ萬軍ばんぐんのヱホバの葡萄園ぶだうぞのはイスラエルの家いへなり その喜よろこびたまふところの植物うゑものはユダの人ひとなり これに公󠄃平󠄃こうへいをのぞみたまひしに反かへりて血ちをながし これに正義せいぎをのぞみ給たまひしにかへりて號呼さけびあり

8 禍わざはひなるかな彼かれらは家いへに家いへをたてつらね 田圃たはたに田圃たはたをましくはへて 餘地よちをあまさず 己おのれひとり國くにのうちに住󠄃すまんとす 9 萬軍ばんぐんのヱホバ我わが耳みゝにつげて宣のたまはく 實げにおほくの家いへはあれすたれ大おほいにして美うるはしき家いへは人ひとのすむことなきにいたらん 10 十段じつだんのぶだうぞの僅わづかに一いちバテをみのり一いちホメルの穀種たねはわづかに一いちエパを實みのるべし 11 禍わざはひなるかなかれらは朝󠄃あさつとにおきて濃酒こきさけをおひもとめ 夜よのふくるまで止とゞまりてのみ 酒さけにその身みをやかるるなり 12 かれらの酒宴しゆえんには琴ことあり 瑟しつあり 鼓つづみあり 笛ふえあり 葡萄酒ぶだうしゆあり されどヱホバの作爲みわざをかへりみずその手みてのなしたまふところに目めをとめず〘904㌻〙
 1175㌻ 

13 斯かゝるが故ゆゑにわが民たみは無知むちにして虜とりこにせられ その貴顯者たふときものはうゑ そのもろもろの民たみは渇かわきによりて疲つかれはてん 14 また陰府よみはその欲望󠄇のぞみをひろくし その度はかられざる口くちをはる かれらの榮華えいぐわ かれらの群衆ぐんしゆう かれらの饒富にぎはひ および喜よろこびたのしめる人ひとみなその中なかにおつべし 15 賤いやしき者ものはかがめられ 貴たふときものは卑ひくくせられ 目めをあげて高たかぶる者ものはひくくせらるべし 16 されど萬軍ばんぐんのヱホバは公󠄃平󠄃こうへいによりてあがめられ 聖󠄃せいなる神かみは正義せいぎによりて聖󠄃せいとせられ給たまふべし 17 而しかして小羊こひつじおのが牧場まきにあるごとくに草くさをはみ 豐ゆたかなるものの田たはあれて旅󠄃客たびゞとにくらはれん

18 禍わざはひなるかな彼等かれらはいつはりを繩󠄂なはとなして惡あくをひき 索つなにて車くるまをひくごとく罪つみをひけり 19 かれらは云いふ その成󠄃なさんとする事ことをいそぎて速󠄃すみやかになせ 我儕われらこれを見みん イスラエルの聖󠄃者せいしやのさだむることを逼󠄃來せまりきたらせよ われらこれを知しらんと 20 禍わざはひなるかな かれらは惡あくをよびて善ぜんとし善ぜんをよびて惡あくとし 暗󠄃くらきをもて光ひかりとし光ひかりをもて暗󠄃くらしとし 苦にがきをもて甘あましとし甘あまきをもて苦にがしとする者ものなり 21 わざはひなる哉かな かれらは己おのれをみて智かしこしとし自みづからかへりみて聰さとしとする者ものなり 22 禍わざはひなるかな かれらは葡萄酒ぶだうしゆをのむに丈󠄃夫ますらをなり 濃酒こきさけを和あはするに勇󠄃者ゆうしやなり 23 かれらは賄賂まひなひによりて惡あしきものを義ただしとなし 義人ぎじんよりその義ぎをうばふ

24 此これによりて火舌ひのしたの刈株かりかぶをくらふがごとく また枯草かれくさの火焰ほのほのなかにおつるがごとく その根ねはくちはてその花はなは塵ちりのごとくに飛とびさらん かれらは萬軍ばんぐんのヱホバの律法おきてをすててイスラエルの聖󠄃者せいしやのことばを蔑なみしたればなり 25 この故ゆゑにヱホバその民たみにむかひて怒いかりをはなち 手みてをのべてかれらを擊うちたまへり 山やまはふるひうごきかれらの屍かばねは衢ちまたのなかにて糞土あくたのごとくなれり 然しかはあれどヱホバの怒いかりやまずして尙なほその手てを伸のばしたまふ

26 かくて旗はたをたててとほき國々くに〴〵をまねき彼等かれらをよびて地ちの極はてより來きたらしめたまはん 視みよかれら趨はしりて速󠄃すみやかにきたるべし
 1176㌻ 
27 その中なかには疲つかれたふるるものなく眠ねぶりまたは寢いぬるものなし その腰󠄃こしの帶おびはとけずその履くつの紐ひもはきれず 28 その矢やは鋭とくその弓ゆみはことごとく張はり その馬むまのひづめは石いしのごとくその車くるまの輪わは疾風はやちのごとしと稱󠄄となへられん 29 その嘷ほゆること獅しゝのごとく また小獅こじしのごとく嘷ほえうなりつつ獲物えものをつかみて掠去かすめされども之これをすくふ者ものなし 30 その日ひかれらが嘯響なりどよめくこと海うみのなりどよめくがごとし もし地ちをのぞまば暗󠄃くらきと難なやみとありて光ひかりは黑雲くろくものなかにくらくなりたるを見みん〘905㌻〙

第6章

1 ウジヤ王わうのしにたる年としわれ高たかくあがれる御座みくらにヱホバの坐ざし給たまふを見みしにその衣裾もすそは殿とのにみちたり 2 セラピムその上うへにたつ おのおの六むつの翼󠄅つばさあり その二ふたつをもて面おもをおほひ その二ふたつをもて足あしをおほひ 其その二ふたつをもて飛翔󠄃とびかけり 3 たがひに呼よびいひけるは聖󠄃せいなるかな聖󠄃せいなるかな聖󠄃せいなるかな萬軍ばんぐんのヱホバ その榮光えいくわうは全󠄃地ぜんちにみつ 4 斯かくよばはる者ものの聲こゑによりて閾しきみのもとゐ搖ゆりうごき家いへのうちに煙󠄃けぶりみちたり 5 このとき我われいへり 禍わざはひなるかな我われほろびなん 我われはけがれたる唇くちびるの民たみのなかにすみて穢けがれたるくちびるの者ものなるに わが眼めばんぐんのヱホバにまします王わうを見みまつればなりと

6 爰こゝにかのセラピムのひとり鉗ひばしをもて壇だんの上うへよりとりたる熱炭󠄃あかきひを手てにたづさへて我われにとびきたり 7 わが口くちに觸ふれていひけるは 視みよこの火ひなんぢの唇くちびるにふれたれば旣󠄁すでになんぢの惡あくはのぞかれ なんぢの罪つみはきよめられたりと 8 我われまたヱホバの聲こゑをきく曰いはく われ誰たれをつかはさん誰たれかわれらのために往󠄃ゆくべきかと そのとき我われいひけるはわれ此こゝにあり我われをつかはしたまへ 9 ヱホバいひたまはく往󠄃ゆきてこの民たみにかくのごとく吿つげよ なんぢら聞きゝてきけよ然されどさとらざるべし 見みてみよ然されどしらざるべしと
 1177㌻ 
10 なんぢこの民たみのこころを鈍にぶくしその耳みゝをものうくし その眼めをおほへ 恐おそらくは彼かれらその眼めにて見みその耳みゝにてきき その心こゝろにてさとり飜ひるがへりて醫いやさるることあらん 11 ここに我われいひけるは 主しゆよいつまで如此かくあらんか 主しゆこたへたまはく 邑まちはあれすたれて住󠄃すむものなく 家いへに人ひとなく 邦󠄆くにことごとく荒土あれちとなり 12 人々ひと〴〵ヱホバに遠󠄄方とほきかたまでうつされ 廢すたりたるところ國中くにのうちにおほくならん時ときまで 如此かくあるべし 13 そのなかに十分󠄃じふぶんの一いちのこる者ものあれども此こもまた呑のみつくされん されど聖󠄃裔きよきたねのこりてこの地ちの根ねとなるべし彼かのテレビントまたは橿樹かしのきがきらるることありともその根ねののこるがごとし

第7章

1 ウジヤの子こヨタムその子こユダヤ王わうアハズのとき アラムの王わうレヂンとレマリヤの子こイスラエル王わうペカと上のぼりきたりてヱルサレムを攻せめしがつひに勝󠄃かつことあたはざりき 2 ここにアラムとエフライムと結合むすびつらなりたりとダビデの家いへにつぐる者ものありければ 王わうのこころと民たみの心こゝろとは林木はやしのきの風かぜにうごかさるるが如ごとくに動うごけり〘906㌻〙

3 その時ときヱホバ、イザヤに言いひたまひけるは今いまなんぢと汝なんぢの子こシヤルヤシユブと共ともにいでて布ぬのをさらす野のの大路おほぢのかたはらなる上池かみのいけの樋口ひぐちにゆきてアハズを迎󠄃むかへ 4 これに吿つぐべし なんぢ 謹つゝしみて靜しづかなれ アラムのレヂン及およびレマリヤの子こはげしく怒いかるとも二ふたつの燼餘もえのこりたる煙󠄃けぶれる片柴はしばのごとし 懼おそるるなかれ心こゝろをよわくするなかれ 5 アラム、エフライム及およびレマリヤの子こなんぢにむかひて惡あしき謀はかりごとを企くはだてていふ 6 われらユダに攻上せめのぼりて之これをおびやかし我儕われらのためにこれを破やぶりとり タビエルの子こをその中なかにたてて王わうとせんと 7 されど主しゆヱホバいひたまはく この事ことおこなはれずまた成󠄃なることなし 8 アラムの首かしらはダマスコ、ダマスコの首かしらはレヂンなり エフライムは六十五ろくじふご年ねんのうちに敗やぶれて國くにをなさざるべし
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9 またエフライムの首かしらはサマリヤ、サマリヤの首かしらはレマリヤの子こなり 若もしなんぢら信しんぜずばかならず立たつことを得えじと

10 ヱホバ再ふたゝびアハズに吿つげていひたまはく 11 なんぢの神かみヱホバに一ひとつの豫兆󠄃しるしをもとめよ 或あるいはふかき處ところあるひは上うへのたかき處ところにもとめよ 12 アハズいひけるは我われこれを求もとめじ 我われはヱホバを試こゝろむることをせざるべし 13 イザヤいひけるは ダビデのいへよ請󠄃こふなんぢら聞きけ なんぢら人ひとをわづらはしこれを小事ちひさしとして亦またわが神かみをも煩わづらはさんとするか 14 この故ゆゑに主しゆみづから一ひとつの豫兆󠄃しるしをなんぢらに賜たまふべし 視みよをとめ孕はらみて子こをうまん その名なをインマヌエルと稱󠄄となふべし 15 かれ惡あくをすて善ぜんをえらぶことを知しるころほひにいたりて乳󠄃酥にうそと蜂蜜はちみつとをくらはん 16 そはこの子こいまだ惡あくをすて善ぜんをえらぶことを知しらざるさきになんぢが忌いみきらふ兩ふたりの王わうの地ちはすてらるべし 17 ヱホバはエフライムがユダを離はなれし時ときよりこのかた臨のぞみしことなき日ひを汝なんぢとなんぢの民たみとなんぢの父󠄃ちゝの家いへとにのぞませ給たまはん是これアツスリヤの王わうなり

18 其日そのひヱホバ、エジプトなる河々かは〴〵のほとりの蠅󠄄はへをまねきアツスリヤの地ちの蜂はちをよびたまはん 19 皆みなきたりて荒あれたるたに岩穴󠄄いはあなすべての荊棘いばらすべての牧場まきのうへに止とゞまるべし

20 その日ひ主しゆはかはの外むかふより雇󠄃やとへるアツスリヤの王わうを剃刀かみそりとして首かしらと足あしの毛けとを剃そりたまはん また髯ひげをも除のぞきたまふべし

21 その日ひ人ひとわかき牝犢めうしひとつと羊ひつじふたつとを飼かひをらん 22 その出いだすところの乳󠄃ちゝおほきによりて乳󠄃酥にうそをくらふことを得えん すべて國くにのうちに遺󠄃のこれるものは乳󠄃酥にうそと蜂蜜はちみつとをくらふべし〘907㌻〙
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23 その日ひ千株ちもとに銀ぎん一千いつせんの價あたひをえたる葡萄ぶだうありし處ところもことごとく荊いばらと棘おどろはえいづべし 24 荊いばらとおどろと地ちにあまねきがゆゑに人々ひと〴〵矢やと弓ゆみとをもて彼處かしこにゆくなり 25 鋤すきをもて掘ほりたがへしたる山々やま〳〵もいばらと棘おどろのために人ひとおそれてその中なかにゆくことを得えじ その地ちはただ牛うしをはなち羊ひつじにふましむる處ところとならん

第8章

1 ヱホバ我われにいひたまひけるは一ひとつの大おほいなる牌ふだをとり そのうへに平󠄃常よのつねの文󠄃字もじにてマヘル シャラル ハシ バズと錄しるせ 2 われ信實しんじつの證者あかしびとなる祭司さいしウリヤおよびエベレキヤの子こゼカリヤをもてその證あかしをなさしむ 3 われ預言者よげんしゃの妻つまにちかづきしとき彼かれはらみて子こをうみければ ヱホバ我われにいひたまはく その名なをマヘル シャラル ハシ バズと稱󠄄となへよ 4 そはこの子こいまだ我われが父󠄃ちゝわが母はゝとよぶことを知しらざるうちに ダマスコの富とみとサマリヤの財寳たからはうばはれてアツスリヤ王わうのまへに到いたるべければなり

5 ヱホバまた重かさねて我われにつげたまへり云いはく 6 この民たみはゆるやかに流ながるるシロアの水みづをすててレヂンとレマリヤの子ことをよろこぶ 7 此これによりて主しゆはいきほひ猛たけくみなぎりわたる大河おほかはの水みづをかれらのうへに堰入せきいれたまはん 是これはアツスリヤ王わうとそのもろもろの威󠄂勢ゐせいとにして 百もゝの支󠄂流えだかはにはびこり もろもろの岸きしをこえ 8 ユダにながれいり 溢󠄃あふれひろごりてその項うなじにまで及およばん インマヌエルよ そののぶる翼󠄅つばさはあまねくなんぢの地ちにみちわたらん

9 もろもろの民たみよ さばめき騷さわげなんぢら摧くだかるべし 遠󠄄とほきくにぐにの者ものよ きけ 腰󠄃こしにおびせよ 汝等なんぢらくだかるべし 腰󠄃こしに帶おびせよ なんぢら摧くだかるべし 10 なんぢら互たがひにはかれ つひに徒勞むなしくならん なんぢら言ことばをいだせ遂󠄅ついにおこなはれじ そは神かみわれらとともに在いませばなり 11 ヱホバつよき手てをもて此如かくわれに示しめし この民たみの路みちにあゆまざらんことを我われにさとして言給いひたまははく 12 此民このたみのすべて叛󠄃逆󠄃はんぎやくととなふるところの者ものをなんぢら叛󠄃逆󠄃はんぎやくととなふるなかれ 彼等かれらのおそるるところを汝等なんぢらおそるるなかれ慴をのゝくなかれ
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13 なんぢらはただ萬軍ばんぐんのヱホバを聖󠄃せいとしてこれを畏かしこみこれを恐おそるべし 14 然しからばヱホバはきよき避󠄃所󠄃さけどころとなりたまはん 然されどイスラエルの兩ふたつの家いへには躓つまづく石いしとなり妨さまたぐる磐いはとならん ヱルサレムの民たみには網󠄄罟あみとなり機濫わなとならん 15 おほくの人々ひと〴〵これによりて蹶つまづきかつ仆たふれやぶれ 網󠄄あみせられまた捕とらへらるべし

16 證詞あかしをつかね律法おきてをわが弟子でしのうちに封とづべし 17 いま面みかほをおほひてヤコブの家いへをかへりみ給たまはずといへども 我われそのヱホバを待まちそのヱホバを望󠄇のぞみまつらん〘908㌻〙 18 視みよわれとヱホバが我われにたまひたる子輩こらとはイスラエルのうちの豫兆󠄃しるしなり奇くすしき標かたなり 此こはシオンの山やまにいます萬軍ばんぐんのヱホバの與あたへたまふ所󠄃ところなり

19 もし人ひとなんぢらにつげて巫女みこおよび魔󠄃術󠄃者まじゆつしやのさえづるがごとく細語ささやくがごとき者ものにもとめよといはば民たみはおのれの神かみにもとむべきにあらずや いかで活者いけるもののために死者しねるものにもとむることを爲せんといへ 20 ただ律法おきてと證詞あかしとを求もとむべし 彼等かれらのいふところ此言このことばにかなはずば晨光しののめあらじ 21 かれら國くにをへあるきて苦くるしみうゑん その饑󠄃うゝるとき怒いかりをはなち己おのが王わうおのが神かみをさして誼のろひかつその面かほをうへに向むけん 22 また地ちをみれば艱難なやみと幽暗󠄃くらきとくるしみの闇やみとあり かれらは昏黑まくらきにおひやられん

第9章

1 今いまくるしみを受うくれども後のちには闇やみなかるべし 昔むかしはゼブルンの地ちナフタリの地ちをあなどられしめ給たまひしかど 後のちには海うみにそひたる地ちヨルダンの外むかふの地ち ことくに人びとのガリラヤに榮さかえをうけしめ給たまへり 2 幽暗󠄃くらきをあゆめる民たみは大おほいなる光ひかりをみ 死蔭しかげの地ちにすめる者もののうへに光ひかりてらせり 3 なんぢ民たみをましその歡喜よろこびを大おほいにしたまひければ かれらは收穫時かりいれどきによろこぶがごとく掠物えものをわかつときに樂たのしむがごとく汝なんぢの前󠄃みまへによろこべり
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4 そは汝なんぢかれらがおへる軛くびきとその肩󠄃かたの笞しもとと虐󠄃しへたぐるものの杖つゑとを折をり これを折をりてミデアンの日ひのごとくなし給たまひたればなり 5 すべて亂みだれたたかふ兵士つはもののよろひと血ちにまみれたる衣ころもとはみな火ひのもえくさとなりて焚やかるべし 6 ひとりの嬰兒みどりごわれらのために生うまれたり 我儕われらはひとりの子こをあたへられたり 政事まつりごとはその肩󠄃かたにあり その名なは奇妙きめうまた議士ぎし また大能たいのうの神かみとこしへのちち 平󠄃和へいわの君きみととなへられん 7 その政事まつりごとと平󠄃和へいわとはましくははりて窮󠄃かぎりなし 且かつダビデの位くらゐにすわりてその國くにををさめ今いまよりのちとこしへに公󠄃平󠄃こうへいと正義せいぎとをもてこれを立たてこれを保たもちたまはん 萬軍ばんぐんのヱホバの熱心ねっしんこれを成󠄃なしたまふべし

8 主しゆ一言ひとことをヤコブにおくり之これをイスラエルの上うへにのぞませ給たまへり 9 すべてのこの民たみエフライムとサマリヤに居をるものとは知しるならん かれらは高たかぶり誇ほこる心こゝろをもていふ 10 瓦かはらくづるるともわれら斫石きりいしをもて建󠄄たて くはの木ききらるるともわれら香柏かうはくをもて之これにかへんと 11 この故ゆゑにヱホバ、レヂンの敵てきをあげもちゐてイスラエルを攻せめしめ その仇あたをたけび勇󠄃いさましめたまはん 12 前󠄃まへにアラム人びとあり後うしろにペシリテ人びとあり 口くちをはりてイスラエルを呑のまんとす 然しかはあれどヱホバの怒いかりやまずして尙なほその手てをのばしたまふ〘909㌻〙

13 然されどこの民たみはおのれをうつものに歸かへらず萬軍ばんぐんのヱホバを求もとめず 14 斯かゝるゆゑにヱホバ一日ひとひのうちに首かしらと尾をと椶櫚しゆろのえだと葦あしとをイスラエルより斷切たちきりたまはん 15 その首かしらとは老おいたるもの尊󠄅たふときもの その尾をとは謊󠄃言いつはりをのぶる預言者よげんしゃをいふなり 16 この民たみをみちびく者ものはこれを迷󠄃まよはせその引導󠄃みちびきをうくる者ものはほろぶるなり 17 このゆゑに主しゆはその少壯者わかきものをよろこびたまはず その孤兒みなしごと寡婦󠄃やもめとを憐あはれみたまはざるべし 是これその民たみはことごとく邪󠄅よこしまなり惡あくをおこなふ者ものなり おのおのの口くちは愚おろかなる言ことをかたればなり 然しかはあれどヱホバの怒いかりやまずして尙なほその手てをのばしたまふ
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18 惡あくは火ひのごとくもえ棘おどろと荊いばらとを食󠄃くひつくし茂しげりあふ林はやしをやくべければみな煙󠄃けぶりとなりむらがりて上騰󠄃たちのぼらん 19 萬軍ばんぐんのヱホバの怒いかりによりて地ちはくろく燒やけ その民たみは火ひのもえくさとなり人々ひと〴〵たがひに相憐あひあはれむことなし 20 人ひとみぎに攫つかめどもなほ饑󠄃うゑ ひだりに食󠄃くらへども尙なほあかず おのおのその腕うでの肉󠄁にくをくらふべし 21 マナセはエフライムを エフライムはマナセをくらひ 又󠄂またかれら相合あひ〳〵てユダを攻せめん 然しかはあれどヱホバの怒いかりやまずして尙なほその手てをのばしたまふ

第10章

1 不義ふぎのおきてをさだめ暴虐󠄃しへたげのことばを錄しるすものは禍わざはひひなるかな 2 かれらは乏ともしきものの訴うたへをうけず わが民たみのなかの貧󠄃まづしきものの權利けんりをはぎ寡婦󠄃やもめの資󠄄產もちものをうばひ孤兒みなしごのものを掠かすむ 3 なんぢら懲こらしめらるる日ひきたらば何なにをなさんとするか 敗壞やぶれとほきより來きたらんとき何なにをなさんとするか なんぢら逃󠄄のがれゆきて誰たれにすくひを求もとめんとするか また何處いづこになんぢらの榮さかえをのこさんとするか 4 ただ縛󠄃いましめられたるものの下したにかがみ 殺ころされたるもののしたに伏仆ふしたふれんのみ 然しかはあれどヱホバのいかり止やまずして尙なほその手てをのばしたまふ

5 咄やよアツスリヤ人びと なんぢはわが怒いかりの杖つゑなり その手ての笞しもとはわが忿恚いきどほりなり 6 われ彼かれをつかはして邪󠄅曲よこしまなる國くにをせめ我われかれに命めいじて我わがいかれる民たみをせめてその所󠄃有󠄃もちものをかすめその財寳たからをうばはしめ かれらを街ちまたの泥ひぢのごとくに蹂躪ふみにじらしめん 7 されどアツスリヤ人びとのこころざしは斯かくのごとくならず その心こゝろの念おもひもまた斯かくのごとくならず そのこころは敗壞やぶれをこのみ あまたの國くにをほろぼし絕たゝん
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8 かれ云いふ わが諸侯きみたちはみな王わうにあらずや 9 カルノはカルケミシの如ごとく ハマテはアルパデの如ごとく サマリヤはダマスコの如ごときにあらずや 10 わが手ては偶像󠄃ぐうざうにつかふる國々くに〴〵を得えたり その彫󠄃ゑりたる像󠄃ざうはヱルサレムおよびサマリヤのものに勝󠄃すぐれたり〘910㌻〙 11 われ旣󠄁すでにサマリヤとその偶像󠄃ぐうざうとに行おこなへるごとく亦またヱルサレムとその偶像󠄃ぐうざうとにおこなはざる可べけんやと

12 このゆゑに主しゆいひたまふ 我われシオンの山やまとヱルサレムとに爲なさんとする事ことをことごとく遂󠄅とげをはらんとき 我われアツスリヤ王わうのおごれる心こゝろの實みとその高たかぶり仰あふぎたる眼めとを罰ばつすべし 13 そは彼かれいへらく われ手ての力ちからと智慧󠄄ちゑとによりて之これをなせり 我われはかしこし 國々くに〴〵の境さかひをのぞき その獲えたるものをうばひ 又󠄂またわれは丈󠄃夫ますらをにしてかの位くらゐに坐ざするものを下おろしたり 14 わが手てもろもろの民たみのたからを得えたりしは巢すをとるが如ごとく また天あめが下したを取收とりをさめたりしは遺󠄃のこしすてたる卵たまごをとりあつむるが如ごとくなりき あるひは翼󠄅つばさをうごかし あるひは口くちをひらき あるひは喃々なん〳〵する者ものもなかりしなりと

15 斧をのはこれをもちゐて伐きるものにむかひて己おのれみづから誇ほこることをせんや 鋸のこぎりは これを動うごかす者ものにむかひて己おのれみづから高たかぶることをせんや 此こはあだかも笞しもとがおのれを擧あぐるものを動うごかし杖つゑみづから木きにあらざるものを擧あげんとするにひとし 16 このゆゑに主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバは肥こえたるものを瘠やせしめ 且かつその榮光えいくわうのしたに火ひのもゆるが如ごとき火焰ほのほをおこし給たまはん 17 イスラエルの光ひかりは火ひのごとく その聖󠄃者せいしやはほのほの如ごとくならん 斯かくて一日ひとひのうちに荊いばらとおどろとを燒やきほろぼし 18 又󠄂またかの林はやしと土つち肥こえたる田圃たはたの榮さかえをうせしめ 靈魂たましひをも身みをもうせしめて病やめるものの衰󠄄おとろへたるが如ごとくなさん 19 かつ林はやしのうちに殘のこれる木きわづかにして童子わらべも算かぞへうるが如ごとくになるべし
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20 その日ひイスラエルの遺󠄃のこれる者ものとヤコブの家いへののがれたる者ものとは再ふたゝびおのれを擊うちし者ものにたよらず誠󠄃意まごころをもてイスラエルの聖󠄃者せいしやヱホバにたよらん 21 その遺󠄃のこれるものヤコブの遺󠄃のこれるものは大能たいのうの神かみにかへるべし 22 ああイスラエルよ なんぢの民たみは海うみの沙いさごのごとしといへども遺󠄃のこりて歸かへりきたる者ものはただ僅少わづかならん そは敗壞ほろびすでにさだまり義ぎにて溢󠄃あふるべければなり 23 主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバの定さだめたまへる敗壞ほろびはこれを徧あまねく國內くにのうちにおこなひ給たまふべし

24 このゆゑに主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバいひたまはく シオンに住󠄃すめるわが民たみよアツスリヤ人びとエジプトの例れいにならひ笞しもとをもて汝なんぢをうち杖つゑをあげて汝なんぢをせむるとも懼おそるるなかれ 25 ただ頃刻󠄂しばらくにして忿恚いきどほりはやまん 我わがいかりは彼等かれらをほろぼして息やまん 26 萬軍ばんぐんのヱホバむかしミデアン人びとをオレブの巖いはのあたりにて擊うちたまひしごとくに禍害󠄅わざはひをおこして之これをせめ 又󠄂またその杖つゑを海うみのうへに伸のばしエジプトの例れいにしたがひてこれを擧あげたまはん〘911㌻〙 27 その日ひかれの重荷おもにはなんぢの肩󠄃かたより下おり かれの軛くびきはなんぢの頸くびよりはなれ その軛くびきはあぶらの故ゆゑをもて壞やぶれん

28 かれアイにきたりミグロンを過󠄃すぎミクマシにてその輜重しちようをとどめ 29 渡口わたりぐちをすぎてゲバに宿やどる ここに於おいてラマはをののきサウルギべア人びとは逃󠄄のがれはしれり 30 ガリムの女むすめよなんぢ聲こゑをあげて叫さけべ ライシよ耳みゝをかたぶけて聽きけ アナトテよなんぢも聲こゑをあげよ 31 マデメナはさすらひゲビムの民たみはのがれ走はしれり 32 この日ひかれノブに立たちとゞまり シオンのむすめの山やまヱルサレムの岡をかにむかひて手てをふりたり

33 主しゆばんぐんのヱホバは雄々ををしくたけびてその枝えだを斷たちたまはん 丈󠄃たけ高たかきものは伐きりおとされ聳そびえたる者ものはひくくせらるべし 34 また銕くろがねをもて茂しげりあふ林はやしをきり給たまはん レバノンは能力ちからあるものに倒たふさるべし
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第11章

1 ヱツサイの株かぶより一ひとつの芽めいで その根ねより一ひとつの枝えだはえて實みをむすばん 2 その上うへにヱホバの靈れいとゞまらん これ智慧󠄄ちゑ聰明そうめいの靈れい 謀略ぼうりやく才能さいのうの靈れい 知識ちしきの靈れい ヱホバをおそるるの靈れいなり 3 かれはヱホバを畏おそるるをもて歡樂たのしみとし また目めみるところによりて審判󠄄さばきをなさず 耳みゝきくところによりて斷定さだめをなさず 4 正義せいぎをもて貧󠄃まづしき者ものをさばき 公󠄃平󠄃こうへいをもて國くにのうちの卑いやしき者もののために斷定さだめをなし その口くちの杖つゑをもて國くにをうちその口唇くちびるの氣息いぶきをもて惡人あしきものをころすべし 5 正義せいぎはその腰󠄃こしの帶おびとなり 忠信ちゆうしんはその身みのおびとならん

6 おほかみは小羊こひつじとともにやどり 豹󠄂へうは小山羊こやぎとともにふし 犢こうし をじし 肥こえたる家畜けだものともに居をりてちひさき童子わらべにみちびかれ 7 牝牛めうしと熊くまとはくひものを同ともにし 熊くまの子こと牛うしの子ことともにふし 獅しゝはうしのごとく藁わらをくらひ 8 乳󠄃兒ちのみごは毒󠄂蛇どくじやのほらにたはふれ 乳󠄃ちばなれの兒こは手てをまむしの穴󠄄あなにいれん 9 斯かくてわが聖󠄃山きよきやまのいづこにても害󠄅そこなふことなく傷やぶることなからん そは水みづの海うみをおほへるごとくヱホバをしるの知識ちしき地ちにみつべければなり

10 その日ひヱツサイの根ねたちてもろもろの民たみの旂はたとなり もろもろの邦󠄆人くにびとはこれに服󠄃まつろひきたり榮光えいくわうはそのとゞまる所󠄃ところにあらん

11 その日ひ主しゆはまたふたゝび手てをのべてその民たみののこれる僅わづかのものをアツスリヤ、エジプト、パテロス、エテオピア、エラム、シナル、ハマテおよび海うみのしまじまより贖あがなひたまふべし〘912㌻〙 12 ヱホバは國々くに〴〵の爲ために旂はたをたててイスラエルの逐󠄃おひやられたる者ものをあつめ地ちの四極よものはてよりユダの散失ちりうせたるものを集つどへたまはん 13 またエフライムの猜そねみはうせ ユダを惱なやますものは斷たゝれ エフライムはユダをそねまず ユダはエフライムを惱なやますことなかるべし 14 かれらは西にしなるペリシテ人びとの境さかひにとびゆき相共あひともにひがしの子輩こらをかすめ その手てをエドムおよびモアブにのべアンモンの子孫しそんをおのれに服󠄃まつろはしめん
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15 ヱホバ、エジプトの海汊いりうみをからし河かはのうへに手てをふりて熱風あつきかぜをふかせ その河かはをうちて七ななつの小流こがはとなし 履くつをはきて渉わたらしめたまはん 16 斯かくてその民たみののこれる僅わづかのものの爲ためにアツスリヤより來きたるべき一ひとつの大路おほぢあり 昔むかしイスラエルがエジプトの地ちよりいでし時ときのごとくなるべし

第12章

1 その日ひなんぢ言いはん ヱホバよ我われなんぢに感謝󠄃かんしやすべし 汝なんぢさきに我われをいかり給たまひしかどその怒いかりはやみて我われをなぐさめたまへり 2 視みよ神かみはわが救すくひなり われ依賴よりたのみておそるるところなし 主しゆヱホバはわが力ちからわが歌うたなり ヱホバは亦またわが救すくひとなりたまへりと 3 此故このゆゑになんぢら欣喜よろこびをもて救すくひの井ゐより水みづをくむべし 4 その日ひなんぢらいはん ヱホバに感謝󠄃かんしやせよ その名みなをよべ その行爲みわざをもろもろの民たみの中なかにつたへよ その名みなのあがむべきことを語かたりつげよと 5 ヱホバを頌󠄃ほめうたへ そのみわざは高たかくすぐれたればなり これを全󠄃地ぜんちにつたへよ 6 シオンに住󠄃すめるものよ聲こゑをあげてよばはれ イスラエルの聖󠄃者せいしやはなんぢの中うちにて大おほいなればなり

第13章

1 アモツの子こイザヤが示しめされたるバビロンにかかる重負󠄅おもにの預言よげん 2 なんぢらかぶろの山やまに旂はたをたて聲こゑをあげ手てをふり彼等かれらをまねきて貴族きぞくの門もんにいらしめよ 3 われ旣󠄁すでにきよめ別わかちたるものに命めいじ わが丈󠄃夫ますらをほこりかにいさめる者ものをよびて わが怒いかりをもらさしむ 4 山やまにおほくの人ひとの聲こゑきこゆ大おほいなる民たみあるがごとし もろもろの國民くにびとのよりつどひて喧さばめく聲こゑきこゆ これ萬軍ばんぐんのヱホバたたかひの軍兵つはものを召めしたまふなり 5 かれらはとほき國くにより天てんの極はてよりきたる これヱホバとその忿恚いきどほりをもらす器うつはとともに全󠄃國ぜんこくをほろぼさんとて來きたるなり
 1187㌻ 

6 なんぢら泣號なきさけぶべしヱホバの日ひちかづき全󠄃能者ぜんのうしやよりいづる敗亡ほろびきたるべければなり 7 この故ゆゑにすべての手てはたれ凡すべての人ひとのこころは消󠄃きえゆかん 8 かれら慴をののきおそれ艱難なやみと憂うれへとにせまられ 子こをうまんとする婦󠄃をんなのごとく苦くるしみ互たがひにおどろき 相あひみあひてその面かほは燄ほのほのごとくならん〘913㌻〙 9 視みよヱホバの日ひ苛からくして忿恚いきどほりとはげしき怒いかりとをもて來きたり この國くにをあらしその中なかよりつみびとを絕滅たちほろぼさん 10 天てんのもろもろの星ほしとほしの宿やどりは光ひかりをはなたず 日ひはいでてくらく月󠄃つきは その光ひかりをかがやかさざるべし 11 われ惡あしきことのために世よをつみし 不義ふぎのために惡あしきものをばつし 驕おごれるものの誇ほこりをとどめ 暴あらぶるものの傲慢たかぶりをひくくせん 12 われ人ひとをして精金よきこがねよりもすくなくオフルの黃金こがねよりも少すくなからしめん 13 かくて亦またわれ萬軍ばんぐんのヱホバの忿恚いきどほりのとき烈はげしき怒いかりの日ひに天てんをふるはせ地ちをうごかしてその處ところをうしなはしむべし 14 かれらは逐󠄃おはるる鹿しかのごとく集あつむるものなき羊ひつじのごとくなりて各自おの〳〵おのれの民たみにかへりおのれの國くににのがれゆかん 15 すべて其處そこにあるもの見出みいださるれば 刺さゝれ 拘留ひきとめらるるものは劍つるぎにたふされ 16 彼等かれらの嬰兒みどりごはその目前󠄃めのまへにてなげくだかれ その家財いへのものはかすめうばはれ その妻つまはけがさるべし

17 視みよわれ白銀しろかねをもかへりみず黃金こがねをもよろこばざるメデア人びとをおこして之これにむかはしめん 18 かれらは弓ゆみをもて若わかきものを射󠄂いくだき腹はらの實みをあはれむことなく小子をさなごをみてをしむことなし 19 すべての國くにの中なかにてうるはしくカルデヤ人びとがほこり飾󠄃かざりとなせるバビロンはむかし神かみにほろぼされたるソドム、ゴモラのごとくならん 20 ここに住󠄃すむもの永ながくたえ世々よゝにいたるまで居をるものなく アラビヤ人びともかしこに幕屋まくやをはらず牧人ひつじかひもまたかしこにはその群むれをふさすることなく
 1188㌻ 
21 ただ猛獸あらきけものかしこにふし 吼ほゆるものその家いへにみち 鴕鳥だてうかしこにすみ 牡山羊をやぎかしこに躍󠄃をどらん 22 豺狼おほかみその城󠄃しろのなかになき野犬のいぬえいぐわの宮みやにさけばん その時ときのいたるは近󠄃ちかきにあり その日ひは延󠄅のぶることなかるべし

第14章

1 ヱホバ、ヤコブを憐あはれみイスラエルをふたゝび撰えらびて之これをおのれの地ちにおきたまはん 異邦󠄆人ことくにびとこれに加くははりてヤコブの家いへにむすびつらなるべし 2 もろもろの民たみはかれらをその處ところにたづさへいたらん而しかしてイスラエルの家いへはヱホバの地ちにてこれを奴婢しもべはしためとなし曩さきにおのれを虜とりこにしたるものを虜とりこにし おのれを虐󠄃しへたげたるものを治をさめん

3 ヱホバなんぢの憂うれへと艱難なやみとをのぞき 亦またなんぢが勤つとむるからき役つとめをのぞきて安息あんそくをたまふの日ひ 4 なんぢこの歌うたをとなへバビロン王わうをせめていはん虐󠄃しへたぐる者ものいかにして息やすみしや 金かねをはたる者ものいかにして息やすみしやと 5 ヱホバあしきものの笞しもとともろもろの有󠄃司つかさびとの杖つゑとををりたまへり〘914㌻〙 6 かれらは怒いかりをもてもろもろの民たみをたえず擊うちてはうち 忿恚いきどほりをもてもろもろの國くにををさむれど その暴虐󠄃しへたげをとどむる者ものなかりき 7 今いまは全󠄃地ぜんちやすみを得えおだやかを得え ことごとく聲こゑをあげてうたふ 8 實げにまつの樹きおよびレバノンの香柏かうはくさへもなんぢの故ゆゑにより歡よろこびていふ 汝なんぢすでに仆ふしたれば樵夫きこりのぼりきたりてわれらを攻せむることなしと 9 下したの陰府よみはなんぢの故ゆゑにより動うごきて汝なんぢのきたるをむかへ世よのもろもろの英雄えいゆうの亡靈なきたまをおこし國々くに〴〵のもろもろの王わうをその位くらゐより起󠄃たちおこらしむ 10 かれらは皆みななんぢに吿つげていはん 汝なんぢもわれらのごとく弱󠄃よわくなりしや 汝なんぢもわれらと同おなじくなりしやと 11 なんぢの榮華えいぐわとなんぢの琴ことの音󠄃ねはすでに陰府よみにおちたり 蛆うじなんぢの下したにしかれ蚯蚓みみづなんぢをおほふ
 1189㌻ 

12 あしたの子こ明星みやうじやうよいかにして天てんより隕おちしや もろもろの國くにをたふしし者ものよいかにして斫きられて地ちにたふれしや 13 汝なんぢさきに心中こころのうちにおもへらく われ天てんにのぼり我われくらゐを神かみの星ほしのうへにあげ北きたの極はてなる集會つどひの山やまにざし 14 たかき雲漢くもゐにのぼり至上者いとたかきもののごとくなるべしと 15 然されどなんぢは陰府よみにおとされ坑あなの最下いやしたにいれられん 16 なんぢを見みるものは熟々つら〳〵なんぢを視みなんぢに目めをとめていはん この人ひとは地ちをふるはせ列國くに〴〵をうごかし 17 世よを荒野あれののごとくし もろもろの邑まちをこぼち 捕とらへたるものをその家いへにときかへさざりしものなるかと 18 もろもろの國くにの王わうたちはことごとく皆みなたふとき狀さまにておのおのその家いへにねぶる 19 然されどなんぢは忌いみきらふべき枝えだのごとく おのが墓はかのそとにすてられその周󠄃圍󠄃まはりには劍つるぎにて刺さしころされ坑あなにおろされ 石いしにおほはれたる者ものありて踐ふみつけらるる屍かばねにことならず 20 汝なんぢおのれの國くにをほろぼし おのれの民たみをころししが故ゆゑに かれらとおなじく葬はうむらるることあたはず それ惡あくをおこなふものの裔すゑはとこしへに名なをよばるることなかるべし

21 先祖せんぞのよこしまの故ゆゑをもて その子孫しそんのために戮場ほふりばをそなへ 彼等かれらをしてたちて地ちをとり世界せかいのおもてに邑まちをみたすことなからしめよ 22 萬軍ばんぐんのヱホバのたまはく 我われ立たちてかれらを攻せめバビロンよりその名なと遺󠄃のこりたるものとを絕滅たちほろぼし その子こその孫まごをたちほろぼさんと これヱホバの聖󠄃言みことばなり 23 われバビロンを刺蝟はりねずみのすみかとし沼ぬまとし且かつほろびの箒はゝきをもてこれを掃󠄃除はらひのぞかんと これ萬軍ばんぐんのヱホバのみことばなり

24 萬軍ばんぐんのヱホバ誓ちかひをたてて言いひ給たまはくわがおもひし事ことはかならず成󠄃なり わがさだめし事ことはかならず立たゝん〘915㌻〙 25 われアツスリヤ人びとをわが地ちにてうちやぶり わが山々やま〳〵にてふみにじらん ここにおいて彼かれがおきし軛くびきはイスラエル人びとよりはなれ 彼かれがおはせし重負󠄅おもにはイスラエル人びとの肩󠄃かたよりはなるべし 26 これは全󠄃地ぜんちのことにつきて定さだめたる謀略はかりごとなり 是これはもろもろの國くにのうへに伸のばしたる手てなり
 1190㌻ 
27 萬軍ばんぐんのヱホバさだめたまへり誰たれかこれを破やぶることを得えんや その手てをのばしたまへり誰たれかこれを押返󠄄おしかへすことを得えんや

28 アハズ王わうの死しにたる年としおもにの預言よげんありき

29 曰いはく ペリシテの全󠄃地ぜんちよなんぢをうちし杖つゑをれたればとて喜よろこぶなかれ 蛇へびの根ねより蝮まむしいでその果みはとびかける巨󠄃蛇をろちとなるべければなり 30 いと貧󠄃まづしきものはものくひ乏ともしきものは安然やすらかにふさん われ饑󠄃饉ききんをもてなんぢの根ねをしなせ汝なんぢがのこれる者ものをころすべし 31 門もんよなげけ邑まちよさけべ ペリシテよなんぢの全󠄃地ぜんちきえうせたり そはけぶり北きたよりいできたり その軍兵つはものの列つらにおくるるものなし

32 その國くにの使󠄃者つかひたちに何なにとこたふべきや 答こたへていはん ヱホバ、シオンの基もとゐをおきたまへり その民たみのなかの苦くるしむものは避󠄃所󠄃さけどころをこの中うちにえん

第15章

1 モアブにかかる重負󠄅おもにのよげん 曰いはく  モアブのアルは一夜ひとよの間まにあらされて亡ほろびうせ モアブのキルは一夜ひとよのまに荒あらされてほろびうせん

2 かれバイテおよびデボンの高所󠄃たかきところにのぼりて哭なき モアブはネボ及およびメデバの上うへにてなげきさけぶ おのおのその頭かしらを禿かぶろにしその鬚ひげをことごとく剃そりたり 3 かれら麁󠄃服󠄃あらたへをきてその衢ちまたにあり 屋蓋やねまたは廣ひろきところにて皆みななきさけび悲かなしむこと甚はなはだし 4 ヘシボンとエレアレと叫さけびてその聲こゑヤハズにまで聞きこゆ この故ゆゑにモアブの軍兵つはものこゑをあげ その靈魂たましひうちに在ありてをののけり 5 わが心こゝろモアブのために叫さけびよばはれり その貴族きぞくはゾアルおよびヱグラテシリシヤにのがれ 哭なきつつルヒテの坂さかをのぼり ホロナイムの途󠄃みちにて敗亡ほろびの聲こゑをあぐ 6 ニムリムの水みづはかわき草くさはかれ苗なへはつきて緑蔬あをきものあらず
 1191㌻ 
7 このゆゑに彼等かれらはその獲えたる富とみとその藏をさめたる物ものをたづさへて柳やなぎの河かはをわたらん 8 その泣號なきさけびのこゑはモアブの境さかひをめぐり 悲歎なげきのこゑはエグライムにいたり なげきの聲こゑはべエルエリムにいたる 9 デモンの水みづは血ちにて充みつ われデモンの上うへにひとしほ禍害󠄅わざはひをくはへ モアブの遁󠄅のがれたる者ものとこの地ちの遺󠄃のこりたるものとに獅しゝをおくらん〘916㌻〙

第16章

1 なんぢら荒野あれののセラより羔羊こひつじをシオンの女むすめの山やまにおくりて國くにの首をさにをさむべし 2 モアブの女輩むすめらはアルノンの津わたりにありてさまよふ鳥とりのごとく巢すをおはれたる雛ひなのごとくなるべし 3 相謀あひはかりて審判󠄄さばきをおこなひ 亭午まひるにもなんぢの蔭かげを夜よるのごとくならしめ 驅逐󠄃人さすらひびとをかくし 遁󠄅のがれきたるものを顯あらはすなかれ 4 わが驅逐󠄃人さすらひびとをなんぢとともに居をらしめ 汝なんぢモアブの避󠄃所󠄃さけどころとなりて之これをそこなふ者もののまへより脱のがれしめよ 勒索者しひうばふものはうせ害󠄅そこなふものはたえ暴虐󠄃者しへたぐるものは地ちより絕たゝれん 5 ひとつの位くらゐあはれみをもて堅かたくたち眞󠄃實まことをおこなふ者ものそのうへに坐ざせん 彼かれダビデの幕屋まくやにをりて審判󠄄さばきをなし公󠄃平󠄃こうへいをもとめて義ぎをおこなふに速󠄃はやし

6 われらモアブの傲慢たかぶりをきけり その高たかぶること甚はなはだし われらその誇ほこりとたかぶりと忿恚いきどほりとをきけり その大言たいげんはむなし 7 この故ゆゑにモアブはモアブの爲ためになきさけび民たみみな哭なきさけぶべし なんぢら必かならず甚はなはだしく心こゝろをいためてキルハレステの乾葡萄ほしぶだうのためになげくべし 8 そはヘシボンの畑はたとシブマのぶだうの樹きとは凋󠄃しぼみおとろへたり その枝えださきにはヤゼルにまでいたりて荒野あれのにはびこりのびて海うみをわたりしが 國々くに〴〵のもろもろの主しゆその美うるはしき枝えだををりたり 9 この故ゆゑにわれヤゼルの哭なくとひとしくシブマの葡萄ぶだうの樹きのためになかん ヘシボンよエレアレよわが淚なみだなんぢをひたさん そは鬨聲ときのこゑなんぢが果物このみなんぢが收穫かりいれの實みのうへにおちきたればなり 10 欣喜よろこびとたのしみとは土つち肥こえたる畑はたより取とりさられ 葡萄園ぶだうぞのには謳うたふことなく歡呼よろこびよばふことなく酒醡さかぶねにはふみて酒さけをしぼるものなし 我われそのよろこびたつる聲こゑをやめしめたり
 1192㌻ 
11 このゆゑにわが心腸はらわたはモアブの故ゆゑをもて琴ことのごとく鳴なりひびき キルハレスの故ゆゑをもてわが衷うちもまた然しかり 12 モアブは高處たかきところにいでて倦うみつかれその聖󠄃所󠄃きよきところにきたりて祈いのるべけれど驗しるしあらじ

13 こはヱホバが曩さきにモアブに就つきてかたりたまへる聖󠄃言みことばなり 14 されど今いまヱホバかたりて言いひたまはくモアブの榮さかえはその大おほいなる群衆ぐんしうとともに傭人やとひびとの期きにひとしく 三年みとせのうちに恥はづかしめをうけ 遺󠄃のこれる者ものはなはだ少すくなくして力ちからなからん

第17章

1 ダマスコにかかはる重負󠄅おもにの預言よげん いはく  視みよダマスコは邑まちのすがたをうしなひて荒墟あれつかとなるべし

2 アロエルの諸邑まち〳〵はすてられん獸畜けもののむれそこにすみてその伏ふしやすめるをおびやかす者ものもなからん 3 エフライムの城󠄃しろはすたりダマスコの政治まつりごとはやみ スリアの遺󠄃のこれる者ものはイスラエルの子輩こらのさかえのごとく消󠄃きえうせん 是これは萬軍ばんぐんのヱホバの聖󠄃言みことばなり〘917㌻〙

4 その日ひヤコブの榮さかえはおとろへその肥こえたる肉󠄁にくはやせて 5 あだかも收穫人かりいれびとの麥むぎをかりあつめ腕かひなをもて穗ほをかりたる後あとのごとくレパイムの谷たにに穗ほをひろひたるあとの如ごとくならん 6 されど橄欖樹かんらんのきをうつとき二ふたつ三みつの核󠄂みを杪こずゑにのこし あるひは四よつ五いつつをみのりおほき樹きの外面そとものえだに遺󠄃のこせるが如ごとく採󠄃とりのこさるるものあるべし 是これイスラエルの神かみヱホバの聖󠄃言みことばなり 7 その日ひ人ひとおのれを造󠄃つくれるものを仰あふぎのぞみイスラエルの聖󠄃者せいしやに目めをとめん 8 斯かくておのれの手ての工わざなる祭壇さいだんをあふぎ望󠄇のぞまず おのれの指ゆびのつくりたるアシラの像󠄃ざうと日ひの像󠄃ざうとに目めをとめじ 9 その日ひかれが堅固けんごなるまちまちは 昔むかしイスラエルの子輩こらをさけてすてさりたる森もりのなか嶺みねのうへに今いまのこれる荒跡あれあとのごとく荒地あれちとなるべし
 1193㌻ 
10 そは汝なんぢおのがすくひの神かみをわすれ 己おのがちからとなるべき磐いはを心こゝろにとめざりしによる このゆゑになんぢ美うつくしき植物うゑものをうゑ異ことやうの枝えだをさし 11 かつ植うゑたる日ひに籬󠄂まがきをまはし朝󠄃あしたに芽めをいださしむれども 患難なやみの日ひといたましき憂うれへの日ひときたりて收穫かりいれの果みはとびさらん

12 唉あゝおほくの民たみはなりどよめけり海うみのなりどよめく如ごとくかれらも鳴動なりどよめけり もろもろの國くにはなりひびけり大水おほみづのなりひびくが如ごとくかれらも鳴響なりひびけり 13 もろもろの國くにはおほくの水みづのなりひびくがごとく鳴響なりひびかん されど神かみかれらを攻せめたまふべし かれら遠󠄄とほくのがれて風かぜにふきさらるる山やまのうへの粃糠もみがらのごとく また旋風はやちにふきさらるる塵ちりのごとくならん 14 視みよゆふぐれに恐怖おそれあり いまだ黎明よあけにいたらずして彼等かれらは亡うせたり これ我儕われらをかすむる者もののうくべき報むくいわれらを奪うばふもののひくべき䰗くじなり

第18章

1 唉あゝエテオピアの河かはの彼方かなたなるさやさやと羽音󠄃はおとのきこゆる地ち 2 この地ち蒹󠄃あしのふねを水みづにうかべ海路うみぢより使󠄃者つかひをつかはさんとてその使󠄃者つかひにいへらく 疾走とくはしる使󠄃つかひよなんぢら河々かは〴〵の流ながれのわかるる國くににゆけ丈󠄃たけたかく肌はだへなめらかなる 始はじめより今いまにいたるまで懼おそるべく繩󠄂なはもてはかり人ひとを踐ふみにじる民たみにゆけ 3 すべて世よにをるもの地ちにすむものよ 山やまのうへに旗はたのたつとき汝等なんぢらこれを見みラッパの鳴響なりひびくときなんぢら之これをきけ

4 そはヱホバわれに如此かくいひ給たまへりいはく 空󠄃そらはれわたり日ひてり收穫かりいれの熱ねつむしてつゆけき雲くものたるる間あひだ われわが居所󠄃すまひにしづかに居ゐてながめん 5 收穫かりいれのまへにその芽めまたく生はえその花はなぶだうとなりて熟じゆくせんとするとき かれ鎌󠄃かまをもて蔓つるをかり枝えだをきり去さらん〘918㌻〙 6 斯かくてみな山やまのたけきとりと地ちの獸けものとになげあたへらるべし 猛鳥たけきとりそのうへにて夏なつをすごし地ちのけものその上うへにて冬󠄃ふゆをわたらん
 1194㌻ 
7 そのとき河々かは〴〵の流ながれのわかるる國くにの丈󠄃たけたかく肌はだへなめらかなる 始はじめより今いまにいたるまで懼おそるべく繩󠄂なはもてはかり人ひとをふみにじる民たみより 萬軍ばんぐんのヱホバにささぐる禮物れいもつをたづさへて 萬軍ばんぐんのヱホバの聖󠄃名みなのところシオンの山やまにきたるべし

第19章

1 エジプトにかかる重負󠄅おもにのよげん いはく  ヱホバははやき雲くもにのりてエジプトに來きたりたまふ エジプトのもろもろの偶像󠄃ぐうざうはその前󠄃みまへにふるひをののき エジプト人びとのこころはその衷うちにて消󠄃きえゆかん

2 我われエジプト人びとをたけび勇󠄃いさましめてエジプト人びとを攻せめしめん斯かくてかれら各自おの〳〵その兄弟きやうだいをせめおのおのその鄰󠄄となりをせめ 邑まちは邑まちをせめ國くにはくにを攻せむべし 3 エジプト人びとの靈魂たましひうせてその中なかむなしくならん われその謀略はかりごとをほろぼすべし かれらは偶像󠄃ぐうざうおよび呪文󠄃じゆもんをとなふるもの巫女みこ魔󠄃術󠄃者まじゆつしやにもとむることを爲せん 4 われエジプト人びとを苛酷󠄃かこくなる主人しゆじんの手てにわたさん あらあらしき王わうかれらを治をさむべし是これ主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバの聖󠄃言みことばなり

5 海うみの水みづはつき河かはもまた涸かれてかわかん 6 また河々かは〴〵はくさき臭にほひをはなちエジプトの堭ほりはみな漸次󠄄やゝにへりてかわき葦よしと蘆あしとかれはてん 7 ナイルのほとりの草原くさはらナイルの岸きしにほどちかき所󠄃ところすべてナイルの最寄もよりにまきたる者ものはことごとく枯かれてちりうせん 8 漁者すなどりもまた歎なげき すべてナイルに釣つりをたるる者ものはかなしみ網󠄄あみを水みづのうへに施しくものはおとろふべし 9 練ねりたる麻󠄃あさにて物ものつくるもの白布しろぬのを織をるものは恥はぢあわて 10 その柱󠄃はしらはくだけ一切すべてのやとはれたる者もののこころ憂うれひかなしまん

11 誠󠄃まことやゾアンの諸侯きみたちは愚おろかなりパロの最もつともかしこき議官ぎくわんのはかりごとは癡鈍しれゆくべし 然さらばなんぢら何いかでパロにむかひて我われはかしこきものの子こ われは古いにしへの王わうの子こなりといふを得えんや
 1195㌻ 
12 なんぢの智者かしこきものいづくにありや 彼かれらもし萬軍ばんぐんのヱホバの定さだめたまひしエジプトに係かゝはることを曉さとり得えばこれをなんぢに吿つぐるこそよけれ 13 ゾアンのもろもろの諸侯きみたちは愚おろかなり ノフの諸侯きみたちは惑まどひたり かれらはエジプトのもろもろの支󠄂派󠄄わかれの隅石すみいしなるに却かへりてエジプトをあやまらせたり 14 ヱホバ曲まがれる心こゝろをその中なかにまじへ給たまひしにより 彼等かれらはエジプトのすべて作なすところを謬󠄃あやまらせ恰あたかも醉ゑへる人ひとの哇吐ものはくときによろめくが如ごとくならしめたり〘919㌻〙 15 エジプトにて或あるひは首かしらあるひは尾をあるひは椶櫚しゆろのえだまたは葦よしすべてその作なすところの工わざなかるべし

16 その日ひエジプトは婦󠄃女をんなのごとくならん 萬軍ばんぐんのヱホバの動うごかしたまふ手みてのその上うへにうごくが故ゆゑにおそれをののくべし 17 ユダの地ちはエジプトに懼おそれらる この事ことをかたりつぐれば聽きくもの皆みなおそる これ萬軍ばんぐんのヱホバ、エジプトに對むかひて定さだめたまへる謀略はかりごとの故ゆゑによるなり

18 その日ひエジプトの地ちに五いつつの邑まちあり カナンの方言くにことばをかたりまた萬軍ばんぐんのヱホバに誓ちかひをたてん その中うちのひとつは日邑ひのまちととなへらるべし

19 その日ひエジプトの地ちの中なかにヱホバをまつる一ひとつの祭壇さいだんあり その境さかひにヱホバをまつる一ひとつの柱󠄃はしらあらん 20 これエジプトの地ちにて萬軍ばんぐんのヱホバの徴しるしとなり證あかしとなるなり かれら暴虐󠄃者しへたぐるものの故ゆゑによりてヱホバに號求さけびもとむべければ ヱホバは救すくふもの護まもるものを遣󠄃つかはしてこれを助たすけたまはん 21 ヱホバおのれをエジプトに知しらせたまはん その日ひエジプト人びとはヱホバをしり犧牲いけにへと祭物そなへものとをもて之これにつかへん 誓願せいぐわんをヱホバにたてて成󠄃なしとぐべし 22 ヱホバ、エジプトを擊うちたまはん ヱホバこれを擊うちこれを醫いやしたまふ この故ゆゑにかれらヱホバに歸かへらん ヱホバその懇求ねがひをいれて之これをいやし給たまはん
 1196㌻ 

23 その日ひエジプトよりアツスリヤにかよふ大路おほぢありて アツスリヤ人びとはエジプトにきたり エジプト人びとはアツスリヤにゆき エジプト人びととアツスリヤ人びとと相共あひともにつかふることをせん

24 その日ひイスラエルはエジプトとアツスリヤとを共ともにし三みつあひならび地ちのうへにて福祉さいはひをうくる者ものとなるべし 25 萬軍ばんぐんのヱホバこれを祝しゆくして言いひたまはく わが民たみなるエジプトわが手ての工わざなるアツスリヤわが產業さんげふなるイスラエルは福さいはひなるかな

第20章

1 アツスリヤのサルゴン王わうタルタンを遣󠄃つかはしてアシドドにゆかしむ 彼かれがアシドドを攻せめてとりし年としにあたり 2 この時ときヱホバ、アモツの子こイザヤに托よりてかたりたまはく 往󠄃ゆけなんぢの腰󠄃こしよりあらたへの衣ころもをとき汝なんぢの足あしより履くつをぬげ ここに於おいてかれその如ごとくなし赤裸はだか跣足はだしにて步あゆめり 3 ヱホバ言いひ給たまはく わが僕しもべイザヤは三年ねんの間あひだはだかはだしにてあゆみ エジプトとエテオピアとの豫兆󠄃しるしとなり奇くすしき標かたとなりたり 4 斯かくのごとくエジプトの虜とりことエテオピアの俘囚とらはれびととはアツスリヤの王わうにひきゆかれ その若わかきも老おいたるもみな赤裸はだか跣足はだしにて臀ゐさらひまでもあらはしエジプトの恥はぢをしめすべし〘920㌻〙 5 かれらはその恃たのみとせるエテオピアその誇ほこりとせるエジプトのゆゑをもて懼おそれはぢん 6 その日ひこの濱邊󠄎はまべの民たみいはん 視みよ われらの恃たのみとせる國くにわれらが遁󠄅のがれゆきて助たすけをもとめアツスリヤ王わうの手てより救出すくひいだされんとせし國くにすでに斯かくのごとし 我儕われらはいかにして脱まぬかるるを得えんやと

第21章

1 うみべの荒野あれのにかかる重負󠄅おもにのよげん いはく  荒野あれのよりおそるべき地ちより南みなみのかたの暴風はやちのふきすぐるが如ごとくきたれり

2 われ苛からき默示もくしをしめされたり 欺騙󠄃者あざむくものはあざむき荒あらすものはあらすべし エラムよ上のぼれメデアよかこめ 我われすでにすべての歎息なげきをやめしめたり
 1197㌻ 
3 この故ゆゑにわが腰󠄃こしは甚はなはだしくいたみ 產さんにのぞめる婦󠄃人をんなの如ごとき苦くるしみ我われにせまれり われ悶もだへ苦くるしみて聞きくことあたはず我われをののきて見みることあたはず 4 わが心こゝろみだれまどひて慴わななき怖おづること甚はなはだし わが樂たのしめる夕ゆふべはかはりて懼おそれとなりぬ 5 彼かれらは席せきをまうけ筵むしろをしきてくひのみす もろもろの君きみよたちて盾たてにあぶらぬれ 6 ヱホバかく我われにいひ給たまへり 汝なんぢゆきて斥候ものみをおきその見みるところを吿つげしめよ 7 かれ馬むまにのりて二列ふたなみにならび來きたるものを見み また驢馬ろばにのりたると駱駝らくだにのりたるとをみば 耳みゝをかたぶけて詳細つまびらかにきくことをせしめよと 8 かれ獅しゝの如ごとく呼よばはりて曰いひけるは わが主しゆよわれ終󠄃日ひねもすやぐらに立たちよもすがら斥候ものみの地ちにたつ 9 馬むまにのりて二列ふたなみにならびたる者ものきたれり 彼かれこたへていはくバビロンは倒たふれたり 倒たふれたりそのもろもろの神かみの像󠄃ざうはくだけて地ちにふしたり

10 蹂躪ふみにじらるるわが民たみよわが打場うちばのたなつものよ 我われイスラエルの神かみ萬軍ばんぐんのヱホバに聞きけるところのものを汝なんぢにつげたり

11 ドマに係かゝるおもにの預言よげん いはく  人ひとありセイルより我われをよびていふ 斥候ものみよ夜よはなにのときぞ 斥候ものみよ夜よはなにの時ときぞ

12 ものみ答こたへていふ 朝󠄃あしたきたり夜よまたきたる 汝なんぢもしとはんとおもはば問とへ なんぢら歸かへりきたるべし 13 アラビヤにかかる重負󠄅おもにのよげん 曰いはく  デダンの客商たびあきうどよなんぢらはアラビヤの林はやしにやどらん

14 テマの地ちのたみよ水みづをたづさへて渇かわける者ものをむかへ 糧かてをもて逃󠄄遁󠄅にげのがれたるものを迎󠄃むかへよ 15 かれらは刃󠄃やいばをさけ 旣󠄁すでにぬきたる劍つるぎすでに張はりたる弓ゆみおよびたたかひの艱難なやみをさけて逃󠄄にげきたれり〘921㌻〙
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16 そは主しゆわれにいひたまはく 傭人やとひびとの期きにひとしく一年ひととせのうちにケダルのすべての榮華えいぐわはつきはてん 17 そののこれる弓士いてのかずとケダルの子孫ひと〴〵のますらをとは少すくなかるべし 此こはイスラエルの神かみヱホバのかたり給たまへるなり

第22章

1 異象いしやうの谷たににかかる重負󠄅おもにのよげん 曰いはく  なんぢら何故なにゆゑにみな屋蓋やねにのぼれるか

2 汝なんぢはさわがしく喧かまびすしき邑まちほこりたのしむ邑まち なんぢのうちの殺ころされたるものは劍つるぎをもて殺ころされしにあらず 亦またたたかひにて死ししにもあらず 3 なんぢの有󠄃司つかさびとはみな共ともにのがれゆきしかど弓士いてにいましめられ 汝なんぢの民たみはとほくにげゆきしかど見出みいだされて皆みなともに縛󠄃いましめられたり 4 この故ゆゑにわれいふ回顧󠄃ふりかへりてわれを見みるなかれ 我われいたく哭なきかなしまん わが民たみのむすめの害󠄅そこなはれたるによりて我われをなぐさめんと勉つとむるなかれ

5 そは主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバ異象いしやうのたにに騷亂さわぎふみにじり惶惑あわてまどひの日ひをきたらせたまふ 垣かきはくづれ號呼さけびのこゑは山々やま〳〵にきこゆ 6 エラムは箙󠄃えびらをおひたり 步兵ほへいと騎兵きへいとありキルは盾たてをあらはせり 7 かくて戰車いくさぐるまはなんぢの美うるはしき谷たににみち 騎兵きへいはその門もんにむかひてつらなれり 8 ユダの庇護おほひはのぞかる その日ひなんぢは林はやしのいへの武具󠄄ぶぐをあふぎのぞめり 9 なんぢらダビデのまちの壞やぶれおほきを見みる なんぢら下しものいけの水みづをあつめ 10 またヱルサレムの家いへをかぞへ且かつその家いへをこぼちて垣かきをかたくし 11 一ひとつの水坑みづためをかきとかきとの間あひだにつくりて古池ふるいけの水みづをひけりされどこの事ことをなし給たまへるものを仰望󠄇あふぎのぞまず この事ことをむかしより營いとなみたまへる者ものをかへりみざりき

12 その日ひ主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバ命めいじて哭なきかなしみ首かしらをかぶろにし麁󠄃服󠄃あらたへをまとへと仰おほせたまひしかど 13 なんぢらは喜よろこびたのしみ牛うしをほふり羊ひつじをころし肉󠄁にくをくらひ酒さけをのみていふ 我儕われらくらひ且かつのむべし明日あすはしぬべければなりと
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14 萬軍ばんぐんのヱホバ默示もくしをわが耳みゝにきかしめたまはく まことにこの邪󠄅曲よこしまはなんぢらが死しにいたるまで除のぞき淸きよめらるるを得えずと これ主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバのみことばなり

15 主しゆばんぐんのヱホバ如此かくのたまふ ゆけ宮みやををさめ庫くらをつかさどるセブナにゆきていへ 16 なんぢここに何なにのかかはりありや また茲こゝにいかなる人ひとのありとして己おのがために墓はかをほりしや 彼かれはたかきところに墓はかをほり磐いはをうがちて己おのがために住󠄃所󠄃すみかをつくれり 17 視みよヱホバはつよき人ひとのなげうつ如ごとくに汝なんぢをなげうち給たまはん 18 なんぢを包󠄃つゝみかためふりまはして闊ひろらかなる地ちに球まりのごとくなげいだしたまはん 主人しゆじんのいへの恥はぢとなるものよ汝なんぢそこにて死しにそのえいぐわの車くるまもそこにあらん〘922㌻〙 19 我われなんぢをその職つとめよりおひその位くらゐよりひきおとさん 20 その日ひわれわが僕しもべヒルキヤの子こエリアキムを召よびて 21 なんぢの衣ころもをきせ汝なんぢの帶おびをもて固かため なんぢの政權まつりごとをその手てにゆだぬべし 斯かくて彼かれヱルサレムの民たみとユダの家いへとに父󠄃ちゝとならん 22 我われまたダビデのいへの鑰かぎをその肩󠄃かたにおかん 彼かれあくればとづるものなく彼かれとづればあくるものなし 23 我われかれをたてて堅處かたきところにうちし釘くぎのごとくすべし 而しかしてかれはその父󠄃ちゝの家いへのさかえの位くらゐとならん 24 その父󠄃ちゝの家いへのもろもろの榮さかえは彼かれがうへに懸かゝる その子こその孫まごおよびすべての器うつはのちひさきもの皿さらより瓶子へいじにいたるまでも然しからざるなし 25 萬軍ばんぐんのヱホバのたまはくその日ひかたき處ところにうちたる釘くぎはぬけいで斫きられておちん そのうへにかかれる負󠄅にもまた絕たゝるべし こはヱホバ語かたり給たまへるなり

第23章

1 ツロに係かゝるおもにの預言よげん いはく  タルシシのもろもろの舟ふねよなきさけべ ツロは荒廢あれすたれて屋いへなく入いるべきところなければなり かれら此事このことをキツテムの地ちにて吿つげしらせらる
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2 うみべの民たみよもだせ 曩さきには海うみをゆきかふシドンの商賣あきうどくさぐさの物ものをかしこに充みたせたり 3 ツロは大おほいなる水みづをわたりくるシホルの種物たねものとナイルがはの穀物たなつものとによりて收納󠄃しふなふをえたり ツロはもろもろの國くにのつどふ市いちなりき 4 シドンよはづべし そは海うみすなはち海城󠄃うみのしろかくいへり曰いはく われ苦くるしまずうまず壯男わかきをとこをやしなはず處女をとめをそだてざりきと 5 この音󠄃信おとづれのエジプトにいたるとき彼等かれらツロのおとづれによりて甚いたくうれふべし 6 なんぢらタルシシにわたれ 海邊󠄎うみべのたみよ汝等なんぢらなきさけぶべし 7 これは上あがれる世よいにしへよりありし邑まちおのが足あしにてうつり遠󠄄とほくたびずまひせる邑まちなんぢらの樂たのしみの邑まちなりしや

8 斯かくのごとくツロに對むかひてはかりしは誰たれなるか ツロは冕󠄅かんむりをさづけし邑まち その中なかのあきうどは君きみ その中なかの貿易うりかひするものは地ちのたふとき者ものなりき 9 これ萬軍ばんぐんのヱホバの定さだめ給たまふところにして すべて華美あてやかにかざれる驕奢おごりをけがし地ちのもろもろの貴者たふときものをひくくしたまはんが爲ためなり 10 タルシシの女むすめよナイルのごとく己おのが地ちにあふれよ なんぢを結むすびかたむる帶おびふたゝびなかるべし 11 ヱホバその手てを海うみの上うへにのべて國々くに〴〵をふるひうごかし給たまへり ヱホバ、カナンにつきて詔命みことのりをいだしその保砦とりでをこぼたしめたまふ 12 彼かれいひたまはく虐󠄃しへたげられたる處女をとめシドンのむすめよ 汝なんぢふたゝびよろこぶことなかるべし 起󠄃たちてキツテムにわたれ彼處かしこにてなんぢまた安息やすみをえじ〘923㌻〙

13 カルデヤ人びとのくにを視みよ この民たみはふたゝびあることなし アツスリヤ人びとこの國くにを野ののけものの居所󠄃をりどころにさだめたり かれら櫓やぐらをたてもろもろの殿とのをこぼちて荒墟あれつかとなせり 14 タルシシのもろもろの舟ふねよなきさけべ なんぢの保砦とりではくだかれたり 15 その日ひツロは七十年ねんのあひだ忘󠄃わすれらるべし ひとりの王わうのながらふる日ひのかずなり七十年ねん終󠄃をはりてのちツロは妓女うかれめのうたの如ごとくならん 16 さきに忘󠄃わすれられたるうかれめよ琴ことをとりて城󠄃市まちをへめぐり 巧たくみに彈たんじておほくの歌うたをうたひ人ひとにふたゝび記念おもひいでらるべし
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17 七十年ねんをはりてヱホバまたツロを顧󠄃かへりみたまはん ツロはふたゝびその利潤くぼさをえて地ちのおもてにあるもろもろの國くにと淫たはれをおこなふべし 18 その貿易あきなひとその獲えたる利潤くぼさとはきよめてヱホバに獻さゝぐべければ之これをたくはへず積つむことをせざるなり その貿易あきなひはヱホバの前󠄃まへにをるものの用ようとなり飽󠄄あきくらふ料りやうとなり華美はなやかなるころもの料りやうとならん

第24章

1 視みよヱホバこの地ちをむなしからしめ荒廢あれすたれしめこれを覆󠄄くつがへしてその民たみをちらしたまふ 2 かくて民たみも祭司さいしもひとしく 僕しもべも主しゆもひとしく 下婢はしためも主婦󠄃いへとじもひとしく 買かふものも賣うるものもひとしく 貸かすものも借かるものもひとしく 利りをはたるものも利りをいだす者ものもひとしくこの事ことにあふべし 3 地ちはことごとく空󠄃むなしくことごとく掠かすめられん こはヱホバの言いひたまへるなり 4 地ちはうれへおとろへ世よは萎なえおとろへ地ちのたふときものも萎なえはてたり 5 民たみおきてにそむき法のりををかし とこしへの契󠄅約けいやくをやぶりたるがゆゑに 地ちはその下したにけがされたり 6 このゆゑに呪詛のろひは地ちをのみつくしそこに住󠄃すめるものは罪つみをうけまた地ちの民たみはやかれて僅わづかばかり遺󠄃のこれり 7 あたらしき酒さけはうれへ葡萄ぶだうはなえ 心こゝろたのしめるものはみな歎息たんそくせざるはなし 8 鼓つづみのおとは寂しづまり歡よろこぶものの聲こゑはやみ琴ことの音󠄃ねもまたしづまれり 9 彼等かれらはふたゝび歌うたうたひ酒さけのまず濃酒こきさけはこれをのむものに苦にがくなるべし 10 騷さわぎみだれたる邑まちはすでにやぶられ每家いへ〳〵はことごとく閉とぢて人ひとのいるなし 11 街頭ちまたには酒さけの故ゆゑによりて叫さけぶこゑあり すべての歡喜よろこびはくらくなり地ちのたのしみは去さりゆけり 12 邑まちはあれすたれたる所󠄃ところのみのこり その門もんもこぼたれて破やぶれぬ 13 地ちのうちにてもろもろの民たみのなかにて遺󠄃のこるものは橄欖かんらんの樹きのうたれしのちの果みの如ごとく葡萄ぶだうの收穫かりいれはてしのちの實みのごとし〘924㌻〙
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14 これらのもの聲こゑをあげてよばはん ヱホバの稜威󠄂みいつのゆゑをもて海うみより歡よろこびよばはん 15 この故ゆゑになんぢら東ひがしにてヱホバをあがめ 海うみのしまじまにてイスラエルの神かみヱホバの名なをあがむべし 16 われら地ちの極はてより歌うたをきけり いはく榮光えいくわうはただしきものに歸きすと  われ云いへらく我われやせおとろへたり我われやせおとろへたり 我われはわざはひなるかな 欺騙󠄃者あざむくものはあざむき欺騙󠄃者あざむくものはいつはりをもて欺あざむけり

17 地ちにすむものよ恐怖おそれと陷阱おとしあなと罟わなとはなんぢに臨のぞめり 18 おそれの聲こゑをのがるる者ものはおとしあなに陷おちいり おとしあなの中なかよりいづるものは罟わなにかかるべし そは高處たかきところの窓まどひらけ地ちの基もとゐふるひうごけばなり 19 地ちは碎くだけにくだけ地ちはやぶれにやぶれ地ちは搖ゆれにゆれ 20 地ちはゑへる者もののごとく蹌よろめきによろめき假廬かりやのごとくふりうごく その罪つみはそのうへにおもく遂󠄅ついにたふれて再ふたゝびおくることなし

21 その日ひヱホバはたかき處ところにて高たかきところの軍兵つはものを征きため 地ちにて地ちのもろもろの王わうを征きためたまはん 22 かれらは囚人めしうどが阱あなにあつめらるるごとく集あつめられて 獄中ひとやのうちにとざされ多おほくの日ひをへてのち刑つみせらるべし 23 かくて萬軍ばんぐんのヱホバ、シオンの山やまおよびヱルサレムにて統治すべをさめ かつその長老ちやうらうたちのまへに榮光えいくわうあるべければ 月󠄃つきは面おもあからみ日ひははぢて色いろかはるべし

第25章

1 ヱホバよ汝なんぢはわが神かみなり 我われなんぢを崇あがめなんぢの名なをほめたたへん 汝なんぢさきに妙たへなる事わざをおこなひ 古時いにしへより定さだめたることを眞󠄃實しんじつをもて成󠄃なしたまひたればなり 2 なんぢ邑まちをかへて石堆いしづかとなし 堅固けんごなる城󠄃しろを荒墟あれづかとなし 外人あだしびとの京都みやこを邑まちとならしめず永遠󠄄とこしへにたつることを得えざらしめたまへり 3 この故ゆゑにつよき民たみはなんぢをあがめ 暴あらびたる國々くに〴〵の城󠄃しろはなんぢをおそるべし 4 そはなんぢ弱󠄃よわきものの保砦とりでとなり 乏ともしきものの難なやみのときの保砦とりでとなり 雨風あめかぜのふききたりて垣かきをうつごとく暴あらぶるものの荒あれきたるときの避󠄃所󠄃さけどころとなり 熱ねつをさくる蔭かげとなりたまへり
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5 なんぢ外人あだしびとの喧嘩さわぎをおさへて旱かわける地ちより熱ねつをとりのぞく如ごとくならしめ 暴あらぶるものの凱歌かちうたをとどめて雪󠄃くもの陰かげをもて熱ねつをとどむる如ごとくならしめたまはん

6 萬軍ばんぐんのヱホバこの山やまにてもろもろの民たみのために肥こえたるものをもて宴えんをまうけ 久ひさしくたくはへたる葡萄酒ぶだうしゆをもて宴えんをまうく 膸ずゐおほき肥こえたるもの久ひさしくたくはへたる淸すめるぶだう酒しゆの宴えんなり 7 又󠄂またこの山やまにてもろもろの民たみのかぶれる面帕かほおほひと もろもろの國くにのおほへる外帔おほひぎぬをとりのぞき〘925㌻〙 8 とこしへまで死しを呑のみたまはん 主しゆヱホバはすべての面かほより淚なみだをぬぐひ 全󠄃地ぜんちのうへよりその民たみの凌辱はづかしめをのぞき給たまはん これはヱホバの語かたりたまへるなり

9 その日ひ此如かくいはん これはわれらの神かみなり われら俟望󠄇まちのぞめり 彼かれわれらを救すくひたまはん 是これヱホバなり われらまちのぞめり 我儕われらそのすくひを歡よろこびたのしむべしと 10 ヱホバの手みてはこの山やまにとゞまり モアブはその處ところにてあくたの水みづのなかにふまるる藁わらのごとく蹂躪ふみにじられん 11 彼かれそのなかにて游者およぐもののおよがんとして手てをのばすが如ごとく己おのが手てをのばさん 然されどヱホバその手ての詭計たばかりとともにその傲慢たかぶりを伏ふせたまはん 12 なんぢの垣かきたかき堅固けんごなる城󠄃しろはヱホバかたぶけたふし 地ちにおとして塵ちりにまじへたまはん

第26章

1 その日ひユダの國くににてこの歌うたをうたはん われらに堅固けんごなる邑まちあり 神かみすくひをもてその垣かきその藩かこひとなしたまふべし 2 なんぢら門もんをひらきて忠信ちうしんを守まもるただしき國民くにびとをいれよ 3 なんぢは平󠄃康やすきにやすきをもて心志こころざしかたき者ものをまもりたまふ 彼かれはなんぢに依賴よりたのめばなり 4 なんぢら常盤とことはにヱホバによりたのめ 主しゆヱホバはとこしへの巖いはなり 5 たかきに居をるものを仆たふし そびえたる城󠄃しろをふせしめ 地ちにふせしめて塵ちりにまじへ給たまへり
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6 かくて足あしこれをふまん 苦くるしむものは足あしにて之これをふみ 貧󠄃まづしき者ものはその上うへをあゆまん 7 義ただしきものの道󠄃みちは直なほからざるなし なんぢ義ただしきものの途󠄃みちを直なほく平󠄃たひらかにし給たまふ

8 ヱホバよ審判󠄄さばきをおこなひたまふ道󠄃みちにてわれら汝なんぢをまちのぞめり われらの心こゝろはなんぢの名なとなんぢの記念きねんの名なとをしたふなり 9 わがこころ夜よるなんぢを慕したひたり わがうちなる靈れいあしたに汝なんぢをもとめん そは汝なんぢのさばき地ちにおこなはるるとき世よにすめるもの正義ただしきをまなぶべし 10 惡者あしきものはめぐまるれども公󠄃義ただしきをまなばず 直なほき地ちにありてなほ不義ふぎをおこなひヱホバの稜威󠄂みいつを見みることをこのまず

11 ヱホバよなんぢの手みてたかく擧あがれどもかれら顧󠄃かへりみず 然されどなんぢが民たみをすくひたまふ熱心ねつしんを見みばはぢをいだかん 火ひなんぢの敵てきをやきつくすべし 12 ヱホバよ汝なんぢはわれらのために平󠄃和やすきをまうけたまはん 我儕われらのおこなひしことは皆みななんぢの成󠄃なしたまへるなり 13 ヱホバわれらの神かみよなんぢにあらぬ他ほかの主しゆども曩さきにわれらを治をさめたり 然されどわれらはただ汝なんぢによりて汝なんぢの名なをかたりつげん 14 かれら死しにたればまたいきず 亡靈なきたまとなりたればまた復かへらず なんぢかれらを糺たゞしてこれを滅ほろぼし その記念きねんの名なをさへ悉こと〴〵くうせしめたまへり〘926㌻〙 15 ヱホバよなんぢこの國民くにびとをましたまへり此このくにびとを增ましたまへり なんぢは尊󠄅たふとばれたまふ なんぢ地ちの界さかひをことごとく擴󠄂ひろめたまへり

16 ヱホバよかれら苦難なやみのときに汝なんぢをあふぎのぞめり 彼等かれらなんぢの懲罰こらしめにあへるとき切せちになんぢに禱吿ねぎごとせり 17 ヱホバよわれらは孕はらめる婦󠄃をんなのうむとき近󠄃ちかづきてくるしみ その痛いたみによりて叫さけぶがごとく汝なんぢのまへに然しかありき 18 われらは孕はらみまた苦くるしみたれどその產うめるところは風かぜににたり われら救すくひを地ちにほどこさず世よにすむ者ものうまれいでざりき 19 なんぢの死者しねるものはいきわが民たみの屍かばねはおきん 塵ちりにふすものよ醒さめてうたうたふべし なんぢの露つゆは草木くさきをうるほす露つゆのごとく地ちはなきたまをいださん
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20 わが民たみよゆけ なんぢの室へやにいり汝なんぢのうしろの戶とをとぢて忿恚いきどほりのすぎゆくまで暫時しばらくかくるべし 21 視みよヱホバはその處ところをいでて地ちにすむものの不義ふぎをただしたまはん 地ちはその上うへなる血ちをあらはにして殺ころされたるものをまた掩おほはざるべし

第27章

1 その日ひヱホバは硬󠄃かたく大おほいいなるつよき劍つるぎをもて 疾走とくはしるへびレビヤタン曲まがりうねる蛇へびレビヤタンを罰ばつしまた海うみにある鱷わにをころし給たまふべし

2 その日ひ如此かくうたはん うるはしき葡萄園ぶだうぞのあり之これをうたへよ 3 われヱホバこれを護まもり をりをり水みづそそぎ 夜よも晝ひるもまもりて害󠄅そこなふものあらざらしめん 4 我われにいきどほりなし願ねがはくは荊棘いばらおどろのわれと戰たゝかはんことを 然さらばわれすすみ迎󠄃むかへて皆みなもろともに焚盡やきつくさん 5 寧むしろわが力ちからにたよりて我われとやはらぎを結むすべ われと平󠄃和やはらぎをむすぶべし 6 後のちにいたらばヤコブは根ねをはりイスラエルは芽めをいだして花はなさきその實みせかいの面おもてにみちん

7 ヤコブ主しゆにうたるるといへども彼かれをうちしものの主しゆにうたるるが如ごときことあらんや ヤコブの殺ころさるるは彼かれをころししものの殺ころさるるが如ごときことあらんや 8 汝なんぢがヤコブを逐󠄃おひたまへる懲罰こらしめは度のりにかなひぬ 東風こちのふきし日ひなんぢあらき風かぜをもてこれをうつし給たまへり 9 斯かゝるがゆゑにヤコブの不義ふぎはこれによりて潔󠄄きよめられん これに因よりてむすぶ果みは罪つみをのぞくことをせん 彼かれは祭壇さいだんのもろもろの石いしを碎くだけたる石灰󠄃いしはひのごとくになし アシラの像󠄃ざうと日ひの像󠄃ざうとをふたゝび建󠄄たつることなからしめん 10 堅固けんごなる邑まちはあれてすさまじく棄去すてさられたる家いへのごとく また荒野あれののごとし 犢こうしこのところにて草くさをはみ此所󠄃このところにてふし 且かつそこなる樹きのえだをくらはん〘927㌻〙 11 その枝えだかるるとき折をりとらる 婦󠄃人をんなきたりてこれを燒やかん これは無知むちの民たみなるが故ゆゑに之これをつくれる者ものあはれまず これを形かたちづくれるもの惠めぐまざるべし
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12 その日ひなんぢらイスラエルの子輩こらよ ヱホバは打落うちおとしたる果みをあつむるごとく 大河おほかはの流ながれよりエジプトの川かはにいたるまでなんぢらを一ひとつ一ひとつにあつめたまふべし

13 その日ひ大おほいなるラッパ鳴なりひびきアツスリヤの地ちにさすらひたる者もの エジプトの地ちにおひやられたる者もの きたりてヱルサレムの聖󠄃山きよきやまにてヱホバを拜をがむべし

第28章

1 醉ゑへるものなるエフライム人びとよなんぢらの誇ほこりの冠かんむりはわざはひなるかな 酒さけにおぼるるものよ肥こえたる谷たにの首かしらにある凋󠄃しぼまんとする花はなのうるはしき飾󠄃かざりはわざはひなるかな 2 みよ主しゆはひとりの力ちからある强剛者つよきものをもち給たまへり それは雹へうをまじへたる暴風はやちのごとく壞やぶりそこなふ狂風つむじかぜのごとく大水おほみづのあぶれ漲みなぎるごとく烈はげしくかれを地ちになげうつべし 3 醉ゑへるものなるエフライム人びとのほこりの冠かんむりは足あしにて踐ふみにじられん 4 肥こえたる谷たにのかしらにある凋󠄃しぼまんとする花はなのうるはしきかざりは 夏なつこぬに熟じゆくしたる初結はつなりの無花果いちぢくのごとし 見みるものこれをみて取とる手ておそしと呑のみいるるなり 5 その日ひ萬軍ばんぐんのヱホバその民たみののこれる者もののために榮さかえのかんむりとなり美うるはしき冠かんむりとなり給たまはん 6 さばきの席せきにざするものには審判󠄄さばきの靈れいをあたへ軍いくさを門もんよりおひかへす者ものには力ちからをあたへ給たまふべし

7 然されどかれらも酒さけによりてよろめき濃酒こきさけによりてよろぼひたり 祭司さいしと預言者よげんしやとは濃酒こきさけによりてよろめき 酒さけにのまれ濃酒こきさけによりてよろぼひ 而しかして默示もくしをみるときにもよろめき審判󠄄さばきをおこなふときにも躓つまづけり 8 すべて膳ぜんには吐はきたるものと穢けがれとみちて潔󠄄きよきところなし
 1207㌻ 

9 かれは誰たれにをしへて知識ちしきをあたへんとするか 誰たれにしめして音󠄃信おとづれを曉さとらせんとするか 乳󠄃ちゝをたち懷ふところをはなれたる者ものにするならんか 10 そは誡命いましめにいましめをくはへ誡命いましめにいましめをくはへ 度のりにのりをくはへ度のりにのりをくはへ 此こゝにもすこしく彼かしこにもすこしく敎をしふ

11 このゆゑに神かみあだし唇くちびると異ことなる舌したとをもてこの民たみにかたりたまはん 12 曩さきにかれらに言いひたまひけるは此こは安息やすみなり疲困者つかれたるものにやすみをあたへよ 此こは安慰なぐさめなりと されど彼かれらは聞きくことをせざりき 13 斯かゝるがゆゑにヱホバの言ことばかれらにくだりて 誡命いましめにいましめをくはへ誡命いましめにいましめをくはへ 度のりにのりをくはへ度のりにのりをくはへ 此こゝにもすこしく彼かしこにも少すこしくをしへん 之これによりて彼等かれらすすみてうしろに仆たふれそこなはれ罟わなにかかりて捕とらへらるべし〘928㌻〙

14 なんぢら此このヱルサレムにある民たみををさむるところの輕慢者あなどるものよヱホバの言ことばをきけ 15 なんぢらは云いへり 我われら死しと契󠄅約けいやくをたて陰府よみとちぎりをむすべり 漲みなぎりあふるる禍害󠄅わざはひのすぐるときわれらに來きたらじ そはわれら虛僞いつはりをもて避󠄃所󠄃さけどころとなし欺詐あざむきをもて身みをかくしたればなりと 16 このゆゑに神かみヱホバかくいひ給たまふ 視みよわれシオンに一ひとつの石いしをすゑてその基もとゐとなせり これは試こころみをへたる石いしたふとき隅石すみいしかたくすゑたる石いしなり これに依賴よりたのむものはあわつることなし 17 われ公󠄃平󠄃こうへいを準繩󠄂はかりなはとし正義せいぎを錘おもしとす 斯かくて雹へうはいつはりにてつくれる避󠄃所󠄃さけどころをのぞきさり水みづはその匿かくれたるところに漲みなぎりあふれん 18 汝なんぢらが死しとたてし契󠄅約けいやくはきえうせ陰府よみとむすべるちぎりは成󠄃なることなし されば漲みなぎり溢󠄃あふるるわざはひのすぐるとき汝等なんぢらはこれに踐ふみたふさるべし 19 その過󠄃すぐるごとになんぢらを捕とらへん 朝󠄃々あさなあさなにすぎ晝ひるも夜よるもすぐ この音󠄃信おとづれをきき わきまふるのみにても慴をののきをるなり 20 その狀さまは床とこみじかくして身みをのぶることあたはず 衾ふすませまくして身みをおほふこと能あたはざるが如ごとし 21 そはヱホバ往󠄃昔むかしペラヂムの山やまにて起󠄃たちたまひしがごとくにたち ギベオンの谷たににて忿恚いきどほりをはなちたまひしが如ごとくにいきどほり 而しかしてその所󠄃爲おこなひをおこなひ給たまはん 奇くすしき所󠄃爲みおこなひなり その工わざを成󠄃なしたまはん 異ことなる工みわざなり
 1208㌻ 
22 この故ゆゑになんぢら侮あなどるなかれ 恐おそらくはなんぢらの縲絏いましめきびしくならん 我われすでに全󠄃地ぜんちのうへにさだまれる敗亡ほろびあるよしを主しゆ萬軍ばんぐんのヱホバより聞きゝたればなり

23 なんぢら耳みゝをかたぶけてわが聲こゑをきけ懇ねんごろにわが言ことばをきくべし 24 農夫のうふたねをまかんに何いかで日々ひに〳〵たがへし日々ひに〳〵その地ちをすき その土塊つちくれをくだくことのみを爲せんや 25 もし地ちの面おもてをたひらかにせばいかで罌粟けしをまき 馬芹まきんの種たねをおろし 小麥こむぎをうねにうゑ 大麥おほむぎをさだめたる處ところにうゑ 粗麥はだかむぎを畔󠄃くろにうゑざらんや 26 斯かくのごときはかれの神かみこれに智慧󠄄ちゑをあたへて敎をしへたまへるなり 27 けしは連󠄃耞からさをにてうたず 馬芹まきんはそのうへに車輪くるまをきしらせず罌栗けしをうつには杖つゑをもちひ 馬芹まきんをうつには棒ぼうをもちふ 28 麥むぎをくだくか否いなくるまにきしらせ馬うまにふませて落おとすことはすれども斷たえずしかするにあらず これを碎くだくことをせざるべし 29 此こもまた萬軍ばんぐんのヱホバよりいづ その謀略はかりごとはくすしくその智慧󠄄ちゑはすぐれたり〘929㌻〙

第29章

1 ああアリエルよアリエルよ ああダビデの營えいをかまへたる邑まちよ としに年としをくはへ節󠄄會せちゑまはりきたらば 2 われアリエルをなやまし之これにかなしみと歎息なげきとあらしめん 彼かれをアリエルのごとき者ものとなすべし 3 われ汝なんぢのまはりに營えいをかまへ保砦とりでをきづきて汝なんぢをかこみ櫓やぐらをたててなんぢを攻せむべし 4 かくてなんぢは卑ひくくせられ 地ちにふしてものいひ塵ちりのなかより低聲ひくきこゑをいだしてかたらん 汝なんぢのこゑは巫女みこのこゑのごとく地ちよりいで汝なんぢのことばは塵ちりのなかより囀󠄃さえづるがごとし

5 然されどなんぢのあだの群衆もろ〳〵はこまやかなる塵ちりの如ごとく あらぶるものの群衆もろ〳〵はふきさらるる粃糠もみがらの如ごとくならん 俄にはかにまたたく間まにこの事ことあるべし
 1209㌻ 
6 萬軍ばんぐんのヱホバはいかづち 地震ぢしん おほごゑ 暴風はやち つむじかぜ及およびやきつくす火ひの燄ほのほをもて臨のぞみたまふべし 7 斯かくてアリエルを攻せめてたたかふ國々くに〴〵のもろもろ アリエルとその城󠄃しろとをせめたたかひて難なやますものは みな夢ゆめのごとく夜よのまぼろしの如ごとくならん 8 饑󠄃うゑたるものの食󠄃くらふことを夢ゆめみて醒さめきたればその心こゝろなほ空󠄃むなしきがごとく 渇かわけるものの飮のむことを夢ゆめみて醒さめきたれば疲つかれかつ頻しきりにのまんことを欲ほつするがごとく シオンの山やまをせめて戰たゝかふくにぐにの群衆もろ〳〵もまた然しかあらん

9 なんぢらためらへ而しかしておどろかん なんぢら放肆ほしいままにせよ而しかして目めくらまん かれらは醉ゑへりされど酒さけのゆゑにあらず かれらはよろめけりされど濃酒こきさけのゆゑにあらず 10 そはヱホバ酣睡うまいの靈れいをなんぢらの上うへにそそぎ 而しかしてなんぢらの目めをとぢ なんぢらの面かほをおほひたまへり その目めは預言者よげんしやそのかほは先知者せんちしやなり 11 かかるが故ゆゑにすべての默示もくしはなんぢらには封ふうじたる書ふみのことばのごとくなり 文󠄃字もじしれる人ひとにわたして請󠄃こふこれを讀よめといはんに答こたへて封ふうじたるがゆゑによむこと能あたはずといはん 12 また文󠄃字もじしらぬ人ひとにわたして請󠄃こふこれをよめといはんにこたへて文󠄃字もじしらざるなりといはん

13 主しゆいひ給たまはく この民たみは口くちをもて我われにちかづき口唇くちびるをもてわれを敬うやまへども その心こゝろはわれに遠󠄄とほざかれり そのわれを畏かしこみおそるるは人ひとの誡命いましめによりてをしへられしのみ 14 この故ゆゑにわれこの民たみのなかにて再ふたゝびくすしき事わざをおこなはん そのわざは奇くすしくしていとあやし かれらの中なかなる智者ちしやのちゑはうせ聰明者さときもののさときはかくれん

15 己おのがはかりごとをヱホバに深ふかくかくさんとする者ものはわざはひなるかな 暗󠄃中くらきうちにありて事わざをおこなひていふ 誰たれかわれを見みんや たれか我われをしらんやと〘930㌻〙 16 なんぢらは曲まがれり いかで陶工すゑものづくりをみて土塊つちくれのごとくおもふ可べけんや 造󠄃つくられし者ものおのれを作なしれるものをさして我われをつくれるにあらずといふをえんや 形かたちづくられたる器うつははかたちづくりし者ものをさして智慧󠄄ちゑなしといふを得えんや
 1210㌻ 

17 暫しばらくしてレバノンはかはりて良田よきはたとなり 良田よきはたは林はやしのごとく見みゆるとききたるならずや 18 その日ひ聾󠄃者みみしひはこの書ふみのことばをきき盲者めしひの目めはくらきより闇やみよりみることを得うべし 19 謙󠄃へりくだるものはヱホバによりてその歡喜よろこびをまし 人ひとのなかの貧󠄃まづしきものはイスラエルの聖󠄃者せいしやによりて快樂たのしみをうべし 20 暴あらぶるものはたえ 侮慢者あなどるものはうせ 邪󠄅曲よこしまの機をりをうかがふ者ものはことごとく斷滅たちほろぼさるべければなり 21 かれらは訟󠄃うたへをきく時ときまげて人ひとをつみし 邑門まちのもんにていさむるものを謀略はかりごとにおとしいれ 虛むなしき語ことばをかまへて義人ただしきひとをしりぞく

22 この故ゆゑにむかしアブラハムを贖あがなひたまひしヱホバはヤコブの家いへにつきて如此かくいひたまふ ヤコブは今いまより恥はぢをかうむらず その面かほはいまより色いろをうしなはず 23 かれの子孫しそんはその中なかにわがおこなふ手てのわざをみん その時ときわが名なを聖󠄃せいとしヤコブの聖󠄃者せいしやを聖󠄃せいとしてイスラエルの神かみをおそるべし 24 心こゝろあやまれるものも知識ちしきをえ つぶやけるものも敎誨をしへをまなばん

第30章

1 ヱホバのたまはく 悖もとるる子輩こらはわざはひなるかな かれら謀略はかりごとをすれども我われによりてせず 盟ちかひをむすべどもわが靈みたまにしたがはず ますます罪つみにつみをくはへん 2 かれらわが口くちにとはずしてエジプトに下くだりゆきパロの力ちからをかりておのれを强つよくしエジプトの蔭かげによらん 3 パロのちからは反かへりてなんぢらの恥はぢとなり エジプトの蔭かげによるは反かへりてなんぢらの辱はづかしめとなるべし 4 かれの君きみたちはゾアンにあり かれの使󠄃者つかひたちはハネスにきたれり
 1211㌻ 
5 かれらは皆みなおのれを益えきすることあたはざる民たみによりて恥はぢをいだく かの民たみはたすけとならず益えきとならず かへりて恥はぢとなり謗そしりとなれり

6 南みなみのかたの牲畜けものにかかる重負󠄅おもにのよげん 曰いはく  かれらその財貨たからを若わかき驢馬ろばのかたにおはせ その寳物はうもつを駱駝らくだの背せにおはせて 牝獅めじし 牡獅をじし まむし及およびとびかける蛇をろちのいづる苦くるしみと艱難なやみとの國くにをすぎて 己おのれをえきすること能あたはざる民たみにゆかん

7 そのエジプトの助たすけはいたづらにして虛むなし このゆゑに我われはこれを休やすみをるラハブとよべり

8 いま往󠄃ゆきてこれをその前󠄃まへにて牌ふだにしるし書ふみにのせ 後のちの世よに傳つたへてとこしへに證あかしとすべし〘931㌻〙 9 これは悖もとれる民たみいつはりをいふ子輩こらヱホバの律法おきてをきくことをせざる子輩こらなり 10 かれら見みるものに對むかひていふ見みるなかれと 默示もくしをうる者ものにむかひていふ直なほきことを示しめすなかれ 滑なめらかなることをかたれ虛僞いつはりをしめせ 11 なんぢら大道󠄃おほぢをさり逕みちをはなれ われらが前󠄃まへにイスラエルの聖󠄃者せいしやをあらしむるなかれと 12 此これによりてイスラエルの聖󠄃者せいしやかくいひ給たまふ なんぢらこの言ことばをあなどり暴虐󠄃しへたげと邪󠄅曲よこしまとをたのみて之これにたよれり 13 斯かゝるがゆゑにこの不義ふぎなんぢらには凸出つきいでておちんとするたかき垣かきのさけたるところのごとく その破壞やぶれにはかに暫しばしが間まにきたらんと 14 主しゆこれを破やぶりあだかも陶工すゑものづくりの瓶かめをくだきやぶるがごとくして惜をしみたまはず その碎くだけのなかに爐ろより火ひをとり池いけより水みづをくむほどの一片ひとひらだに見出みいだすことなからん

15 主しゆヱホバ、イスラエルの聖󠄃者せいしやかくいひたまへり なんぢら立たちかへりて靜しづかにせば救すくひをえ 平󠄃穩おだやかにして依賴よりたのまば力ちからをうべしと 然されどなんぢらこの事ことをこのまざりき 16 なんぢら反かへりていへり 否いなわれら馬むまにのりて逃󠄄走にげはしらんと この故ゆゑになんぢら逃󠄄走にげはしらん 又󠄂またいへりわれら疾はやきものに乘のらんと この故ゆゑになんぢらを追󠄃おふもの疾はやかるべし
 1212㌻ 
17 ひとり叱咤しつたすれば千人せんにんにげはしり 五人ごにんしつたすればなんぢら逃󠄄走にげはしりて その遺󠄃のこるものは僅わづかに山嶺やまのいただきにある杆さをのごとく 岡をかのうへにある旗はたのごとくならん

18 ヱホバこれにより俟まちてのち恩惠めぐみを汝等なんぢらにほどこし これにより上あがりてのちなんぢらを憐あはれれみたまはん ヱホバは公󠄃平󠄃こうへいの神かみにましませり 凡すべてこれを俟望󠄇まちのぞむものは福さいはひなり 19 シオンにをりヱルサレムにをる民たみよ なんぢは再ふたゝびなくことあらじ そのよばはる聲こゑに應おうじて必かならずなんぢに惠めぐみをほどこしたまはん 主しゆききたまふとき直たゞちにこたへたまふべし 20 主しゆはなんぢらになやみの糧かてとくるしみの水みづとをあたへ給たまはん なんぢを敎をしふるもの再ふたゝびかくれじ 汝なんぢの目めはその敎をしふるものを恒つねにみるべし 21 なんぢ右みぎにゆくも左ひだりにゆくもその耳みゝに これは道󠄃みちなりこれを步あゆむべしと後邊󠄎うしろべにてかたるをきかん 22 又󠄂またなんぢら白銀しろかねをおほひし刻󠄂きざめる像󠄃ざう こがねをはりし鑄いたる像󠄃ざうをけがれとし 穢物きたなきもののごとく打棄うちすてていはん 去されと

23 なんぢが地ちにまく種たねに主しゆは雨あめをあたへ また地ちになりいづる糧かてをたまふ その土產なりいでものこえて豐ゆたかならん その日ひなんぢの家畜けものはひろき牧場まきばに草くさをはむべし 24 地ちをたがへす牛うしと驢馬ろばとは團扇󠄃うちはにてあふぎ箕みにてとほし鹽しほをくはへたる飼料かひばをくらはん 25 大おほいなる殺戮さつりくの日ひやぐらのたふるる時ときもろもろのたかき山やまもろもろのそびえたる嶺みねに河かはとみづの流ながれとあるべし〘932㌻〙 26 かくてヱホバその民たみのきずをつつみ そのうたれたる創痍いたでをいやしたまふ日ひには月󠄃つきのひかりは日ひの光ひかりのごとく日ひのひかりは七倍ななかさをくはへて七ななつの日ひのひかりの如ごとくならん

27 視みよヱホバの名なはとほき所󠄃ところよりきたり そのはげしき怒いかりはもえあがる焰ほのほのごとく その唇くちびるはいきどほりにてみち その舌したはやきつくす火ひのごとく
 1213㌻ 
28 その氣息いきはみなぎりて項うなじにまでいたる流ながれのごとし 且かつほろびの篩ふるひにてもろもろの國くにをふるひ又󠄂またまどはす韁たづなをもろもろの民たみの口くちにおきたまはん 29 なんぢらは歌うたうたはん節󠄄會せちゑをまもる夜よのごとし なんぢらは心こゝろによろこばん笛ふえをならしヱホバの山やまにきたりイスラエルの磐いはにつくときの如ごとし 30 ヱホバはその稜威󠄂みいつのこゑをきかしめ 烈はげしき怒いかりをはなちて燒やきつくす火ひのほのほと暴風はやちと大雨おほあめと雹へうとをもて その臂かひなのくだることを示しめしたまはん 31 ヱホバのこゑによりてアツスリヤ人びとはくじけん 主しゆはこれを笞しもとにてうち給たまふべし 32 ヱホバの豫あらかじめさだめたまへる杖つゑをアツスリヤのうへにくはへたまふごとに 鼓つづみをならし琴ことをひかん 主しゆはうごきふるふ戰鬪たたかひをもてかれらとたたかひ給たまふべし 33 トペテは往󠄃古いにしへよりまうけられ また王わうのために備そなへられたり これを深ふかくしこれを廣ひろくしここに火ひとおほくの薪たきゞとをつみおきたり ヱホバの氣息いきこれを硫黃ゆわうのながれのごとくに燃もやさん

第31章

1 助たすけをえんとてエジプトにくだり馬むまによりたのむものは禍わざはひなるかな 戰車いくさぐるまおほきが故ゆゑにこれにたのみ騎兵きへいはなはだ强つよきがゆゑに之これにたのむ されどイスラエルの聖󠄃者せいしやをあふがずヱホバを求もとむることをせざるなり 2 然しかはあれどもヱホバもまた智慧󠄄ちゑあるべし かならず禍害󠄅わざはひをくだしてその言ことばをひるがへしたまはず 起󠄃たちてあしきものの家いへをせめ また不義ふぎを行おこなふ者ものの助たすけをせめ給たまはん 3 かのエジプト人びとは人ひとにして神かみにあらずその馬むまは肉󠄁にくにして靈れいにあらず ヱホバその手みてをのばしたまはば助たすくるものも蹟つまづき たすけらるる者ものもたふれてみなひとしく亡ほろびん

4 ヱホバ如此かくわれにいひたまふ 獅しゝのほえ壯獅わかじしの獲物えものをつかみてほえたけれるとき 許多あまたのひつじかひ相呼あひよびつどひてむかひゆくとも その聲こゑによりて挫くじけずその喧譁かまびすしきによりて臆おくせざるごとく 萬軍ばんぐんのヱホバくだりてシオンの山やまおよびその岡をかにて戰たゝかひ給たまふべし
 1214㌻ 
5 鳥とりの雛ひなをまもるがごとく萬軍ばんぐんのヱホバはヱルサレムをまもりたまはん これを護まもりてこれをすくひ踰越すぎこしてこれを援󠄃たすけたまはん〘933㌻〙 6 イスラエルの子輩こらよなんぢらさきには甚はなはだしく主しゆにそむけり 今いまたちかへるべし 7 なんぢらおのが手てにつくりて罪つみををかしし白銀しろかねのぐうざう黃金こがねの偶像󠄃ぐうざうをその日ひおのおのなげすてん 8 爰こゝにアツスリヤびとは劍つるぎにてたふれん されど人ひとのつるぎにあらず 劍つるぎかれらをほろぼさん されど世よの人ひとのつるぎにあらず かれら劍つるぎのまへより逃󠄄にげはしりその壯わかきものは役丁よばろとならん 9 かれらの磐いははおそれによりて逝󠄃去すぎさり その君きみたちは旗はたをみてくじけん こはヱホバの御言みことばなり ヱホバの火ひはシオンにありヱホバの爐ろはヱルサレムにあり

第32章

1 茲こゝにひとりの王わうあり 正義せいぎをもて統治すべをさめ その君きみたちは公󠄃平󠄃こうへいをもて宰つかさどらん 2 また人ひとありて風かぜのさけどころ暴雨おほあめののがれどころとなり 旱かわける地ちにある水みづのながれのごとく 倦うみつかれたる地ちにある大おほいなる岩陰いはかげの如ごとくならん 3 見みるものの目めはくらまず 聞きくものの耳みゝはかたぶけきくをうべし 4 躁さわがしきものの心こゝろはさとりて知識ちしきをえ 吃者ことどもりの舌したはすみやけくあざやかに語かたるをうべし 5 愚おろかかなる者ものはふたゝび尊󠄅貴たふとしとよばるることなく 狡猾さかしらなる者ものはふたゝび大人たいじんとよばるることなかるべし 6 そは愚おろかなるものは愚おろかなることをかたり その心こゝろに不義ふぎをかもし邪󠄅曲よこしまをおこなひ ヱホバにむかひて妄みだりなることをかたり 饑󠄃うゑたる者もののこころを空󠄃むなしくし渇かわけるものの飮料のみものをつきはてしむ 7 狡猾さかしらなるものの用もちゐる器うつははあしし 彼かれあしき企圖󠄃くはだてをまうけ虛僞いつはりのことばをもて苦くるしむ者ものをそこなひ 乏ともしき者もののかたること正理ことわりなるも尙なほこれを害󠄅そこなへり 8 たふとき人ひとはたふとき謀略はかりごとをまうけ恒つねにたふとき事ことをおこなふ
 1215㌻ 

9 安逸やすらかにをる婦󠄃等をんなたちよおきてわが聲こゑをきけ 思煩おもひわづらひなき女等むすめたちよわが言ことばに耳みゝを傾かたぶけよ 10 思煩おもひわづらひなきをんなたちよ一年ひととせあまりの日ひをすぎて摺をののきあわてん そは葡萄ぶだうの收穫かりいれむなしく果みををさむる期とききたるまじければなり 11 やすらかにをる婦󠄃等をんなたちよふるひおそれよ おもひわづらひなき者ものよをののきあわてよ 衣ころもをぬぎ裸體はだかになりて腰󠄃こしに麁󠄃服󠄃あらたへをまとへ 12 かれら良田よきはたのため實みのりゆたかなる葡萄ぶだうの樹きのために胸むねをうたん 13 棘おどろと荊いばらわが民たみの地ちにはえ 樂たのしみの邑まちなるよろこびの家々いへ〳〵にもはえん 14 そは殿とのはすてられ にぎはひたる邑まちはあれすたれ オペルと櫓やぐらとはとこしへに洞穴󠄄ほらあなとなり 野のの驢馬ろばのたのしむところ羊ひつじのむれの草くさはむところとなるべし 15 されど遂󠄅つひには靈みたまうへより我儕われらにそそぎて 荒野あれのはよき田はたとなり 良田よきはたは林はやしのごとく見みゆるとききたらん〘934㌻〙 16 そのとき公󠄃平󠄃こうへいはあれのにすみ 正義せいぎはよき田はたけにをらん 17 かくて正義せいぎのいさをは平󠄃和へいわ せいぎのむすぶ果みはとこしへの平󠄃隱おだやかとやすきなり 18 わが民たみはへいわの家いへにをり 思おもひわづらひなき住󠄃所󠄃すみかにをり 安やすらかなる休息所󠄃いこひどころにをらん 19 されどまづ雹へうふりて林はやしくだけ邑まちもことごとくたふるべし 20 なんぢらもろもろの水みづのほとりに種たねをおろし 牛うしおよび驢馬ろばの足あしをはなちおく者ものはさいはひなり

第33章

1 禍わざはひひなるかななんぢ害󠄅そこなはれざるに人ひとをそこなひ 欺あざむかれざるに人ひとをあざむけり なんぢが害󠄅そこなふこと終󠄃をはらば汝なんぢそこなはれ なんぢが欺あざむくことはてなば汝なんぢあざむかるべし 2 ヱホバよわれらを惠めぐみ給たまへわれらなんぢを俟望󠄇まちのぞめり なんぢ朝󠄃あさごとにわれらの臂かひなとなり また患難なやみのときにわれらの救すくひとなりたまへ 3 なりとどろく聲こゑによりてもろもろの民たみにげはしり なんぢの起󠄃たちたまふによりてもろもろの國くにはちりうせぬ 4 蟊賊󠄄おほねむしのものをはみつくすがごとく人ひとなんぢらの財たからをとり盡つくさん また蝗いなごのとびつどふがごとく人ひとなんぢらの財たからにとびつどふべし
 1216㌻ 
5 ヱホバは最いとたかし高處たかきところにすみたまふなり ヱホバはシオンに公󠄃正こうせいと正義せいぎとを充みたせたまひたり 6 なんぢの代よはかたくたち 救すくひと智惠ちゑと知識ちしきとはゆたかにあらん ヱホバをおそるるは國くにの寳たからなり

7 視みよかれらの勇󠄃士ますらをは外そとにありてさけび 和わをもとむる使󠄃者つかひはいたく哭なげく 8 大路おほぢあれすたれて旅󠄃客たびゞとたえ 敵てきは契󠄅約けいやくをやぶり諸邑まち〳〵をなみし人ひとをもののかずとせず 9 地ちはうれへおとろへ レバノンは恥はぢらひて枯かれ シヤロンはアラバの如ごとくなり バシヤンとカルメルとはその葉はをおとす 10 ヱホバ言いひ給たまはく われ今いまおきん今いまたたん 今いまみづからを高たかくせん 11 なんぢらの孕はらむところは枇糠もみがらのごとく なんぢらの生うむところは藁わらのごとし なんぢらの氣息いきは火ひとなりてなんぢらを食󠄃くらひつくさん 12 もろもろの民たみはやかれて灰󠄃はひのごとくなり 荊いばらのきられて火ひにもやされたるが如ごとくならん

13 なんぢら遠󠄄とほくにあるものよ わが行おこなひしことをきけ なんぢら近󠄃ちかきにあるものよ わが能力ちからをしれ 14 シオンの罪人つみびとはおそる 戰慄をののきはよこしまなる者ものにのぞめり われらの中うちたれか燒やきつくす火ひに止とゞまることを得えんや 我儕われらのうち誰たれかとこしへに燒やくるなかに止とゞまるをえんや 15 義ぎをおこなふもの直なほきをかたるもの虐󠄃しへたげてえたる利りをいとひすつるもの手てをふりて賄賂まひなひをとらざるもの 耳みゝをふさぎて血ちをながす謀略はかりごとをきかざるもの 目めをとぢて惡あくをみざる者もの〘935㌻〙 16 かかる人ひとはたかき處ところにすみ かたき磐いははその櫓やぐらとなり その糧かてはあたへられその水みづはともしきことなからん

17 なんぢの目めはうるはしき狀さまなる王わうを見み とほくひろき國くにをみるべし 18 汝なんぢの心こゝろはかの懼おそろしかりしことどもを思おもひいでん 會計くわいけいせし者ものはいづくにありや 貢みつぎをはかりし者ものはいづくにありや 櫓やぐらをかぞへし者ものはいづくにありや
 1217㌻ 
19 汝なんぢふたゝび暴民あらきたみをみざるべし かの民たみの言語ことばはふかくして悟さとりがたくその舌したは異ことにして解ときがたし 20 われらの節󠄄會せちゑの邑まちシオンを見みよ なんぢの目めはやすらかなる居所󠄃すまひとなれるヱルサレムを見みん ヱルサレムはうつさるることなき幕屋まくやにして その杙くひはとこしへにぬかれず その繩󠄂なはは一ひとすぢだに斷たゝれざるなり 21 ヱホバ我われらとともに彼處かしこにいまして稜威󠄂みいつをあらはし給たまはん 斯かくてそのところはひろき川かはひろき流ながれあるところとなりて その中なかには漕舟こぐふねもいらず巨󠄃艦おほぶねもすぐることなかるべし 22 ヱホバはわれらを鞫さばきたまふもの ヱホバはわれらに律法おきてをたてたまひし者もの ヱホバはわれらの王わうにましまして我儕われらをすくひ給たまふべければなり 23 なんぢの船󠄄纜ふなづなはとけたり その桅󠄂杆ほばしらのもとを結むすびかたむることあたはず 帆ほをあぐることあたはず その時ときおほくの財たからをわかち跛者あしなへまでも掠物えものあらん 24 かしこに住󠄃すめるものの中うちわれ病やめりといふ者ものなし彼處かしこにをる民たみの咎とがはゆるされん

第34章

1 もろもろの國くによちかづきてきけ もろもろの民たみよ耳みゝをかたぶけよ 地ちと地ちにみつるもの世界せかいとせかいより出いづるすべての者ものきけ 2 ヱホバはよろづの國くににむかひて怒いかり そのよろづの軍いくさにむかひて忿恚いきどほり かれらをことごとく滅ほろぼし かれらを屠󠄃ほふらしめたまふ 3 かれらは殺ころされて抛棄なげすてられ その屍かばねの臭氣くさきかたちのぼり山やまはその血ちにて融とかされん 4 天てんの萬象ばんざうはきえうせ もろもろの天てんは書卷まきもののごとくにまかれん その萬象ばんざうのおつるは葡萄ぶだうの葉はのおつるがごとく無花果いちぢくのかれたる葉はのおつるが如ごとくならん 5 わが劍つるぎは天てんにてうるほひたり 視みよエドムの上うへにくだり滅亡ほろびに定さだめたる民たみのうへにくだりて之これをさばかん 6 ヱホバの劍つるぎは血ちにてみち脂あぶらにてこえ小羊こひつじと山羊やぎとの血ち 牡羊をひつじの腎じんのあぶらにて肥こゆ ヱホバはボズラにて牲にへのけものをころしエドムの地ちにて大おほいにほふることをなし給たまへり 7 その屠󠄃場ほふりばには野牛のうし こうし 牡牛をうしもともに下くだる そのくには血ちにてうるほされ その塵ちりはあぶらにて肥こやさるべし〘936㌻〙
 1218㌻ 

8 こはヱホバの仇あたをかへしたまふ日ひにしてシオンの訟󠄃うたへのために報むくいをなしたまふ年としなり 9 エドムのもろもろの河かははかはりて樹脂やにとなり その塵ちりはかはりて硫磺ゆわうとなり その土つちはかはりてもゆる樹脂やにとなり 10 晝ひるも夜よるもきえずその煙󠄃けぶりつくる期ときなく上騰󠄃たちのぼらん かくて世々よゝあれすたれ永遠󠄄とこしへまでもその所󠄃ところをすぐる者ものなかるべし 11 鵜うと刺猬はりねづみとそこを己おのがものとなし鷺さぎと鴉󠄄からすとそこにすまん ヱホバそのうへに亂みだれをおこす繩󠄂なはをはり空󠄃虛むなしきをきたらする錘おもしをさげ給たまふべし 12 國くにをつぐべき者ものをたてんとて貴者たふときものふたゝび呼集よびあつむることをせじ もろもろの諸侯きみたちはみな失うせてなくなるべし 13 その殿とのにはことごとく荊いばらはえ 城󠄃しろにはことごとく刺草いらくさと薊あざみとはえ 野犬のいぬのすみか駝鳥だてうの場にはとならん 14 野ののけものと豺狼おほかみとここにあひ 牡山羊をやぎその友ともをよび 鴟鴞ふくろふもまた宿やどりてここを安所󠄃やすみどころとせん 15 蛇へびここに穴󠄄あなをつくり卵たまごをうみてこれを孚かへしおのれの影かげの下したに子こをあつむ 鳶とびもまたその偶ともとともに此處こゝにあつまらん

16 なんぢらヱホバの書ふみをつまびらかにたづねて讀よむべし これらのもの一ひとつも缺かくることなく又󠄂またひとつもその偶ともをかくものあらじ そはヱホバの口くちこのことを命めいじ その靈みたまこれらを集あつめたまふべければなり 17 ヱホバこれらのものに䰗くじをひかせ手てづから繩󠄂なはをもて量はかり この地ちをわけあたへて永ながくかれらに保たもたしめ 世々よゝにいたるまでここに住󠄃すましめたまはん

第35章

1 荒野あれのとうるほひなき地ちとはたのしみ 沙漠さばくはよろこびて番紅さふらんの花はなのごとくに咲󠄃さきかがやかん 2 盛󠄃さかんに咲󠄃さきかがやきてよろこび且かつよろこび且かつうたひ レバノンの榮さかえをえカルメルおよびシヤロンの美うるはしきを得えん かれらはヱホバのさかえを見みわれらの神かみのうるはしきを見みるべし
 1219㌻ 

3 なんぢら萎なえたる手てをつよくし弱󠄃よわりたる膝ひざをすこやかにせよ 4 心こゝろさわがしきものに對むかひていへ なんぢら雄々ををしかれ懼おそるるなかれ なんぢらの神かみをみよ 刑罰けいばつきたり神かみの報むくいきたらん 神かみきたりてなんぢらを救すくひひたまふべし

5 そのとき瞽者めしひの目めはひらけ聾󠄃者みみしひの耳みゝはあくことを得うべし 6 そのとき跛者あしなへは鹿しかの如ごとくにとびはしり啞者おふしの舌したはうたうたはん そは荒野あれのに水みづわきいで沙漠さばくに川かはながるべければなり 7 やけたる沙すなは池いけとなり うるほひなき地ちはみづの源みなもととなり 野犬のいぬのふしたるすみかは蘆葦あしよしのしげりあふ所󠄃ところとなるべし 8 かしこに大路おほぢあり そのみちは聖󠄃道󠄃きよきみちととなへられん 穢けがれたるものはこれを過󠄃すぐることあたはず ただ主しゆの民たみのために備そなへらる これを步あゆむものはおろかなりとも迷󠄃まよふことなし〘937㌻〙 9 かしこに獅しゝをらず あらき獸けものもその路みちにのぼることなし 然さればそこにて之これにあふ事ことなかるべし ただ贖あがなはれたる者もののみそこを步あゆまん 10 ヱホバに贖あがなひすくはれし者ものうたうたひつつ歸かへりてシオンにきたり その首かうべにとこしへの歡喜よろこびをいただき樂たのしみとよろこびとをえん 而しかして悲哀かなしみとなげきとは逃󠄄にげさるべし

第36章

1 ヒゼキヤ王わうの十四年ねんにアツスリヤの王わうセナケリブ上のぼりきたりてユダのもろもろの堅固けんごなる邑まちをせめとれり 2 アツスリヤ王わうラキシよりラブシヤケをヱルサレムに遣󠄃つかはし大軍たいぐんをひきゐてヒゼキヤ王わうのもとに往󠄃ゆかしむ ラブシヤケ漂工ぬのさらしの野ののおほぢの傍かたへなる上かみの池いけの樋ひにそひてたてり 3 この時ときヒルキヤの子こなる家司いへづかさエリアキム 書記しよきセブナ、アサフの子こなる史󠄃官しくわんヨア出いでてこれを迎󠄃むかふ

4 ラブシヤケかれらにいひけるは なんぢら今いまヒゼキヤにいへ大王だいわうアツスリヤの王わうかくいへり なんぢの恃たのみとするその恃たのむところは何なになるか 5 我われいふ なんぢが説とくところの軍いくさのはかりごととその能力ちからとはただ口唇くちさきらのことばのみ 今いまなんぢ誰たれによりたのみて我われにさかふことをなすや 6 視みよなんぢエジプトに依賴よりたのめり これ傷いためる葦よしの杖つゑによりたのめるがごとし もし人ひとこれに倚よりもたれなばその手てをつきさされん エジプト王わうパロがすべて己おのれによりたのむものに對たいするは斯かくのごとし
 1220㌻ 
7 汝なんぢわれらはわれらの神かみヱホバに依賴よりたのめりと我われにいはんかそは曩さきにヒゼキヤが高たかきところと祭壇さいだんとをみな取去とりさりてユダとヱルサレムとにむかひ汝等なんぢらここなる一ひとつの祭壇さいだんのまへにて拜はいすべしといへる夫それならずや 8 いま請󠄃こふわが君きみアツスリヤ王わうに賭かけをせよ われ汝なんぢに二千にせんの馬むまを與あたふべければ汝なんぢよりこれに乘のるものをいだせ 果はたして出いだしうべしや 9 然さればいかで我君わがきみのいとちひさき僕しもべの長をさ一人ひとりをだに退󠄃しりぞくることを得えんや なんぞエジプトによりたのみて戰車いくさぐるまと騎兵きへいとをえんとするや 10 いま我われのぼりきたりてこの國くにをせめほろぼすはヱホバの旨むねにあらざるべけんや ヱホバわれにいひたまはく のぼりゆきてこの國くにをせめほろぼせと

11 爰こゝにエリアキムとセブナとヨアと共ともにラブシヤケにいひけるは請󠄃こふスリアの方言くにことばにて僕輩しもべらにかたれ我儕われらこれをさとりうるなり石垣いしがきのうへなる民たみのきくところにてはユダヤの方言くにことばをもてわれらに語かたるなかれ 12 ラブシヤケいひけるは わが君きみはこれらのことをなんぢの君きみとなんぢとにのみ語かたらんために我われをつかはししならんや なんぢらと共ともにおのが糞ふんをくらひおのが溺ゆばりをのまんとする石垣いしがきのうへに坐ざする人々ひと〴〵にも我われをつかはししならずや〘938㌻〙

13 斯かくてラブシヤケたちてユダヤの方言くにことばもて大聲おほごゑによばはりいひけるは なんぢら大王だいわうアツスリヤ王わうのことばをきくべし 14 王わうかくのたまへり なんぢらヒゼキヤに惑まどはさるるなかれ 彼かれなんぢらを救すくふことあたはず 15 ヒゼキヤがなんぢらをヱホバに賴よらしめんとする言ことばにしたがふなかれ 彼かれいへらく ヱホバかならず我儕われらをすくひこの邑まちはアツスリヤ王わうの手てにわたさるることなしと 16 ヒゼキヤに聽從ききしたがふなかれ アツスリヤ王わうかくのたまへり なんぢらわれと親和よしみをなし出いできたりて我われにくだれ おのおのその葡萄ぶだうとその無花果いちぢくとをくらひ おのおのその井ゐどの水みづをのむことを得うべし
 1221㌻ 
17 遂󠄅つひには我われきたりて汝等なんぢらをほかの國くににたづさへゆかん その國くにはなんぢの國くにのごとき國くににして 穀物たなつもの ぶだう酒しゆ パンおよび葡萄園ぶだうぞのあり 18 おそらくはをヒゼキヤなんぢらに説ときてヱホバわれらを救すくふべしといはん 然されどももろもろの國くにの神等かみたちのなかにその國くにをアツスリヤ王わうの手てより救すくへる者ものありしや 19 ハマテ、アルバデの神等かみたちいづこにありや セバルワイムの神等かみたちいづこにありや 又󠄂またわが手てよりサマリヤを救出すくひいだしし神かみありや 20 これらの國くにのもろもろの神かみのなかに誰たれかその國くにをわが手てよりすくひいだしし者ものありや さればヱホバも何いかでわが手てよりヱルサレムを救すくひいだし得えんと

21 如此かくありければ民たみは默もだして一言ひとことをもこたへざりき そは之これにこたふるなかれとの王わうのおほせありつればなり 22 そのときヒルキヤの子こなる家司いへつかさエリアキム書記しよきセブナおよびアサフの子こなる史󠄃官しくわんヨアころもを裂さてヒゼキヤにゆき之これにラブシヤケの言ことばをつげたり

第37章

1 ヒゼキヤ王わうこれをききてその衣ころもをさき麁󠄃衣あらたへをまとひてヱホバの家いへにゆき 2 家司いへつかさエリアキム書記しよきセブナおよび祭司さいしのなかの長老等としよりたちをして皆みなあらたへをまとはせてアモツの子こ預言者よげんしやイザヤのもとにゆかしむ 3 かれらイザヤにいひけるは ヒゼキヤ如此かくいへり けふは患難なやみと責せめと辱はづかしめの日ひなり そは子こうまれんとして之これをうみいだすの力ちからなし 4 なんぢの神かみヱホバあるひはラブシヤケがもろもろの言ことばをききたまはん 彼かれはその君きみアツスリヤ王わうにつかはされて活いける神かみをそしれり なんぢの神かみヱホバその言ことばをききて或あるいはせめたまふならん されば請󠄃こふなんぢこの遺󠄃のこれるもののために祈禱いのりをささげよと〘939㌻〙

5 かくてヒゼキヤ王わうの諸僕しもべらイザヤにいたる 6 イザヤかれらに言いひけるは なんぢらの君きみにつげよ ヱホバ斯かくいひたまへり曰いはく アツスリヤ王わうのしもべら我われをののしりけがせり なんぢらその聞きゝしことばによりて懼おそるるなかれ
 1222㌻ 
7 視みよわれかれが意こゝろをうごかすべければ 一ひとつの風聲うはさをききておのが國くににかへらん かれをその國くににて劍つるぎにたふれしむべし

8 爰こゝにラブシヤケはアツスリヤ王わうがラキシを離はなれさりしとききて歸かへりけるとき際をりしも王わうはリブナを攻せめをれり 9 このときエテオピアの王わうテルハカの事ことについてきけり云いはく かれいでて汝なんぢとたたかふべしと このことをききて使󠄃者つかひをヒゼキヤに遣󠄃つかはしていふ 10 なんぢらユダの王わうヒゼキヤにつげて如此かくいへ なんぢが賴たのめる神かみなんぢを欺あざむきてヱルサレムはアツスリヤ王わうの手てにわたされじといふを聽きくことなかれ 11 視みよアツスリヤの王等わうたちもろもろの國くににいかなることをおこなひ如何いかにしてこれを悉こと〴〵くほろぼししかを汝なんぢききしならん されば汝なんぢすくはるることを得えんや 12 わが先祖せんぞたちの滅ほろぼししゴザン、ハラン、レゼフおよびテラサルなるエデンの族やからなど此等これらのくにぐにの神かみはその國くにをすくひたりしや 13 ハマテの王わうアルバデの王わうセバルワイムの都みやこの王わうヘナの王わうおよびイワの王わうはいづこにありやと

14 ヒゼキヤつかひの手てより書ふみをうけて之これを讀よめり しかしてヒゼキヤ、ヱホバの宮みやにのぼりゆきヱホバの前󠄃みまへにこのふみを展のぶ 15 ヒゼキヤ、ヱホバに祈いのりていひけるは 16 ケルビムの上うへに坐ざしたまふ萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの神かみよ ただ汝なんぢのみ地ちのうへなるよろづの國くにの神かみなり なんぢは天地あめつちをつくりたまへり 17 ヱホバよ耳みゝをかたむけて聽きゝたまへ ヱホバよ目めをひらきて視みたまへ セナケリブ使󠄃者つかひして活いける神かみをそしらしめし言ことをことごとくききたまへ 18 ヱホバよ實げにアツスリヤの王等わうたちはもろもろの國民くにびととその地ちとをあらし毀こぼち 19 かれらの神かみたちを火ひになげいれたり これらのものは神かみにあらず 人ひとの手ての工わざにして あるひは木きあるひは石いしなり 斯かゝるがゆゑに滅ほろぼされたり
 1223㌻ 
20 さればわれらの神かみヱホバよ 今いまわれらをアツスリヤ王わうの手てより救すくひいだして 地ちのもろもろの國くににただ汝なんぢのみヱホバなることを知しらしめたまへ

21 ここにアモツの子こイザヤ人ひとをつかはしてヒゼキヤにいはせけるは イスラエルの神かみヱホバかくいひたまふ 汝なんぢはアツスリヤ王わうセナケリブのことにつきて我われにいのれり〘940㌻〙 22 ヱホバが彼かれのことにつきて語かたり給たまへるみことばは是これなり いはくシオンの處女をとめはなんぢを侮あなどりなんぢをあざけり ヱルサレムの女子をみなごはなんぢの背後うしろより頭かうべをふれり 23 汝なんぢがそしりかつ罵のゝしれるものは誰たれぞ なんぢが聲こゑをあげ目めをたかく向むけてさからひたるものはたれぞ イスラエルの聖󠄃者せいしやならずや 24 なんぢその使󠄃者つかひによりて主しゆをそしりていふ 我われはおほくの戰車いくさぐるまをひきゐて山々やま〳〵のいただきに登のぼりレバノンの奧おくにまでいりぬ 我われはたけたかき香柏かうはくとうるはしき松󠄃樹まつのきとをきり またその境はてなるたかき處ところにゆき腴󠄂こえたる地ちの林はやしにゆかん 25 我われは井ゐをほりて水みづをのみたり われは足跖あしのうらをもてエジプトの河々かは〴〵をからさんと

26 なんぢ聞きかずや これらのことはわが昔むかしよりなす所󠄃ところ いにしへの日ひよりさだめし所󠄃ところなり 今いまなんぢがこの堅城󠄃かたきしろをこぼちあらして石堆いしづかとなすも亦またわがきたらしし所󠄃ところなり 27 そのなかの民たみはちから弱󠄃よわくをののきて恥はぢをいだき 野草ののくさのごとく靑あをき菜󠄄なのごとく屋蓋やねの草くさのごとく未いまだそだたざる苗なへのごとし 28 我われなんぢが居をること出入いでいりすること又󠄂またわれにむかひて怒いかりさけべることをしる 29 なんぢが我われにむかひて怒いかりさけべると汝なんぢがほこれる言ことばとわが耳みゝにいりたれば我われなんぢの鼻はなに環󠄃わをはめ汝なんぢのくちびるに鑣くつわをつけて汝なんぢがきたれる路みちよりかへらしめん

30 ヒゼキヤよ我われがなんぢにたまふ徴しるしはこれなり なんぢら今年ことしは落穗おちぼより生はえたるものを食󠄃くらひ 明年つぎのとしは糵生ひつぢより出いでたるものを食󠄃くらはん 三年みとせにあたりては種まくことをなし收かることをなし 葡萄ぶだうぞのを作つくりてその果みを食󠄃くらふべし 31 ユダの家いへののがれて遺󠄃のこれる者ものはふたゝび下したは根ねをはり上うへは果みを結むすぶべし
 1224㌻ 
32 そは遺󠄃のこるものはヱルサレムよりいで脱のがるるものはシオンの山やまよりいづるなり 萬軍ばんぐんのヱホバの熱心ねつしんこれを成󠄃なしたまふべし

33 この故ゆゑにヱホバ、アツスリヤの王わうについては如此かくいひたまふ 彼かれはこの城󠄃しろにいらず ここに箭󠄃やをはなたず盾たてを城󠄃しろのまへにならべず 壘るゐをきづきて攻せむることなし 34 かれはそのきたりし道󠄃みちよりかへりてこの城󠄃しろにいらず 35 我われおのれの故ゆゑによりて僕しもべダビデの故ゆゑによりて この城󠄃しろをまもり この城󠄃しろをすくはん これヱホバ宣給のたまへるなり

36 ヱホバの使󠄃者つかひいできたりアツスリヤの陣營ぢんえいのなかにて十八萬まん五千人せんにんをうちころせり早晨あさつとにおきいでて見みればみな死しにてかばねとなれり 37 アツスリヤ王わうセナケリブ起󠄃たちてかへりゆきニネベにとゞまる 38 一日あるひおのが神かみニスロクのみやにて禮拜をがみをなし居をりしにその子こアデランメレクとシヤレゼルと劍つるぎをもて彼かれをころし而しかしてアララテの地ちににげゆけり かれが子こエサルハドンつぎて王わうとなりぬ〘941㌻〙

第38章

1 そのころヒゼキヤやみて死しなんとせしにアモツの子こ預言者よげんしやイザヤきたりて彼かれにいふ ヱホバ如此かくいひたまはく なんぢ家いへに遺󠄃言ゆゐごんをとどめよ 汝なんぢしにて活いくることあたはざればなり 2 爰こゝにヒゼキヤ面かほを壁かべにむけてヱホバに祈いのりいひけるは 3 ああヱホバよ 願ねがはくはわがなんぢの前󠄃みまへに眞󠄃實まことをもて一心ひとつこころをもてあゆみ なんぢの目めによきことを行おこなひたるをおもひいでたまへ 斯かくてヒゼキヤ甚いたくなきぬ 4 ヱホバの言ことばイザヤにのぞみて曰いはく 5 なんぢ往󠄃ゆきてヒゼキヤにいへ なんぢの祖ちゝダビデの神かみヱホバかくいひ給たまはく 我われなんぢの禱吿いのりをききなんぢの淚なみだをみたり 我われなんぢの齡よはひを十五年ねんましくはへ 6 且かつなんぢとこの城󠄃しろとを救すくひてアツスリヤわうの手てをのがれしめん又󠄂またわれこの城󠄃しろをまもるべし 7 ヱホバ語かたりたまひたる此事このことを成󠄃なしたまふ證あかしにこの徴しるしをなんぢに賜たまふ 8 視みよわれアハズの日晷󠄂ひばかりにすすみたる日影ひかげを十度どしりぞかしめんといひければ乃すなはちひばかりにすすみたる日影ひかげ十度どしりぞきぬ
 1225㌻ 

9 ユダの王わうヒゼキヤ病やまひにかかりてその病やまひのいえしのち記しるしし書ふみは左さのごとし 10 我われいへり わが齡よはひの全󠄃盛󠄃まさかりのとき陰府よみの門もんにいりわが餘年のこりのとしをうしなはんと 11 我われいへり われ再ふたゝびヱホバを見み奉たてまつることあらじ再ふたゝびいけるものの地ちにてヱホバを見み奉たてまつることあらじ われは無なきものの中なかにいりてふたゝび人ひとを見みることあらじ 12 わが住󠄃所󠄃すまひはうつされて牧人ひつじかひの幕屋まくやをとりさるごとくに我われをはなる わがいのちは織工はたおりの布ぬのをまきをはりて機はたより翦󠄃きりはなすごとくならん なんぢ朝󠄃夕あしたゆふべのあひだに我われをたえしめたまはん 13 われは天明あかつきにおよぶまで己おのれをおさへてしづめたり 主しゆは獅しゝのごとくに我わがもろもろの骨ほねを碎くだきたまふ なんぢ朝󠄃夕あしたゆふべの間あひだにわれを絕たえしめたまはん 14 われは燕つばくらのごとく鶴つるのごとくに哀かなしみなき鳩はとのごとくにうめき わが眼めはうへを視みておとろふ ヱホバよわれは迫󠄃せまりくるしめらる 願ねがはくはわが中保なかだちとなりたまへ 15 主しゆはわれとものいひ且かつそのごとくみづから成󠄃なしたまへり われ何なにをいふべきか わが世よにある間あひだわが靈魂たましひの苦くるしめる故ゆゑによりて愼つゝしみてゆかん 16 主しゆよこれらの事ことによりて人ひとは活いくるなり わが靈魂たましひのいのちも全󠄃またくこれらの事ことによるなり 願ねがはくはわれを醫いやしわれを活いかしたまへ 17 視みよわれに甚はなはだしき艱苦くるしみをあたへたまへるは我われに平󠄃安やすきをえしめんがためなり 汝なんぢわがたましひを愛あいして滅亡ほろびの穴󠄄あなをまぬかれしめ給たまへり そはわが罪つみをことごとく背後うしろにすてたまへり〘942㌻〙 18 陰府よみはなんぢに感謝󠄃かんしやせず 死しはなんぢを讃美さんびせず 墓はかにくだる者ものはなんぢの誠󠄃實まことをのぞまず 19 唯たゞいけるもののみ活いけるものこそ汝なんぢにかんしやするなれ わが今日けふかんしやするが如ごとし 父󠄃ちゝはなんぢの誠󠄃實まことをその子こにしらしめん 20 ヱホバ我われを救すくひたまはん われら世よにあらんかぎりヱホバのいへにて琴ことをひきわが歌うたをうたはん
 1226㌻ 

21 イザヤいへらく無花果いちぢくの一團ひとかたまりをとりきたりて腫物しゆもつのうへにつけよ 王わうかならずいえん 22 ヒゼキヤも亦またいへらく わがヱホバの家いへにのぼることにつきては何なにの兆󠄃しるしあらんか

第39章

1 そのころバラダンの子こバビロン王わうメロダクバラダン、ヒゼキヤが病やまひをうれへて愈󠄃いえしことをききければ書ふみと禮物ゐやしろとをおくれり 2 ヒゼキヤその使󠄃者つかひのきたるによりて喜よろこびこれに財物たからもの 金銀きんぎん 香料かをりもの たふとき油あぶらををさめたる家いへおよびすべての軍器つはものををさめたる家いへまた庫くらのなかなる物ものをことごとく見みす おほよそヒゼキヤのいへの裏うちにあるものと全󠄃國ぜんこくのうちにあるものと 見みせざるものは一ひとつもあらざりき 3 ここに預言者よげんしやイザヤ、ヒゼキヤ王わうのもとに來きたりていひけるは この人々ひと〴〵はなにをいひしや何處いづこよりなんぢのもとに來きたりしや ヒゼキヤ曰いひけるは かれらはとほき國くによりバビロンより我われにきたれり 4 イザヤいふ 彼等かれらはなんぢの家いへにてなにを見みたりしや ヒゼキヤ答こたふ かれらはわが家いへにあるものを皆みなみたり又󠄂またわが庫くらのなかにあるものは一ひとつをもかれらに見みせざるものなかりき 5 イザヤ、ヒゼキヤにいふ なんぢ萬軍ばんぐんのヱホバの言ことばをきけ 6 みよ日ひきたらん なんぢの家いへのものなんぢの列祖おやたちがけふまで蓄たくはへたるものは皆みなバビロンにたづさへゆかれて遺󠄃のこるもの一ひとつもなかるべし 是こはヱホバのみことばなり 7 なんぢの身みより生うまれいでん者ものもとらはれ寺人じじんとせられてバビロン王わうの宮みやのうちにあらん 8 ヒゼキヤ、イザヤにいひけるは 汝なんぢがかたるヱホバのみことばは善よし また云いふ わが世よにあるほどは太平󠄃おだやかと眞󠄃理まこととあるべしと

第40章

1 なんぢらの神かみいひたまはく なぐさめよ汝等なんぢらわが民たみをなぐさめよ 2 懇ねんごろにヱルサレムに語かたり之これによばはり吿つげよ その服󠄃役ふくえきの期きすでに終󠄃をはり その咎とがすでに赦ゆるされたり そのもろもろの罪つみによりてヱホバの手てよりうけしところは倍ばいしたりと
 1227㌻ 

3 よばはるものの聲こゑきこゆ云いはく なんぢら野のにてヱホバの途󠄃みちをそなへ沙漠さばくにわれらの神かみの大路おほぢをなほくせよと〘943㌻〙 4 もろもろの谷たにはたかくもろもろの山やまと岡をかとはひくくせられ 曲まがりたるはなほく崎嶇けはしきはたひらかにせらるべし 5 斯かくてヱホバの榮光えいくわうあらはれ人ひとみな共ともにこれを見みん こはヱホバの口くちより語かたりたまへるなり

6 聲こゑきこゆ云いはく よばはれ答こたへていふ何なにとよばはるべきか いはく人ひとはみな草くさなり その榮華はえはすべて野のの花はなのごとし 7 草くさはかれ花はなはしぼむ ヱホバの息いきそのうへに吹ふきければなり 實げに民たみはくさなり 8 草くさはかれ花はなはしぼむ 然しかどわれらの神かみのことばは永遠󠄄とこしへにたたん

9 よき音󠄃信おとづれをシオンにつたふる者ものよ なんぢ高山たかやまにのぼれ 嘉よきおとづれをヱルサレムにつたふる者ものよ なんぢ强つよく聲こゑをあげよ こゑを揚あげておそるるなかれ ユダのもろもろの邑まちにつけよ なんぢらの神かみきたり給たまへりと 10 みよ主しゆヱホバ能力ちからをもちて來きたりたまはん その臂かひなは統治すべをさめたまはん 賞賜たまものはその手てにあり はたらきの値あたひはその前󠄃みまへにあり 11 主しゆは牧者ぼくしやのごとくその群むれをやしなひ その臂かひなにて小羊こひつじをいだき之これをその懷中ふところにいれてたづさへ乳󠄃ちゝをふくまする者ものをやはらかに導󠄃みちびきたまはん

12 たれか掌心たなごころをもてもろもろの水みづをはかり指ゆびをのばして天てんをはかり また地ちの塵ちりを量器ますにもり天秤てんびんをもてもろもろの山やまをはかり權衡はかりをもてもろもろの岡をかをはかりしや 13 誰たれかヱホバの靈みたまをみちびきその議士はかりびととなりて敎をしへしや 14 ヱホバは誰たれとともに議はかりたまひしや たれかヱホバを聰さとくしこれに公󠄃平󠄃こうへいの道󠄃みちをまなばせ知識ちしきをあたへ明通󠄃さとりのみちを示しめしたりしや 15 視みよもろもろの國民くにびとは桶をけのひとしづくのごとく 權衡はかりのちりのごとくに思おもひたまふ島々しま〴〵はたちのぼる塵埃ちりあくたのごとし
 1228㌻ 
16 レバノンは柴しばにたらずそのなかの獸けものは燔祭はんさいにたらず 17 ヱホバの前󠄃みまへにはもろもろの國民くにびとみななきにひとし ヱホバはかれらを無なきもののごとく空󠄃むなしきもののごとく思おもひたまふ

18 然さればなんぢら誰たれをもて神かみにくらべ いかなる肖󠄃像󠄃かたちをもて神かみにたぐふか 19 偶像󠄃ぐうざうはたくみ鑄いてつくり 金工かぬちこがねをもて之これをおほひ白銀しろかねをもて之これがために鏈くさりをつくれり 20 かかる寳物はうもつをそなへえざる貧󠄃まづしきものは朽くつまじき木きをえらみ良匠よきたくみをもとめてうごくことなき像󠄃ざうをたたしむ 21 なんぢら知しらざるか なんぢら聞きかざるか 始はじめよりなんぢらに傳つたへざりしか なんぢらは地ちの基もとゐをおきしときより悟さとらざりしか 22 ヱホバは地ちのはるか上うへにすわり地ちにすむものを蝗いなごのごとく視みたまふ おほぞらを薄󠄄絹うすぎぬのごとく布しき これを住󠄃すまふべき幕屋まくやのごとくはり給たまふ〘944㌻〙 23 又󠄂またもろもろの君きみをなくならしめ地ちの審士さばきびとをむなしくせしむ 24 かれらは僅わづかに植うゑられ僅わづかに播まかれ その幹みきわづかに地ちに根ねざししに 神かみそのうへを吹ふきたまへば即すなはちかれて藁わらのごとく暴風はやちにまきさらるべし 25 聖󠄃者せいしやいひ給たまはく さらばなんぢら誰たれをもて我われにくらべ我われにたぐふか 26 なんぢら眼めをあげて高たかきをみよ たれか此等これらのものを創造󠄃さうざうせしやをおもへ 主しゆは數󠄄かずをしらべてその萬象ばんざうをひきいだしおのおのの名なをよびたまふ 主しゆのいきほひ大おほいなり その力ちからのつよきがゆゑに一いつも缺かくることなし

27 ヤコブよなんぢ何故なにゆゑにわが途󠄃みちはヱホバにかくれたりといふや イスラエルよ汝なんぢなにゆゑにわが訟󠄃うたへはわが神かみの前󠄃まへをすぎされりとかたるや 28 汝なんぢしらざるか聞きかざるかヱホバはとこしへの神かみ地ちのはての創造󠄃者さうざうしやにして倦うみたまふことなく また疲つかれたまふことなく その聰明さときこと測はかりがたし 29 疲つかれたるものには力ちからをあたへ勢力いきほひなきものには强つよきをまし加くはへたまふ 30 年少としわかきものもつかれてうみ壯さかんなるものも衰󠄄おとろへおとろふ 31 然しかはあれどヱホバを俟望󠄇まちのぞむものは新あたらなる力ちからをえん また鷲わしのごとく翼󠄅つばさをはりてのぼらん 走はしれどもつかれず步あゆめども倦うまざるべし
 1229㌻ 

第41章

1 もろもろの島しまよわがまへに默もだせ もろもろの民たみよあらたなる力ちからをえて近󠄃ちかづききたれ 而しかして語かたれ われら寄集よりつどひて諭󠄄あげつらはん 2 たれか東ひがしより人ひとをおこししや われは公󠄃義ただしきをもて之これをわが足下あしもとに召めし その前󠄃まへにもろもろの國くにを服󠄃ふくせしめ また之これにもろもろの王わうををさめしめ かれらの劍つるぎをちりのごとくかれらの弓ゆみをふきさらるる藁わらのごとくならしむ 3 斯かくて彼かれはこれらのものを追󠄃おひ その足あしいまだ行ゆかざる道󠄃みちをやすらかに過󠄃すぎゆけり 4 このことは誰たがおこなひしや たが成󠄃なししや たが太初はじめより世々よゝの人ひとをよびいだししや われヱホバなり 我われははじめなり終󠄃をはりなり 5 もろもろの島しまはこれを見みておそれ地ちの極はてはをののきて寄集よりつどひきたれり 6 かれら互たがひにその隣となりをたすけ その兄弟きやうだいにいひけるは なんぢ雄々ををしかれ 7 木匠こだくみは鐵工かぬちをはげまし鎚󠄃つちをもて平󠄃たひらぐるものは鐵碪かなしきをうつものを勵はげましていふ 接合つぎあはせいとよしと また釘くぎをもて堅かたうして搖うごくことなからしむ

8 然されどわが僕しもべイスラエルよ わが選󠄄えらめるヤコブわが友ともアブラハムの裔すゑよ 9 われ地ちのはてより汝なんぢをたづさへきたり地ちのはしよりなんぢを召めし かくて汝なんぢにいへり 汝なんぢはわが僕しもべわれ汝なんぢをえらみて棄すてざりきと〘945㌻〙 10 おそるるなかれ 我われなんぢとともにあり 驚おどろくなかれ我われなんぢの神かみなり われなんぢを强つよくせん 誠󠄃まことになんぢを助たすけん 誠󠄃まことにわがただしき右手みぎのてなんぢを支󠄂さゝへん 11 視みよなんぢにむかひて怒いかるものはみな恥はぢをえて惶あわてふためかん なんぢと爭あらそふものは無なきもののごとくなりて滅亡ほろびうせん 12 なんぢ尋󠄃たづぬるとも汝なんぢとたたかふ人々ひと〴〵にあはざるべし 汝なんぢといくさする者ものはなきものの如ごとくなりて虛むなしくなるべし 13 そは我われヱホバなんぢの神かみはなんぢの右手みぎのてをとりて汝なんぢにいふ 懼おそるるなかれ我われなんぢを助たすけんと
 1230㌻ 
14 またヱホバ宣給のたまふ なんぢ虫むしにひとしきヤコブよイスラエルの人ひとよ おそるるなかれ我われなんぢをたすけん汝なんぢをあがなふものはイスラエルの聖󠄃者せいしやなり 15 視みよわれ汝なんぢをおほくの鋭齒ときはある新あたらしき打麥むぎうちの器うつはとなさん なんぢ山やまをうちて細微こまやかにし岡をかを粃糠もみがらのごとくにすべし 16 なんぢ簸あふげば風かぜこれを卷まきさり 狂風はやちこれを吹ふきちらさん 汝なんぢはヱホバによりて喜よろこびイスラエルの聖󠄃者せいしやによりて誇ほこらん

17 貧󠄃まづしきものと乏ともしきものと水みづを求もとめて水みづなくその舌したかわきて衰󠄄おとろふるとき われヱホバ聽きゝてこたへん 我われイスラエルの神かみかれらを棄すてざるなり 18 われ河かはをかぶろの山やまにひらき泉いづみを谷たにのなかにいだし また荒野あれのを池いけとなし乾かわける地ちを水みづの源みなもとと變なさん 19 我われあれのに香柏かうはく 合歎樹ねむのき もちの樹き および油あぶらの樹きをうゑ沙漠さばくに松󠄃まつ 杉すぎ 及および黃楊つげをともに置おかん 20 かくて彼等かれらこれを見みてヱホバの手ての作なしたまふところイスラエルの聖󠄃者せいしやの造󠄃つくり給たまふ所󠄃ところなるをしり且かつこころをとめ且かつともどもにさとらん

21 ヱホバ言いひ給たまはく なんぢらの道󠄃理ことわりをとり出いだせ ヤコブの王わういひたまはく 汝等なんぢらのかたき證あかしをもちきたれ 22 これを持來もちきたりてわれらに後のちならんとする事ことをしめせ そのいやさきに成󠄃なるべきことを示しめせ われら心こゝろをとめてその終󠄃をはりをしらん 或あるいはきたらんとする事ことをわれらに聞きかすべし 23 なんぢら後のちならんとすることをしめせ我儕われらなんぢらが神かみなることを知しらん なんぢら或あるいはさいはひし或あるいはわざはひせよ 我儕われらともに見みておどろかん 24 視みよなんぢらは無なきもののごとし なんぢらの事わざはむなし なんぢらを撰えらぶものは憎にくむべきものなり

25 われ一人ひとりを起󠄃おこして北きたよりきたらせ我わが名なをよぶものを東ひがしよりきたらしむ 彼かれきたりもろもろの長をさをふみて泥ひぢのごとくにし陶工すゑつくりのつちくれを踐ふむがごとくにせん 26 たれか初はじめよりこれらの事ことをわれらに吿つげてしらしめたりや たれか上古いにしへよりわれらに吿つげてこは是ぜなりといはしめたりや 一人ひとりだに吿つぐるものなし一人ひとりだに聞きかするものなし 一人ひとりだになんぢらの言ことばをきくものなし〘946㌻〙
 1231㌻ 
27 われ豫あらかじめシオンにいはん なんぢ視みよ かれらを見みよと われ又󠄂またよきおとづれを吿つぐるものをヱルサレムに予あたへん 28 われ見みるに一人ひとりだになし かれらのなかに謀略はかりごとをまうくるもの一人ひとりだになし 我われかれらに問とへどこたふるもの一人ひとりだになし 29 かれらの爲わざはみな徒然いたづらにして無なきもののごとし その偶像󠄃ぐうざうは風かぜなりまた空󠄃むなしきなり

第42章

1 わが扶たすくるわが僕しもべわが心こゝろよろこぶわが撰人えらびびとをみよ 我われわが靈みたまをかれにあたへたり かれ異邦󠄆人ことくにびとに道󠄃みちをしめすべし 2 かれは叫さけぶことなく聲こゑをあぐることなくその聲こゑを街頭ちまたにきこえしめず 3 また傷いためる蘆あしををることなくほのくらき燈火ともしびをけすことなく 眞󠄃理まことをもて道󠄃みちをしめさん 4 かれは衰󠄄おとろへず喪膽きおちせずして道󠄃みちを地ちにたてをはらん もろもろの島しまはその法言をしへをまちのぞむべし

5 天てんをつくりてこれをのべ 地ちとそのうへの產物なりいでものとをひらき そのうへの民たみに息いきをあたへ その中なかをあゆむものに靈みたまをあたへたまふ神かみヱホバかく言いひ給たまふ 6 云いはくわれヱホバ公󠄃義ただしきをもてなんぢを召めしたり われなんぢの手てをとり汝なんぢをまもり なんぢを民たみの契󠄅約けいやくとし異邦󠄆人ことくにびとのひかりとなし 7 而しかして瞽めしひの目めを開ひらき俘囚とらはれびとを獄ひとやよりいだし 暗󠄃くらきにすめるものを檻をりのうちより出いださしめん 8 われはヱホバなり是これわが名ななり 我われはわが榮光えいくわうをほかの者ものにあたへず わがほまれを偶像󠄃ぐうざうにあたへざるなり 9 さきに預言よげんせるところはや成󠄃なれり 我われまた新あたらしきことをつげん 事こといまだ兆󠄃きざさざるさきに我われまづなんぢらに聞きかせんと
 1232㌻ 

10 海うみにうかぶもの 海うみのなかに充みつるもの もろもろの島しまおよびその民たみよ ヱホバにむかひて新あたらしき歌うたをうたひ 地ちの極はてよりその頌󠄃美ほまれをたたへまつれ 11 荒野あれのとその中なかのもろもろの邑まちとケダル人びとのすめるもろもろの村里むらざとはこゑをあげよ セラの民たみはうたひて山やまのいただきよりよばはれ 12 榮光えいくわうをヱホバにかうぶらせ その頌󠄃美ほまれをもろもろの島しまにて語かたりつげよ 13 ヱホバ勇󠄃士ますらをのごとく出いでたまふ また戰士いくさびとのごとく熱心ねつしんをおこし 聲こゑをあげてよばはり大能ちからをあらはして仇あたをせめ給たまはん

14 われ久ひさしく聲こゑをいださず默もだして己おのれをおさへたり 今いまわれ子こをうまんとする婦󠄃人をんなのごとく叫さけばん 我われいきづかしくかつ喘あへがん 15 われ山やまと岡をかとをあらし且かつすべてその上うへの木草きくさをからし もろもろの河かはを島しまとしもろもろの池いけを涸からさん 16 われ瞽者めしひをその未いまだしらざる大路おほぢにゆかしめ その未いまだしらざる徑みちをふましめ 暗󠄃くらきをその前󠄃まへに光ひかりとなし 曲まがれるをその前󠄃まへになほくすべし 我われこれらの事ことをおこなひて彼かれらをすてじ〘947㌻〙 17 刻󠄂きざみたる偶像󠄃ぐうざうにたのみ鑄いたる偶像󠄃ぐうざうにむかひて汝等なんぢらはわれらの神かみなりといふものは退󠄃しりぞけられて大おほいに恥はぢをうけん

18 聾󠄃者みみしひよきけ 瞽者めしひよ眼めをそそぎてみよ 19 瞽者めしひはたれぞ わが僕しもべにあらずや 誰たれかわがつかはせる使󠄃者つかひの如ごとき瞽者みみしひあらんや 誰たれかわが友ともの如ごときめしひあらんや 誰たれかヱホバの僕しもべのごときめしひあらんや 20 汝なんぢおほくのことを見みれども顧󠄃かへりみず 耳みゝをひらけども聞きかざるなり 21 ヱホバおのれ義ぎなるがゆゑに大おほいにしてたふとき律法おきてをたまふをよろこび給たまへり 22 然しかるにこの民たみはかすめられ奪うばはれて みな穴󠄄中あなのなかにとらはれ獄ひとやのなかに閉とぢこめらる 斯かくてその掠かすめらるるを助たすくる者ものなく その奪うばはれたるを償つくのへといふ者ものなし

23 なんぢらのうち誰たれかこのことに耳みゝをかたぶけん たれか心こゝろをもちゐて後のちのために之これをきかん 24 ヤコブを奪うばはせしものは誰たれぞ かすむる者ものにイスラエルをわたしし者ものはたれぞ 是これヱホバにあらずや われらヱホバに罪つみををかし その道󠄃みちをあゆまず その律法おきてにしたがふことを好このまざりき
 1233㌻ 
25 この故ゆゑにヱホバ烈はげしき怒いかりをかたぶけ 猛たけきいくさをきたらせ その烈はげしきこと火ひの如ごとく四圍󠄃まはりにもゆれども彼かれしらず その身みに焚やけせまれども心こゝろにおかざりき

第43章

1 ヤコブよなんぢを創造󠄃さうざうせるヱホバいま如此かくいひ給たまふ イスラエルよ汝なんぢをつくれるもの今いまかく言いひ給たまふ おそるるなかれ我われなんぢを贖あがなへり 我われなんぢの名なをよべり汝なんぢはわが有󠄃ものなり 2 なんぢ水中みづのなかをすぐるときは我われともにあらん河かはのなかを過󠄃すぐるときは水みづなんぢの上うへにあふれじ なんぢ火中ひのなかをゆくとき焚やかるることなく火焰ほのほもまた燃もえつかじ 3 我われはヱホバなんぢの神かみイスラエルの聖󠄃者せいしや なんぢの救すくひ主ぬしなり われエジプトを予あたえてなんぢの贖あがなひ代しろとなし エテオピアとセバとをなんぢに代かふ 4 われ看みてなんぢを寳たからとし尊󠄅たふときものとして亦またなんぢを愛あいす この故ゆゑにわれ人ひとをもてなんぢにかへ 民たみをなんぢの命いのちにかへん 5 懼おそるるなかれ我われなんぢとともにあり 我われなんぢの裔すゑを東ひがしよりきたらせ西にしより汝なんぢをあつむべし 6 われ北きたにむかひて釋ゆるせといひ南みなみにむかひて留とどむるなかれといはん わが子こ輩らを遠󠄄とほきよりきたらせ わが女むすめらを地ちの極はてよりきたらせよ 7 すべてわが名なをもて稱󠄄となへらるる者ものをきたらせよ 我われかれらをわが榮光えいくわうのために創造󠄃さうざうせり われ曩さきにこれを造󠄃つくりかつ成󠄃なしをはれり〘948㌻〙

8 目めあれども瞽者めしひのごとく耳みゝあれど聾󠄃者みみしひのごとき民たみをたづさへ出いでよ 9 國々くに〴〵はみな相あひ集つどひもろもろの民たみはあつまるべし 彼等かれらのうち誰たれかいやさきに成󠄃なるべきことをつげ之これをわれらに聞きかすることを得えんや その證人あかしびとをいだして己おのれの是ぜなるをあらはすべし 彼等かれらききて此こはまことなりといはん 10 ヱホバ宣給のたまはくなんぢらはわが證人あかしびとわがえらみし僕しもべなり 然さればなんぢら知しりてわれを信しんじわが主しゆなるをさとりうべし 我われよりまへにつくられし神かみなく我われよりのちにもあることなからん
 1234㌻ 
11 ただ我われのみ我われはヱホバなり われの外ほかにすくふ者ものあることなし 12 われ前󠄃さきにつげまた救すくひをほどこし また此この事ことをきかせたり 汝等なんぢらのうちには他神あだしかみなかりき なんぢらはわが證あかし人びとなり 我われは神かみなり これヱホバ宣の給たまへるなり 13 今いまよりわれは主しゆなりわが手てより救すくひいだし得うるものなし われ行おこなはば誰たれかとどむることを得えんや

14 なんぢらを贖あがなふものイスラエルの聖󠄃者せいしやヱホバかく言いひたまふ なんぢらの爲ためにわれ人ひとをバビロンにつかはし彼處かしこにあるカルデヤ人びとをことごとく下くだらせ その宴樂あそびの船󠄄ふねにのりてのがれしむ 15 われはヱホバなんぢらの聖󠄃者せいしやイスラエルを創造󠄃さうざうせしもの又󠄂またなんぢらの王わうなり 16 ヱホバは海うみのなかに大路おほぢをまうけ大おほいなる水みづのなかに徑みちをつくり 17 戰車いくさぐるまおよび馬むま 軍兵つはもの 武士もののふをいできたらせ ことごとく仆たふれて起󠄃おこることあたはず 皆みなほろびて燈火ともしびのきえうするが如ごとくならしめ給たまへり 18 ヱホバ言いひ給たまはく なんぢら往󠄃昔むかしのことを思おもひいづるなかれ また上古いにしへのことをかんがふるなかれ 19 視みよわれ新あたらしき事わざをなさん頓やがておこるべし なんぢら知しらざるべけんや われ荒野あれのに道󠄃みちをまうけ沙漠さばくに河かはをつくらん 20 野のの獸けものわれを崇あがむべし 野犬のいぬおよび駝鳥だてうもまた然しかり われ水みづを荒野あれのにいだし河かはを沙漠さばくにまうけてわが民たみわがえらびたる者ものにのましむべければなり 21 この民たみはわが頌󠄃美ほまれをのべしめんとて我われおのれのために造󠄃つくれるなり

22 然しかるにヤコブよ汝なんぢわれを呼よびたのまざりき イスラエルよ汝なんぢわれを厭いとひたり 23 なんぢ燔祭はんさいのひつじを我われにもちきたらず犧牲いけにへをもて我われをあがめざりき われ汝なんぢにそなへものの荷にをおはせざりき また乳󠄃香にうかうをもて汝なんぢをわづらはせざりき
 1235㌻ 
24 なんぢは銀貨かねをもて我わがために菖蒲あやめをかはず 犧牲いけにへのあぶらをもて我われをあかしめず 反かへりてなんぢの罪つみの荷にをわれに負󠄅おはせ なんぢの邪󠄅曲よこしまにて我われをわづらはせたり

25 われこそ我われみづからの故ゆゑによりてなんぢの咎とがをけし汝なんぢのつみを心こゝろにとめざるなれ 26 なんぢその是ぜなるをあらはさんがために己おのが事ことをのべて我われに記念きねんせしめよ われら相共あひともにあげつらふべし〘949㌻〙 27 なんぢの遠󠄄祖とほつおやつみををかし汝なんぢのをしへの師しわれにそむけり 28 この故ゆゑにわれ聖󠄃所󠄃せいじよの長かしらたちを汚けがさしめヤコブを詛のろはしめイスラエルをののしらしめん

第44章

1 されどわが僕しもべヤコブよわが撰えらみたるイスラエルよ今いまきけ 2 なんぢを創造󠄃さうざうし なんぢを胎內はらのうちにつくり又󠄂またなんぢを助たすくるヱホバ如此かくいひたまふ わがしもベヤコブよわが撰えらみたるヱシュルンよおそるるなかれ 3 われ渇かわけるものに水みづをそそぎ乾ひたる地ちに流ながれをそそぎ わが靈みたまをなんぢの子輩こらにそそぎ わが恩惠めぐみをなんぢの裔すゑにあたふべければなり 4 斯かくてかれらは草くさのなかにて川かはのほとりの柳やなぎのごとく生はえそだつべし 5 ある人ひとはいふ我われはヱホバのものなりと ある人ひとはヤコブの名なをとなへん ある人ひとはヱホバの有󠄃ものなりと手てにしるしてイスラエルの名なをなのらん

6 ヱホバ、イスラエルの王わうイスラエルをあがなふもの萬軍ばんぐんのヱホバ如此かくいひたまふ われは始はじめなりわれは終󠄃をはりなり われの外ほかに神かみあることなし 7 我われいにしへの民たみをまうけしより以來このかた たれかわれのごとく後事のちのことをしめし又󠄂またつげ又󠄂またわが前󠄃まへにいひつらねんや 試こゝろみに成󠄃ならんとすること來きたらんとすることを吿つげよ 8 なんぢら懼おそるるなかれ慴をののくなかれ 我われいにしへより聞きかせたるにあらずや吿つげしにあらずや なんぢらはわが證人あかしびとなり われのほか神かみあらんや 我われのほかには磐いはあらず われその一ひとつだに知しることなし
 1236㌻ 

9 偶像󠄃ぐうざうをつくる者ものはみな空󠄃むなしく かれらが慕したふところのものは益えきなし その證あかしを見みるものは見みることなく知しることなし 斯かゝるがゆゑに恥はぢをうくべし 10 たれか神かみをつくり又󠄂またえきなき偶像󠄃ぐうざうを鑄いたりしや 11 視みよその伴󠄃侶ともがらはみなはぢん その匠工たくみらは人ひとなり かれら皆みなあつまりて立たつときはおそれてもろともに恥はづるなるべし

12 鐵匠かなだくみは斧をのをつくるに炭󠄃すみの火ひをもてこれをやき鎚󠄃つちもてこれを鍛きたへつよき碗うでをもてこれをうちかたむ 饑󠄃うゝれば力ちからおとろへ水みづをのまざればつかれはつべし 13 木匠こだくみはすみなはをひきはり朱しゆにてゑがき鐁かんなにてけづり文󠄃回ふみまはしをもて畫ゑがき 之これを人ひとの形かたちにかたどり人ひとの美うるはしき容すがたにしたがひて造󠄃つくり 而しかして家いへのうちに安置あんちす 14 あるひは香柏かうはくをきりあるひは槲かしはをとり あるひは橿かしをとり 或あるいははやしの樹きのなかにて一ひとつをえらび あるひは杉すぎをうゑ雨あめをえて長そだたしむ 15 而しかして人ひとこれを薪たきゞとなし之これをもておのが身みをあたため又󠄂またこれを燃もやしてパンをやき又󠄂またこれを神かみにつくりてをがみ偶像󠄃ぐうざうにつくりてその前󠄃まへにひれふす〘950㌻〙 16 その半󠄃なかばは火ひにもやしその半󠄃なかばは肉󠄁にくをにて食󠄃くらひ あるひは肉󠄁にくをあぶりてくひあき また身みをあたためていふ ああ我われあたたまれり われ熱あつきをおぼゆ 17 斯かくてその餘あまりをもて神かみにつくり偶像󠄃ぐうざうにつくりてその前󠄃まへにひれふし之これををがみ之これにいのりていふ なんぢは吾神わがかみなり我われをすくへと

18 これらの人ひとは知しることなく悟さとることなし その眼めふさがりて見みえず その心こゝろとぢてあきらかならず 19 心こゝろのうちに思おもふことをせず智識ちしきなく明悟さとりなきがゆゑに我われそのなかばを火ひにもやしその炭󠄃火すみびのうへにパンをやき肉󠄁にくをあぶりて食󠄃くらひ その木きのあまりをもて我われいかで憎にくむべきものを作つくるべけんや 我われいかで木きのはしくれに俯伏ひれふすことをせんやといふ者ものもなし
 1237㌻ 
20 かかる人ひとは灰󠄃はひをくらひ 迷󠄃まよへる心こゝろにまどはされて己おのがたましひを救すくふあたはず またわが右手みぎのてにいつはりあるにあらずやとおもはざるなり

21 ヤコブよ イスラエルよ 此等これらのことを心こゝろにとめよ 汝なんぢはわが僕しもべなり 我われなんぢを造󠄃つくれり なんぢわが僕しもべなり イスラエルよ我われはなんぢを忘󠄃わすれじ 22 我われなんぢの愆とがを雲くものごとくに消󠄃けし なんぢの罪つみを霧きりのごとくにちらせり なんぢ我われにかへれ我われなんぢを贖あがなひたればなり 23 天てんよ うたうたへヱホバこのことを成󠄃なしたまへり 下したなる地ちよよばはれ もろもろの山やまよ林はやしおよびその中なかのもろもろの木きよ こゑを發はなちてうたふべし ヱホバはヤコブを贖あがなへり イスラエルのうちに榮光えいくわうをあらはし給たまはん

24 なんぢを贖あがなひなんぢを胎內はらのうちにつくれるヱホバかく言いひたまふ 我われはヱホバなり我われよろづのものを創造󠄃さうざうし ただ我われのみ天てんをのべ みづから地ちをひらき 25 いつはるものの豫兆󠄃しるしをむなしくし卜者うらなふものをくるはせ智者かしこきものをうしろに退󠄃しりぞけてその知識ちしきをおろかならしむ 26 われわが僕しもべのことばを遂󠄅とげしめ わが使󠄃者つかひのはかりごとを成󠄃ならしめ ヱルサレムについては民たみまた住󠄃すまはんといひ ユダのもろもろの邑まちについては重かさねて建󠄄たてらるべし我われその荒廢あれすたれたるところを舊もとにかへさんといふ 27 また淵ふちに命めいず かわけ我われなんぢのもろもろの川かはをほさんと 28 又󠄂またクロスについては彼かれはわが牧者ぼくしやすべてわが好このむところを成󠄃ならしむる者ものなりといひ ヱルサレムについてはかさねて建󠄄たてられその宮みやの基もとゐすゑられんといふ

第45章

1 われヱホバわが受膏者じゆかうじやクロスの右手みぎのてをとりてもろもろの國くにをそのまへに降󠄄くだらしめ もろもろの王わうの腰󠄃こしをとき扉󠄆とびらをその前󠄃まへにひらかせて門もんをとづるものなからしめん〘951㌻〙 2 われ汝なんぢのまへにゆきて崎嶇けはしきをたひらかにし 銅あかがねの門もんをこぼち くろがねの關木くわんのきをたちきるべし
 1238㌻ 
3 われなんぢに暗󠄃くらきところの財貨たからとひそかなるところに藏かくせるたからとを予あたへ なんぢに我われはヱホバなんぢの名なをよべるイスラエルの神かみなるを知しらしめん 4 わが僕しもべヤコブわが撰えらみたるイスラエルのために我われなんぢの名なをよべり 汝なんぢわれを知しらずといへどわれ名なをなんぢに賜たまひたり 5 われはヱホバなり 我われのほかに神かみなし 一人ひとりもなし 汝なんぢわれをしらずといへども我われなんぢを固かたうせん 6 而しかして日ひのいづるところより西にしのかたまで人々ひと〴〵我われのほかに神かみなしと知しるべし 我われはヱホバなり他ほかにひとりもなし 7 われは光ひかりをつくり又󠄂またくらきを創造󠄃さうざうす われは平󠄃和へいわをつくりまた禍害󠄅わざはひをさうざうす 我われはヱホバなり 我われすべてこれらの事ことをなすなり

8 天てんようへより滴したたらすべし 雲くもよ義ぎをふらすべし 地ちはひらけて救すくひを生しやうじ義ぎをもともに萌もえいだすべし われヱホバ之これを創造󠄃さうざうせり

9 世人よのひとはすゑものの中うちのひとつの陶器すゑものなるに己おのれをつくれる者ものとあらそふはわざはひなるかな 泥塊つちくれはすゑものつくりにむかひて汝なんぢなにを作つくるかといふべけんや 又󠄂またなんぢの造󠄃つくりたる者ものなんぢを手てなしといふべけんや 10 父󠄃ちゝにむかひて汝なんぢなにゆゑに生うむことをせしやといひ 婦󠄃をんなにむかひて汝なんぢなにゆゑに產うみのくるしみをなししやといふ者ものはわざはひなるかな

11 ヱホバ、イスラエルの聖󠄃者せいしやイスラエルを造󠄃つくれるもの如此かくいひたまふ 後のちきたらんとすることを我われにとへ またわが子女こらとわが手ての工わざとにつきて汝等なんぢらわれに言いはせよ 12 われ地ちをつくりてそのうへに人ひとを創造󠄃さうざうせり われ自みづからの手てをもて天てんをのべ その萬象ばんざうをさだめたり
 1239㌻ 
13 われ義ぎをもて彼かのクロスを起󠄃おこせり われそのすべての道󠄃みちをなほくせん 彼かれはわが邑まちをたてわが俘囚とらはれびとを價あたひのためならず報むくいのためならずして釋ゆるすべし これ萬軍ばんぐんのヱホバの聖󠄃言みことばなり

14 ヱホバ如此かくいひたまふ エジプトがはたらきて得えしものとエテオピアがあきなひて得えしものとはなんぢの有󠄃ものとならん また身みのたけ高たかきセバ人びときたりくだりて汝なんぢにしたがひ繩󠄂なはにつながれて降󠄄くだり なんぢのまへに伏ふしなんぢに祈いのりていはん まことに神かみはなんぢの中なかにいませり このほかに神かみなし一人ひとりもなしと 15 救すくひをほどこし給たまふイスラエルの神かみよ まことに汝なんぢはかくれています神かみなり 16 偶像󠄃ぐうざうをつくる者ものはみな恥はぢをいだき辱はづかしめをうけ諸共もろともにはぢあわてて退󠄃しりぞかん 17 されどイスラエルはヱホバにすくはれて永遠󠄄とこしへの救すくひをえん なんぢらは世々よゝかぎりなく恥はぢをいだかず辱はづかしめをうけじ〘952㌻〙

18 ヱホバは天てんを創造󠄃さうざうしたまへる者ものにしてすなはち神かみなり また地ちをもつくり成󠄃なしてこれを堅かたくし徒然いたづらにこれを創造󠄃さうざうし給たまはず これを人ひとの住󠄃所󠄃すみかにつくり給たまへり ヱホバかく宣給のたまふ われはヱホバなり我われのほかに神かみあることなしと 19 われは隱かくれたるところ地ちのくらき所󠄃ところにてかたらず 我われはヤコブの裔すゑになんぢらが我われをたづぬるは徒然いたづらなりといはず 我われヱホバはただしき事ことをかたり直なほきことを吿つぐ

20 汝等なんぢらもろもろの國くにより脱のがれきたれる者ものよ つどひあつまり共ともにすすみききたれ 木きの像󠄃かたちをになひ救すくふことあたはざる神かみにいのりするものは無智むちなるなり 21 なんぢらその道󠄃理ことわりをもちきたりて述󠄃のべよ また共ともにはかれ 此事このことをたれか上古いにしへより示しめしたりや 誰たれかむかしより吿つげたりしや 此こはわれヱホバならずや 我われのほかに神かみあることなし われは義ぎをおこなひ救すくひをほどこす神かみにして我われのほかに神かみあることなし
 1240㌻ 
22 地ちの極はてなるもろもろの人ひとよ なんぢら我われをあふぎのぞめ然さらばすくはれん われは神かみにして他ほかに神かみなければなり 23 われは己おのれをさして誓ちかひたり この言ことばはただしき口くちよりいでたれば反かへることなし すべての膝ひざはわがまへに屈かがみ すべての舌したはわれに誓ちかひをたてん 24 人ひとわれに就ついていはん正義ただしきと力ちからとはヱホバにのみありと 人々ひと〴〵ヱホバにきたらん すべてヱホバにむかひて怒いかるものは恥はぢをいだくべし 25 イスラエルの裔すゑはヱホバによりて義ぎとせられ且かつほこらん

第46章

1 ベルは伏ふしネボは屈かがむ かれらの像󠄃ざうはけものと家畜けだものとのうへにあり なんぢらが擡もたげあるきしものは荷にとなりて疲つかれおとろへたるけものの負󠄅おふところとなりぬ 2 かれらは屈かがみかれらは共ともにふし その荷にとなれる者ものをすくふこと能あたはずして己おのれとらはれゆく

3 ヤコブの家いへよイスラエルのいへの遺󠄃のこれるものよ 腹はらをいでしより我われにおはれ胎たいをいでしより我われにもたげられしものよ 皆みなわれにきくべし 4 なんぢらの年老としおゆるまで我われはかはらず白髮しらがとなるまで我われなんぢらを負󠄅おはん 我われつくりたれば擡もたぐべし我われまた負󠄅おひかつ救すくはん 5 なんぢら我われをたれに比くらべ たれに配󠄃たぐひ たれに擬なずらへ かつ相あひくらぶべきか 6 人々ひと〴〵ふくろより黃金こがねをかたぶけいだし權衡はかりをもて白銀しろかねをはかり金工かなだくみをやとひてこれを神かみにつくらせ之これにひれふして拜をがむ 7 彼等かれらはこれをもたげて肩󠄃かたにのせ 負󠄅おひゆきてその處ところに安置あんちす すなはち立たちてその處ところをはなれず 人ひとこれにむかひて呼よばはれども答こたふること能あたはず 又󠄂またこれをすくひて苦難くるしみのうちより出いだすことあたはず〘953㌻〙

8 なんぢら此事このことをおもひいでて堅かたくたつべし 悖逆󠄃者そむけるものよこのことを心こゝろにとめよ 9 汝等なんぢらいにしへより以來このかたのことをおもひいでよ われは神かみなり我われのほかに神かみなし われは神かみなり我われのごとき者ものなし
 1241㌻ 
10 われは終󠄃をはりのことを始はじめよりつげ いまだ成󠄃ならざることを昔むかしよりつげ わが謀畧はかりごとはかならず立たつといひ すべて我わがよろこぶことを成󠄃なさんといへり 11 われ東ひがしより鷲わしをまねき遠󠄄國とほきくによりわが定さだめおける人ひとをまねかん 我われこのことを語かたりたれば必かならず來きたらすべし 我われこのことを謀はかりたればかならず成󠄃なすべし

12 なんぢら心こゝろかたくなにして義ぎにとほざかるものよ我われにきけ 13 われわが義ぎをちかづかしむ可べければその來きたること遠󠄄とほからず わが救すくひおそからず 我われすくひをシオンにあたへ わが榮光えいくわうをイスラエルにあたへん

第47章

1 バビロンの處女をとめよ くだりて塵ちりのなかにすわれ カルデヤ人びとのむすめよ座みくらにすわらずして地ちにすわれ 汝なんぢふたゝび婀娜󠄃なよゝかにして嬌あてなりととなへらるることなからん 2 礱すりうすをとりて粉󠄃こなをひけ 面帕かほおほひをとりさり袿うちぎをぬぎ髓すねをあらはして河かはをわたれ 3 なんぢの肌はだはあらはれなんぢの恥はぢはみゆべし われ仇あだをむくいて人ひとをかへりみず 4 われらを贖あがなひたまふ者ものはその名なを萬軍ばんぐんのヱホバ、イスラエルの聖󠄃者せいしやといふ 5 カルデヤ人びとのむすめよ なんぢ口くちをつぐみてすわれ 又󠄂またくらき所󠄃ところにいりてをれ 汝なんぢふたゝびもろもろの國くにの主母とじととなへらるることなからん 6 われわが民たみをいきどほりわが產業さんげふをけがして之これをなんぢの手てにあたへたり 汝なんぢこれに憐憫あはれみをほどこさず年老としおいたるもののうへに甚はなはだおもき軛くびきをおきたり 7 汝なんぢいへらく我われとこしへに主母とじたらんと 斯かくてこれらのことを心こゝろにとめず亦またその終󠄃をはりをおもはざりき

8 なんぢ歡樂たのしみにふけり安やすらかにをり 心こゝろのうちにただ我われのみにして我われのほかに誰たれもなく我われはやもめとなりてをらず また子こをうしなふことを知しるまじとおもへる者ものよなんぢ今いまきけ
 1242㌻ 
9 子こをうしなひ寡婦󠄃やもめとなるこの二ふたつのこと一日ひとひのうちに俄にはかになんぢに來きたらん汝なんぢおほく魔󠄃術󠄃まじゆつをおこなひひろく呪詛まじなひをほどこすと雖いへどもみちみちて汝なんぢにきたるべし 10 汝なんぢおのれの惡あくによりたのみていふ 我われをみるものなしと なんぢの智慧󠄄ちゑとなんぢの聰明さときとはなんぢを惑まどはせたり なんぢ心こゝろのうちにおもへらくただ我われのみにして我われのほかに誰たれもなしと〘954㌻〙 11 この故ゆゑにわざはひ汝なんぢにきたらん なんぢ呪まじなひてこれを除のぞくことをしらず 艱難なやみなんぢに落おちきたらん 汝なんぢこれをはらふこと能あたはず なんぢの思おもひよらざる荒廢あれすたれにはかに汝なんぢにきたるべし

12 今いまなんぢわかきときより勤つとめおこなひたる呪詛まじなひとおほくの魔󠄃術󠄃まじゆつとをもて立たちむかふべしあるひは益えきをうることあらん あるひは敵てきをおそれしむることあらん 13 なんぢは謀畧はかりごとおほきによりて倦うみつかれたり かの天てんをうらなふもの星ほしをみるもの新月󠄃しんげつをうらなふ者ものもし能あたはば いざたちて汝なんぢをきたらんとする事ことよりまぬかれしむることをせよ 14 彼かれらは藁わらのごとくなりて火ひにやかれん おのれの身みをほのほの勢力いきほひよりすくひいだすこと能あたはず その火ひは身みをあたたむべき炭󠄃火すみびにあらず又󠄂またその前󠄃まへにすわるべき火ひにもあらず 15 汝なんぢがつとめて行おこなひたる事ことは終󠄃つひにかくのごとくならん 汝なんぢのわかきときより汝なんぢとうりかひしたる者ものおのおのその所󠄃ところにさすらひゆきて一人ひとりだになんぢを救すくふものなかるべし

第48章

1 ヤコブの家いへよなんぢら之これをきけ 汝なんぢらはイスラエルの名なをもて稱󠄄となへられ ユダの根源みなもとよりいでヱホバの名なによりて誓ちかひイスラエルの神かみをかたりつぐれども 眞󠄃實まことをもてせず正義ただしきをもてせざるなり 2 かれらはみづから聖󠄃京きよきみやこのものととなへイスラエルの神かみによりたのめり その名なは萬軍ばんぐんのヱホバといふ 3 われ今いまよりさきに成󠄃なりしことを旣󠄁すでにいにしへより吿つげたり われ口くちよりいだして旣󠄁すでにのべつたへたり 我われにはかにこの事ことをおこなひ而しかして成󠄃なりぬ
 1243㌻ 
4 われ汝なんぢがかたくなにして項うなじの筋すぢはくろがねその額ひたひはあかがねなるを知しれり 5 このゆゑに我われはやくよりかの事ことをなんぢにつげ その成󠄃ならざるさきに之これをなんぢに聞きかしめたり 恐おそらくはなんぢ云いはん わが偶像󠄃ぐうざうこれを成󠄃なせり刻󠄂きざみたるざう鑄いたる像󠄃ざうこれを命めいじたりと 6 なんぢ旣󠄁すでにきけり 凡すべてこれを視みよ 汝なんぢら之これをのべつたへざるか われ今いまより新あたらなる事ことなんぢが未いまだしらざりし秘事ひめごとをなんぢに示しめさん 7 これらの事ことはいま創造󠄃さうざうせられしにて上古いにしへよりありしにあらず この日ひよりさきに汝なんぢこれを聞きかざりき 然しからずば汝なんぢいはん視みよわれこれを知しれりと 8 汝なんぢこれを聞きくこともなく知しることもなく なんぢの耳みゝはいにしへより開ひらけざりき 我われなんぢが欺あざむきあざむきて生うまれながら悖逆󠄃者そむくものととなへられしを知しればなり 9 わが名なのゆゑによりて我われいかりを遲󠄃おそくせん わが頌󠄃美ほまれのゆゑにより我われしのびてなんぢを絕滅たちほろぼすことをせじ 10 視みよわれなんぢを煉ねりたり されど白銀しろかねの如ごとくせずして患難なやみの爐ろをもてこころみたり〘955㌻〙 11 われ己おのれのため我われおのれの爲ためにこれを成󠄃なさん われ何いかでわが名なをけがさしむべき 我われわが榮光えいくわうをほかの者ものにあたふることをせじ

12 ヤコブよわが召めしたるイスラエルよ われにきけ われは是これなり われは始はじめまた終󠄃をはりなり 13 わが手ては地ちのもとゐを置すゑわが右みぎの手ては天てんをのべたり 我われよべば彼等かれらはもろともに立たつなり 14 汝なんぢら皆みなあつまりてきけ ヱホバの愛あいするものヱホバの好このみたまふ所󠄃ところをバビロンに成󠄃なし その腎かひなはカルデヤ人びとのうへにのぞまん 彼等かれらのうち誰たれかこれらの事ことをのべつげしや 15 ただ我われのみ我われかたれり 我われかれをめし我われかれをきたらせたり その道󠄃みちさかゆべし 16 なんぢら我われにちかよりて之これをきけ 我われはじめより之これをひそかに語かたりしにあらず その成󠄃なりしときより我われはかしこに在あり いま主しゆヱホバわれとその靈みたまとをつかはしたまへり
 1244㌻ 

17 なんぢの贖主あがなひぬしイスラエルの聖󠄃者せいしやヱホバかく言給いひたまはく われはなんぢの神かみヱホバなり 我われなんぢに益えきすることを敎をしへ なんぢを導󠄃みちびきてそのゆくべき道󠄃みちにゆかしむ 18 願ねがはくはなんぢわが命令いましめにききしたがはんことを もし然しからばなんぢの平󠄃安やすきは河かはのごとく 汝なんぢの義ぎはうみの波なみのごとく 19 なんぢの裔すゑはすなのごとく 汝なんぢの體たいよりいづる者ものは細沙いさごのごとくになりて その名なはわがまへより絕たゝるることなく亡ほろぼさるることなからん

20 なんぢらバビロンより出いでてカルデヤ人びとよりのがれよ なんらぢ歡よろこびの聲こゑをもてのべきかせ地ちのはてにいたるまで語かたりつたへ ヱホバはその僕しもべヤコブをあがなひ給たまへりといへ 21 ヱホバかれらをして沙漠さばくをゆかしめ給たまへるとき彼等かれらはかわきたることなかりき ヱホバ彼等かれらのために磐いはより水みづをながれしめ また磐いはをさきたまへば水みづほどばしりいでたり 22 ヱホバいひたまはく惡あしきものには平󠄃安やすきあることなし

第49章

1 もろもろの島しまよ我われにきけ 遠󠄄とほきところのもろもろの民たみよ耳みゝをかたむけよ 我われうまれいづるよりヱホバ我われを召めし われ母はゝの胎たいをいづるよりヱホバわが名なをかたりつげたまへり 2 ヱホバわが口くちを利劍ときつるぎとなし我われをその手てのかげにかくし 我われをとぎすましたる矢やとなして箙󠄃えびらにをさめ給たまへり 3 また我われにいひ給たまはく 汝なんぢはわが僕しもべなり わが榮光えいくわうのあらはるべきイスラエルなりと 4 されど我われいへり われは徒然いたづらにはたらき益えきなくむなしく力ちからをつひやしぬと 然しかはあれど誠󠄃まことにわが審判󠄄さばきはヱホバにあり わが報むくいはわが神かみにあり〘956㌻〙
 1245㌻ 

5 ヤコブをふたゝび己おのれにかへらしめイスラエルを己おのれのもとにあつまらせんとて 我われをうまれいでしより立たてておのれの僕しもべとなし給たまへるヱホバいひ給たまふ(我われはヱホバの前󠄃まへにたふとくせらる 又󠄂またわが神かみはわが力ちからとなりたまへり) 6 その聖󠄃言みことばにいはく なんぢわが僕しもべとなりてヤコブのもろもろの支󠄂派󠄄わかれをおこし イスラエルのうちののこりて全󠄃まつたうせしものを歸かへらしむることはいと輕かろし 我われまた汝なんぢをたてて異邦󠄆人ことくにびとの光ひかりとなし 我わがすくひを地ちのはてにまで到いたらしむ 7 ヱホバ、イスラエルの贖主あがなひぬしイスラエルの聖󠄃者せいしやは人ひとにあなどらるるもの 民たみにいみきらはるるもの 長をさたちに役えきせらるる者ものにむかひて如此かくいひたまふ もろもろの王わうは見みてたちもろもろの君きみはみて拜はいすべし これ信實まことあるヱホバ、イスラエルの聖󠄃者せいしやなんぢを選󠄄えらびたまへるが故ゆゑなり

8 ヱホバ如此かくいひたまふ われ惠めぐみのときに汝なんぢにこたへ救すくひの日ひになんぢを助たすけたり われ汝なんぢをまもりて民たみの契󠄅約けいやくとし國くにをおこし荒あれすたれたる地ちをまた產業さんげふとしてかれらにつがしめん 9 われ縛󠄃いましめられたる者ものにいでよといひ暗󠄃くらきにをるものに顯あらはれよといはん かれら途󠄃みちすがら食󠄃くらふことをなし もろもろの禿かぶろなる山やまにも牧草まきくさをうべし 10 かれらは饑󠄃うゑずかわかず 又󠄂またやけたる砂すなもあつき日ひもうつことなし 彼等かれらをあはれむもの之これをみちびきて泉いづみのほとりに和やわらかにみちびき給たまふべければなり 11 我われわがもろもろの山やまを路みちとし わが大路おほぢをたかくせん 12 視みよ人々ひと〴〵あるひは遠󠄄とほきよりきたり あるひは北きたまた西にしよりきたらん 或あるいはまたシニムの地ちよりきたるべし 13 天てんようたへ地ちよよろこべ もろもろの山やまよ聲こゑをはなちてうたへ ヱホバはその民たみをなぐさめその苦くるしむものを憐あはれみたまへばなり

14 然されどシオンはいへりヱホバ我われをすて主しゆわれをわすれたまへりと 15 婦󠄃をんなその乳󠄃兒ちのみごをわすれて己おのがはらの子こをあはれまざることあらんや 縱たとひかれら忘󠄃わするることありとも我われはなんぢを忘󠄃わするることなし 16 われ掌たなごころになんぢを彫󠄃刻󠄂ゑりきざめり なんぢの石垣いしがきはつねにわが前󠄃まへにあり
 1246㌻ 
17 なんぢの子輩こらはいそぎ來きたり なんぢを毀こぼつもの汝なんぢをあらす者ものは汝なんぢより出いでさらん 18 なんぢ目めをあげて環󠄃視みまはせよ これらのもの皆みなあひあつまりて汝なんぢがもとに來きたるべし ヱホバ宣給のたまく われは活いくなんぢ此等これらをみな身みによそほひて飾󠄃かざりとなし 新婦󠄃にひつまの帶おびのごとくに之これをまとふべし 19 なんぢの荒あれかつ廢すたれたるところ毀こぼたれたる地ちは こののち住󠄃すまふもの多おほくして狹せまきをおぼえん なんぢを呑のみつくししもの遙はるかにはなれ去さるべし 20 むかし別わかれたりしなんぢの子輩こらはのちの日ひなんぢの耳みゝのあたりにて語かたりあはん云いはく ここは我われがために狹せばし なんぢ外ほかにゆきて我われにすむべき所󠄃ところをえしめよと〘957㌻〙 21 その時ときなんぢ心裏こころのうちにいはん 誰たれかわがために此等これらのものを生うみしや われ子こをうしなひて獨ひとり居をりかつ俘とらはれ且かつさすらひたり 誰たれかこれを育そだてしや 視みよわれ一人ひとりのこされたり 此等これらはいづこに居をりしや

22 主しゆヱホバいひたまはく 視みよわれ手てをもろもろの國くににむかひてあげ 旗はたをもろもろの民たみにむかひてたてん 斯かくてかれらはその懷中ふところになんぢの子輩こらをたづさへ その肩󠄃かたになんぢの女輩むすめらをのせきたらん 23 もろもろの王わうはなんぢの養󠄄父󠄃やしなひおやとなり その后妃きさきたちはなんぢの乳󠄃母めのととなり かれらはその面かほを地ちにつけて汝なんぢにひれふし なんぢの足あしの塵ちりをなめん 而しかして汝なんぢわがヱホバなるをしり われを俟望󠄇まちのぞむものの恥はぢをかうぶることなきを知しるならん

24 勇󠄃士ますらをがうばひたる掠物えものをいかでとりかへし 强暴者あらちをがかすめたる虜とりこをいかで救すくひいだすことを得えんや 25 されどヱホバ如此かくいひたまふ云いはく ますらをが掠かすめたる虜とりこもとりかへされ 强暴者あらちをがうばひたる掠物えものもすくひいださるべし そは我われなんぢを攻せむるものをせめてなんぢの子輩こらをすくふべければなり 26 我われなんぢを虐󠄃しへたぐるものにその肉󠄁にくをくらはせ またその血ちをあたらしき酒さけのごとくにのませて醉ゑはしめん 而しかして萬民よろづのたみはわがヱホバにして汝なんぢをすくふ者ものなんぢを贖あがなふものヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやなることを知しるべし
 1247㌻ 

第50章

1 ヱホバかくいひ給たまふ わがなんぢらの母はゝをさりたる離書さりぶみはいづこにありや 我われいづれの債主さいしゆになんぢらを賣うりわたししや 視みよなんぢらはその不義ふぎのために賣うられ なんぢらの母はゝは汝なんぢらの咎戻󠄃とがのために去さられたり 2 わがきたりし時ときなにゆゑ一人ひとりもをらざりしや 我われよびしとき何故なにゆゑひとりも答こたふるものなかりしや わが手てみぢかくして贖あがなひえざるか われ救すくふべき力ちからなからんや 視みよわれ叱咤しつたすれば海うみはかれ河かははあれのとなりそのなかの魚うをは水みづなきによりかわき死しにて臭氣にほひをいだすなり 3 われ黑くろきころもを天てんにきせ麁󠄃布あらたへをもて蔽おほひとなす

4 主しゆヱホバは敎をしへをうけしものの舌したをわれにあたへ言ことばをもて疲つかれたるものを扶たすけ支󠄂さゝふることを知しり得えしめたまふ また朝󠄃あさごとに醒さましわが耳みゝをさまして敎をしへをうけし者もののごとく聞きくことを得えしめたまふ 5 主しゆヱホバわが耳みゝをひらき給たまへり われは逆󠄃さからふことをせず退󠄃しりぞくことをせざりき 6 われを撻むちうつものにわが背せをまかせわが鬚ひげをぬくものにわが頬ほゝをまかせ 恥はぢと唾つばきとをさくるために面かほをおほふことをせざりき〘958㌻〙 7 主しゆヱホバわれを助たすけたまはん この故ゆゑにわれ恥はづることなかるべし 我われわが面かほを石いしの如ごとくして恥はぢしめらるることなきを知しる 8 われを義ぎとするもの近󠄃ちかきにあり たれか我われとあらそはんや われら相共あひともにたつべし わが仇あだはたれぞや近󠄃ちかづききたれ 9 主しゆヱホバわれを助たすけ給たまはん 誰たれかわれを罪つみせんや 視みよかれらはみな衣ころものごとくふるび蠧しみのためにくひつくされん

10 汝等なんぢらのうちヱホバをおそれその僕しもべの聲こゑをきくものは誰たれぞや 暗󠄃くらきをあゆみて光ひかりをえざるともヱホバの名みなをたのみおのれの神かみにたよれ 11 火ひをおこし火把ひのたばを帶おぶるものよ汝等なんぢらみなその火ひのほのほのなかをあゆめ 又󠄂またなんぢらの燃もやしたる火把ひのたばのなかをあゆめ なんぢら斯かくのごとき事ことをわが手てよりうけて悲かなしみのうちに臥ふすべし
 1248㌻ 

第51章

1 義ぎをおひ求もとめヱホバを尋󠄃たづねもとむるものよ我われにきけ なんぢらが斫出きりいだされたる磐いはとなんぢらの掘出ほりいだされたる穴󠄄あなとをおもひ見みよ 2 なんぢらの父󠄃ちゝアブラハム及およびなんぢらを生うみたるサラをおもひ見みよ われ彼かれをその唯たゞ一人ひとりなりしときに召めしこれを祝しゆくしてその子孫ひと〴〵をまし加くはへたり 3 そはヱホバ、シオンを慰なぐさめ またその凡すべてあれたる所󠄃ところをなぐさめて その荒野あれのをエデンのごとくその沙漠さばくをヱホバの園そののごとくなしたまへり 斯かくてその中なかによろこびと歡樂たのしみとあり感謝󠄃かんしやとうたうたふ聲こゑとありてきこゆ

4 わが民たみよわが言ことばにこころをとめよ わが國人くにびとよわれに耳みゝをかたぶけよ 律法おきてはわれより出いづ われわが途󠄃みちをかたく定さだめてもろもろの民たみの光ひかりとなさん 5 わが義ぎはちかづきわが救すくひはすでに出いでたり わが臂かひなはもろもろの民たみをさばかん もろもろの島しまはわれを俟望󠄇まちのぞみ わがかひなに依賴よりたのまん 6 なんぢら目めをあげて天てんを觀みまた下したなる地ちをみよ 天てんは煙󠄃けぶりのごとくきえ地ちは衣ころものごとくふるびその中なかにすむ者ものこれとひとしく死しなん されどわが救すくひはとこしへにながらへ わが義ぎはくだくることなし

7 義ぎをしるものよ心こゝろのうちにわが律法おきてをたもつ民たみよ われにきけ 人ひとのそしりをおそるるなかれ人ひとのののしりに慴をののくなかれ 8 そはかれら衣ころものごとく蠧しみにはまれ羊ひつじの毛けのごとく蟲むしにはまれん されどわが義ぎはとこしへに存ながらへ わがすくひ萬代よろづよにおよぶべし

9 さめよ醒さめよヱホバの臂かひなよちからを着きよ さめて古いにしへの時ときむかしの代よにありし如ごとくなれ ラハブをきりころし鱷わにをさしつらぬきたるは汝なんぢにあらずや
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10 海うみをかわかし大おほいなる淵ふちの水みづをかわかし また海うみのふかきところを贖あがなはれたる人ひとのすぐべき路みちとなししは汝なんぢにあらずや〘959㌻〙 11 ヱホバに贖あがなひすくはれしもの歌うたうたひつつ歸かへりてシオンにきたり その首かうべにとこしへの歡喜よろこびをいただきて快樂たのしみとよろこびとをえん 而しかしてかなしみと歎息なげきとはにげさるべし

12 我われこそ我われなんぢらを慰なぐさむれ 汝なんぢいかなる者ものなれば死しぬべき人ひとをおそれ草くさの如ごとくなるべき人ひとの子こをおそるるか 13 いかなれば天てんをのべ地ちの基もとゐをすゑ汝なんぢをつくりたまへるヱホバを忘󠄃わすれしや 何いかなれば汝なんぢをほろぼさんとて豫備そなへする虐󠄃しへたぐるものの憤いきどほれるをみて常つねにひねもす懼おそるるか 虐󠄃しへたぐるものの忿恚いきどほりはいづこにありや 14 身みをかがめゐる俘囚とらはれびとはすみやかに解とかれて 死しぬることなく穴󠄄あなにくだることなく その食󠄃かてはつくること無なかるべし 15 我われは海うみをふるはせ波なみをなりどよめかする汝なんぢの神かみヱホバなり その御名みなを萬軍ばんぐんのヱホバといふ 16 我われわが言ことばをなんぢの口くちにおきわが手てのかげにて汝なんぢをおほへり かくてわれ天てんをうゑ地ちの基もとゐをすゑ シオンにむかひて汝なんぢはわが民たみなりといはん

17 ヱルサレムよさめよさめよ起󠄃おきよ なんぢ前󠄃まへにヱホバの手てよりその忿恚いきどほりのさかづきをうけて飮のみ よろめかす大杯おほさかづきをのみ且かつすひほしたり 18 なんぢの生うめるもろもろの子このなかに汝なんぢをみちびく者ものなく 汝なんぢのそだてたるもろもろの子この中なかにてなんぢの手てをたづさふる者ものなし 19 この二ふたつのこと汝なんぢにのぞめり誰たれかなんぢのために歎なげかんや 荒廢あれすたれの饑󠄃饉ききんほろびの劍つるぎなんぢに及およべり我われいかにして汝なんぢをなぐさめんや 20 なんぢの子こらは息いきたえだえにして網󠄄あみにかかれる羚羊かもしかのごとくし街衢ちまた〳〵の口くちにふす ヱホバの忿恚いきどほりとなんぢの神かみのせめとはかれらに滿みちたり

21 このゆゑに苦くるしめるもの酒さけにあらで醉ゑひたるものよ之これをきけ 22 なんぢの主しゆヱホバおのが民たみの訟󠄃うたへをあげつらひ給たまふ なんぢの神かみかくいひ給たまふ 我われよろめかす酒杯さかづきをなんぢの手てより取除とりのぞき わがいきどほりの大杯おほさかづきをとりのぞきたり 汝なんぢふたゝびこれを飮のむことあらじ
 1250㌻ 
23 我われこれを汝なんぢをなやますものの手てにわたさん 彼かれらは曩さきになんぢの靈魂たましひにむかひて云いへらく なんぢ伏ふせよわれら越こえゆかんと 而しかしてなんぢその背せを地つちのごとくし衢ちまたのごとくし彼等かれらのこえゆくに任まかせたり

第52章

1 シオンよ醒さめよさめよ汝なんぢの力ちからを衣きよ 聖󠄃都きよきみやこヱルサレムよなんぢの美うるはしき衣ころもをつけよ 今いまより割󠄅禮かつれいをうけざる者ものおよび潔󠄄きよからざるものふたゝび汝なんぢにいること無なかるべければなり 2 なんぢ身みの塵ちりをふりおとせ ヱルサレムよ起󠄃おきよすわれ 俘とらはれたるシオンのむすめよ汝なんぢがうなじの繩󠄂なはをときすてよ〘960㌻〙

3 そはヱホバかく言いひ給たまふ なんぢらは價あたひなくして賣うられたり 金かねなくして贖あがなはるべし 4 主しゆヱホバ如此かくいひ給たまふ 曩さきにわが民たみエジプトにくだりゆきて彼處かしこにとゞまれり アツスリヤ人びとゆゑなくして彼等かれらをしへたげたり 5 ヱホバ宣給のたまはく わが民たみはゆゑなくして俘とらはれたり されば我われここに何なにをなさん ヱホバのたまはく 彼等かれらをつかさどる者ものさけびよばはり わが名なはつねに終󠄃日ひねもすけがさるるなり 6 この故ゆゑにわが民たみはわが名なをしらん このゆゑにその日ひには彼かれらこの言ことばをかたるものの我われなるをしらん 我われここに在あり

7 よろこびの音󠄃信おとづれをつたへ平󠄃和おだやかをつげ 善よきおとづれをつたへ救すくひをつげ シオンに向むかひてなんぢの神かみはすべ治をさめたまふといふものの足あしは山上やまのうへにありていかに美うるはしきかな 8 なんぢが斥候ものみの聲こゑきこゆ かれらはヱホバのシオンに歸かへり給たまふを目めと目めとあひあはせて視みるが故ゆゑにみな聲こゑをあげてもろともにうたへり 9 ヱルサレムの荒廢あれすたれたるところよ聲こゑをはなちて共ともにうたふべし ヱホバその民たみをなぐさめヱルサレムを贖あがなひたまひたればなり 10 ヱホバそのきよき手みてをもろもろの國人くにびとの目めのまへにあらはしたまへり 地ちのもろもろの極はてまでもわれらの神かみのすくひを見みん
 1251㌻ 

11 なんぢら去されよされよ 彼處かしこをいでて汚けがれたるものに觸ふるるなかれ その中なかをいでよ ヱホバの器うつはをになふ者ものよ なんぢら潔󠄄きよくあれ 12 なんぢら急󠄃いそぎいづるにあらず趨はしりゆくにあらず ヱホバはなんぢらの前󠄃まへにゆきイスラエルの神かみはなんぢらの軍後しんがりとなり給たまふべければなり

13 視みよわがしもべ智慧󠄄ちゑをもておこなはん 上あがりのぼりて甚はなはだたかくならん 14 曩さきにはおほくの人ひとかれを見みておどろきたり(その面貌おもつらはそこなはれて人ひとと異ことなりその形容かたちはおとろへて人ひとの子ことことなれり) 15 後のちには彼かれおほく國民くにびとにそそがん 王わうたち彼かれによりて口くちを緘つぐまん そはかれら未いまだつたへられざることを見みいまだ聞きかざることを悟さとるべければなり

第53章

1 われらが宣のぶるところを信しんぜしものは誰たれぞや ヱホバの手てはたれにあらはれしや 2 かれは主しゆのまへに芽めばえのごとく 燥かわきたる土つちよりいづる樹株こかぶのごとくそだちたり われらが見みるべきうるはしき容すがたなく うつくしき貌かたちはなく われらがしたふべき艶色みばえなし 3 かれは侮あなどられて人ひとにすてられ 悲哀かなしみの人ひとにして病患なやみをしれり また面かほをおほひて避󠄃さくることをせらるる者もののごとく侮あなどられたり われらも彼かれをたふとまざりき〘961㌻〙

4 まことに彼かれはわれらの病患なやみをおひ我儕われらのかなしみを擔になへり 然しかるにわれら思おもへらく彼かれはせめられ神かみにうたれ苦くるしめらるるなりと 5 彼かれはわれらの愆とがのために傷きずつけられ われらの不義ふぎのために碎くだかれ みづから懲罰こらしめをうけてわれらに平󠄃安やすきをあたふ そのうたれし痍きずによりてわれらは癒󠄄いやされたり
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6 われらはみな羊ひつじのごとく迷󠄃まよひておのおの己おのが道󠄃みちにむかひゆけり 然しかるにヱホバはわれら凡すべてのものの不義ふぎをかれのうへに置おきたまへり

7 彼かれはくるしめらるれどもみづから謙󠄃へりくだりて口くちをひらかず 屠󠄃場ほふりばにひかるる羔羊こひつじの如ごとく毛けをきる者もののまへにもだす羊ひつじの如ごとくしてその口くちをひらかざりき 8 かれは虐󠄃待しへたげと審判󠄄さばきとによりて取去とりさられたり その代よの人ひとのうち誰たれか彼かれが活いけるものの地ちより絕たゝれしことを思おもひたりしや 彼かれはわが民たみのとがの爲ためにうたれしなり 9 その墓はかはあしき者ものとともに設まうけられたれど 死しぬるときは富とめるものとともになれり かれは暴あらびをおこなはずその口くちには虛僞いつはりなかりき

10 されどヱホバはかれを碎くだくことをよろこびて之これをなやましたまへり 斯かくてかれの靈魂たましひとがの献物そなへものをなすにいたらば彼かれその末すゑをみるを得えその日ひは永ながからん かつヱホバの悅よろこび給たまふことは彼かれの手てによりて榮さかゆべし 11 かれは己おのがたましひの煩勞いたづきをみて心こゝろたらはん わが義たゞしき僕しもべはその知識ちしきによりておほくの人ひとを義ぎとし又󠄂またかれらの不義ふぎをおはん 12 このゆゑに我われかれをして大おほいなるものとともに物ものをわかち取とらしめん かれは强つよきものとともに掠物えものをわかちとるべし 彼かれはおのが靈魂たましひをかたぶけて死しにいたらしめ愆とがあるものとともに數󠄄かぞへられたればなり 彼かれはおほくの人ひとの罪つみをおひ愆とがあるものの爲ためにとりなしをなせり

第54章

1 なんぢ孕はらまず子こをうまざるものよ歌うたうたふべし 產うみのくるしみなきものよ聲こゑをはなちて謳うたひよばはれ 夫をつとなきものの子こはとつげるものの子こよりおほしと 此こはヱホバの聖󠄃言みことばなり 2 汝なんぢが幕屋まくやのうちを廣ひろくし なんぢが住󠄃居すまひのまくをはりひろげて吝をしむなかれ 汝なんぢの綱つなをながくしなんぢの杙くひをかたくせよ 3 そはなんぢが右みぎに左ひだりにひろごり なんぢの裔すゑはもろもろの國くにをえ 荒廢あれすたれれたる邑まちをもすむべき所󠄃ところとなさしむべし
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4 懼おそるるなかれなんぢ恥はづることなからん 惶あわてふためくことなかれ汝なんぢはぢしめらるることなからん 若わかきときの恥はぢをわすれ寡婦󠄃やもめたりしときの恥辱はづかしめをふたゝび覺おぼゆることなからん〘962㌻〙 5 なんぢを造󠄃つくり給たまへる者ものはなんぢの夫をつとなり その名なは萬軍ばんぐんのヱホバ なんぢを贖あがなひ給たまふものはイスラエルの聖󠄃者せいしやなり 全󠄃世界ぜんせかいの神かみととなへられ給たまふべし 6 ヱホバ汝なんぢをまねきたまふ 棄すてられて心こゝろうれふる妻つままた若わかきとき嫁とつぎてさられたる妻つまをまねくがごとしと 此こはなんぢの神かみのみことばなり 7 我われしばし汝なんぢをすてたれど大おほいなる憐憫あはれみをもて汝なんぢをあつめん 8 わが忿恚いきどほりあふれて暫しばらくわが面かほをなんぢに隱かくしたれど 永遠󠄄とこしへのめぐみをもて汝なんぢをあはれまんと 此こはなんぢをあがなひ給たまふヱホバの聖󠄃言みことばなり

9 このこと我われにはノアの洪水こうずゐのときのごとし 我われむかしノアの洪水こうずゐをふたゝび地ちにあふれ流ながるることなからしめんと誓ちかひしが そのごとく我われふたゝび汝なんぢをいきどほらず 再ふたゝびなんぢを責せめじとちかひたり 10 山やまはうつり岡をかはうごくとも わが仁慈いつくしみはなんぢよりうつらず 平󠄃安やすきをあたふるわが契󠄅約けいやくはうごくことなからんと 此こはなんぢを憐あはれみたまふヱホバのみことばなり

11 なんぢ苦くるしみをうけ暴風はやちにひるがへされ 安慰なぐさめをえざるものよ 我われうるはしき彩󠄃色いろどりをなしてなんぢの石いしをすゑ 靑あをき玉たまをもてなんぢの基もとゐをおき 12 くれなゐの玉たまをもてなんぢの櫓やぐらをつくり むらさきの玉たまをもてなんぢの門もんをつくり なんぢの境內さかひのうちはあまねく寳石はうせきにてつくるべし 13 又󠄂またなんぢの子輩こらはみなヱホバに敎をしへをうけ なんぢの子輩こらのやすきは大おほいならん 14 なんぢ義ぎをもて堅かたくたち 虐󠄃待しへたげよりとほざかりて慴をづることなく また恐懼おそれよりとほざかるべし そは恐懼おそれなんぢに近󠄃ちかづくことなければなり 15 縱たとひかれら群集むれつどふとも我われによるにあらず 凡すべてむれつどひて汝なんぢをせむる者ものはなんぢの故ゆゑにたふるべし
 1254㌻ 
16 みよ炭󠄃火すみびをふきおこして用もちゐべき器うつはをいだす鐵工かなだくみはわが創造󠄃さうざうするところ 又󠄂またあらし滅ほろぼす者ものもわが創造󠄃さうざうするところなり 17 すべてなんぢを攻せめんとてつくられしうつはものは利りあることなし 興起󠄃おこりたちてなんぢとあらそひ訴うたふる舌したはなんぢに罪つみせらるべし これヱホバの僕等しもべらのうくる產業さんげふなり 是これかれらが我われよりうくる義ぎなりとヱホバのたまへり

第55章

1 噫あゝなんぢら渇かわける者ものことごとく水みづにきたれ 金かねなき者ものもきたるべし 汝等なんぢらきたりてかひ求もとめてくらへ きたれ金かねなく價あたひなくして葡萄酒ぶだうしゆと乳󠄃ちゝとをかへ 2 なにゆゑ糧かてにもあらぬ者もののために金かねをいだし 飽󠄄あくことを得えざるもののために勞らうするや われに聽從ききしたがへ さらばなんぢら美物よきものをくらふをえ脂あぶらをもてその靈魂たましひをたのしまするを得えん 3 耳みゝをかたぶけ我われにきたりてきけ 汝等なんぢらのたましひは活いくべし われ亦またなんぢらととこしへの契󠄅約けいやくをなしてダビデに約やくせし變かはらざる惠めぐみをあたへん〘963㌻〙 4 視みよわれ彼かれをたててもろもろの民たみの證あかしとし又󠄂またもろもろの民たみの君きみとなし命令めいれいする者ものとなせり 5 なんぢは知しらざる國民くにびとをまねかん 汝なんぢをしらざる國民くにびとはなんぢのもとに走はしりきたらん 此こはなんぢの神かみヱホバ、イスラエルの聖󠄃者せいしやのゆゑによりてなり ヱホバなんぢを尊󠄅たふとくしたまへり

6 なんぢら遇󠄃あふことをうる間まにヱホバを尋󠄃たづねよ 近󠄃ちかくゐたまふ間まによびもとめよ 7 惡あしきものはその途󠄃みちをすて よこしまなる人ひとはその思念おもひをすててヱホバに反かへれ さらば憐憫あはれみをほどこしたまはん 我等われらの神かみにかへれ豐ゆたかに赦ゆるしをあたへ給たまはん 8 ヱホバ宣給のたまはくわが思おもひはなんぢらの思おもひとことなり わが道󠄃みちはなんぢらのみちと異ことなれり 9 天てんの地ちよりたかきがごとく わが道󠄃みちはなんぢらの道󠄃みちよりも高たかく わが思おもひはなんぢらの思おもひよりもたかし 10 天てんより雨あめくだり雪󠄃ゆきおちて復またかへらず 地ちをうるほして物ものをはえしめ 萌めをいださしめて播まくものに種たねをあたへ 食󠄃くらふものに糧かてをあたふ
 1255㌻ 
11 如此かくわが口くちよりいづる言ことばもむなしくは我われにかへらず わが喜よろこぶところを成󠄃なし わが命めいじ遣󠄃おくりし事ことをはたさん 12 なんぢらは喜よろこびて出いできたり平󠄃穩おだやかにみちびかれゆくべし山やまと岡をかとは聲こゑをはなちて前󠄃みまへにうたひ野のにある樹きはみな手てをうたん 13 松󠄃樹まつのきはいばらにかはりてはえ岡拈樹もちのきは棘おどろにかはりてはゆべし 此こはヱホバの頌󠄃美ほまれとなり並またとこしへの徴しるしとなりて絕たゆることなからん

第56章

1 ヱホバ如此かくいひ給たまふ なんぢら公󠄃平󠄃こうへいをまもり正義せいぎをおこなふべし わが救すくひのきたるはちかく わが義ぎのあらはるるは近󠄃ちかければなり 2 安息日あんそくにちをまもりて汚けがさず その手てをおさへて惡あしきことをなさず 斯かくおこなふ人ひとかく堅かたくまもる人ひとの子こはさいはひなり 3 ヱホバにつらなれる異邦󠄆人ことくにびとはいふなかれ ヱホバ必かならず我われをその民たみより分󠄃わかち給たまはんと 寺人じじんもまたいふなかれ われは枯かれたる樹きなりと 4 ヱホバ如此かくいひたまふ わが安息日あんそくにちをまもり わが悅よろこぶことをえらみて我わが契󠄅約けいやくを堅かたくまもる寺人じじんには 5 我われわが家いへのうちにてわが垣かきのうちにて子むすこにも女むすめにもまさる記念きねんのしるしと名なとをあたへ 並またとこしへの名なをたまふて絕たゆることなからしめん

6 またヱホバにつらなりこれに事つかへ ヱホバの名なを愛あいしその僕しもべとなり 安息日あんそくにちをまもりて汚けがすことなく凡すべてわが契󠄅約けいやくをかたくまもる異邦󠄆人ことくにびとは 7 我われこれをわが聖󠄃山きよきやまにきたらせ わが祈いのりの家いへのうちにて樂たのしましめん かれらの燔祭はんさいと犧牲いけにへとはわが祭壇さいだんのうへに納󠄃をさめらるべし わが家いへはすべての民たみのいのりの家いへととなへらるべければなり〘964㌻〙 8 イスラエルの放逐󠄃おひやられたるものを集あつめたまふ主しゆヱホバのたまはく 我われさらに人ひとをあつめて旣󠄁すでにあつめられたる者ものにくはへん
 1256㌻ 

9 野獸ののけものよみなきたりてくらへ 林はやしにをるけものよ皆みなきたりてくらへ 10 斥候ものみはみな瞽者めしひにしてしることなし みな啞おふしなる犬いぬにして吠ほゆることあたはず みな夢ゆめみるもの臥ふしゐるもの眠ねむることをこのむ者ものなり 11 この犬いぬはむさぼること甚はなはだしくして飽󠄄あくことをしらず かれらは悟さとることを得えざる牧者ぼくしやにして皆みなおのが道󠄃みちにむかひゆき 何いづれにをる者ものもおのおの己おのれの利りをおもふ 12 かれら互たがひにいふ請󠄃いでわれ酒さけをたづさへきたらん われら濃酒こきさけにのみあかん かくて明日あすもなほ今日けふのごとく大おほいにみち足たらはせんと

第57章

1 義者ただしきものほろぶれども心こゝろにとむる人ひとなく 愛いつくしみ深ふかき人々ひと〴〵とりさらるれども義ただしきものの禍害󠄅わざはひのまへより取去とりさらるるなるを悟さとるものなし 2 かれは平󠄃安やすきにいり 直なほきをおこなふ者ものはその寐床ふしどにやすめり

3 なんぢら巫女みこの子こ 淫人たはれびとまた妓女うかれめの裔すゑよ 近󠄃ちかづききたれ 4 なんぢら誰たれにむかひて戯たはぶれをなすや 誰たれにむかひて口くちをひらき舌したをのばすや なんぢらは悖逆󠄃そむきの子輩こらいつはりの黨類ともがらにあらずや 5 なんぢらは橿樹かしのきのあひだ緑みどりなる木々きぎのしたに心こゝろをこがし 谷たにのなか岩いはの狹間はざまに子こをころせり 6 なんぢは谷たにのなかの滑なめらかなる石いしをうくべき嗣業ゆづりとし これをなんぢが所󠄃有󠄃もちものとす なんぢ亦またこれに灌祭くわんさいをなし之これにそなへものを献さゝげたり われ之これによりていかで心こゝろをなだむべしや 7 なんぢは高たかくそびえたる山やまの上うへになんぢの床とこをまうけ かつ其處そこにのぼりゆきて犧牲いけにへをささげたり 8 また戶とおよび柱󠄃はしらのうしろに汝なんぢの記念きねんをおけり なんぢ我われをはなれて他人あだしびとに身みをあらはし 登のぼりゆきてその床とこをひろくし かれらと誓ちかひをなし 又󠄂またかれらの床とこを愛あいし これがためにその所󠄃ところをえらびたり 9 なんぢ香膏にほひあぶらとおほくの薰物かをりものとをたづさへて王わうにゆき 又󠄂またなんぢの使󠄃者つかひをとほきにつかはし陰府よみにまで己おのれをひくくせり
 1257㌻ 
10 なんぢ途󠄃みちのながきに疲つかれたれどなほ望󠄇のぞみなしといはず なんぢ力ちからをいきかへされしによりて衰󠄄弱󠄃おとろへざりき

11 なんぢ誰たれをおそれ誰たれのゆゑに慴をののきていつはりをいひ 我われをおもはず亦またそのことを心こゝろにおかざりしや われ久ひさしく默もだしたれど汝なんぢかへりて我われをおそれざりしにあらずや 12 我われなんぢの義ぎをつげしめさん なんぢの作わざはなんぢに益えきせじ〘965㌻〙 13 なんぢ呼よばはるときその集あつめおきたるもの汝なんぢをすくへ 風かぜはかれらを悉こと〴〵くあげさり 息いきはかれらを吹ふきさらん 然されどわれに依賴よりたのむものは地ちをつぎわが聖󠄃山きよきやまをうべし

14 また人ひといはん 土つちをもり土つちをもりて途󠄃みちをそなへよ わが民たみのみちより躓礙つまづくものをとりされと 15 至高いとたかく至上いとうへなる永遠󠄄とこしへにすめるもの聖󠄃者せいしやとなづくるもの如此かくいひ給たまふ 我われはたかき所󠄃ところきよき所󠄃ところにすみ 亦またこころ碎くだけてへりくだる者ものとともにすみ 謙󠄃へりくだるものの靈れいをいかし碎くだけたるものの心こゝろをいかす 16 われ限かぎりなくは爭あらそはじ我われたえずは怒いからじ 然しからずば人ひとのこころ我わがまへにおとろへん わが造󠄃つくりたる靈れいはみな然しからん 17 彼かれのむさぼりの罪つみにより我われいかりて之これをうちまた面かほをおほひて怒いかりたり 然しかるになほ悖もとりて己おのがこころの途󠄃みちにゆけり 18 されど我われその途󠄃みちをみたり 我われかれを愈󠄃いやすべし 又󠄂またかれを導󠄃みちびきてふたゝび安慰なぐさめをかれとその中なかのかなしめる者ものとにかへすべし 19 我われくちびるの果みをつくれり 遠󠄄とほきものにも近󠄃ちかきものにも平󠄃安やすきあれ平󠄃安やすきあれ 我われかれをいやさん 此こはヱホバのみことばなり 20 然しかはあれど惡者あしきものはなみだつ海うみのごとし 靜しづかなること能あたはずしてその水みづつねに濁にごりと泥ひぢとをいだせり 21 わが神かみいひたまはく惡あしきものには平󠄃安やすきあることなしと
 1258㌻ 

第58章

1 大おほいによばはりて聲こゑををしむなかれ 汝なんぢのこゑをラッパのごとくあげ わが民たみにその愆とがをつげヤコブの家いへにその罪つみをつげしめせ 2 かれらは日々ひびわれを尋󠄃求たづねもとめわが途󠄃みちをしらんことをこのむ 義ぎをおこなひ神かみの法のりをすてざる國くにのごとく義たゞしき法のりをわれにもとめ神かみと相近󠄃あひちかづくことをこのめり 3 かれらはいふ われら斷食󠄃だんじきするになんぢ見みたまはず われら心こゝろをくるしむるになんぢ知しりたまはざるは何なんぞやと 視みよなんぢらの斷食󠄃だんじきの日ひにはおのがこのむ作わざをなし その工人はたらきびとをことごとく惱なやめつかふ 4 視みよなんぢら斷食󠄃だんじきするときは相あひあらそひ相あひきそひ惡あくの拳󠄃こぶしをもて人ひとをうつ なんぢらの今いまのだんじきはその聲こゑをうへに聞きこえしめんとにあらざるなり 5 斯かくのごとき斷食󠄃だんじきはわが悅よろこぶところのものならんや かくのごときは人ひとその靈魂たましひをなやますの日ひならんや その首かうべを葦よしのごとくにふし麁󠄃服󠄃あらたへと灰󠄃はひとをその下したにしくをもて斷食󠄃だんじきの日ひまたヱホバに納󠄃いれらるる日ひととなふべけんや 6 わが悅よろこぶところの斷食󠄃だんじきはあくの繩󠄂なはをほどき 軛くびきのつなをとき虐󠄃しへたげらるるものを放はなちさらしめ すべての軛くびきををるなどの事ことにあらずや 7 また饑󠄃うゑたる者ものになんぢのパンを分󠄃わかちあたへ さすらへる貧󠄃民まづしきものをなんぢの家いへにいれ裸はだかなるものを見みてこれに衣きせ おのが骨肉󠄁こつにくに身みをかくさざるなどの事ことにあらずや〘966㌻〙 8 しかる時ときはなんぢのひかり曉あかつきの如ごとくにあらはれいで 汝なんぢすみやかに愈󠄃いやさるることを得え なんぢの義ぎはなんぢの前󠄃まへにゆき ヱホバの榮光えいくわうはなんぢの軍後しんがりとなるべし 9 また汝なんぢよぶときはヱホバ答こたへたまはん なんぢ叫さけぶときは我われここに在ありといひ給たまはん  もし汝なんぢのなかより軛くびきをのぞき指點ゆびさしをのぞき惡あしきことをかたるを除のぞき

10 なんぢの靈魂たましひの欲ほつするものをも饑󠄃うゑたる者ものにほどこし 苦くるしむものの心こゝろを滿足みちたらしめば なんぢの光ひかりくらきにてりいで なんぢの闇やみは晝ひるのごとくならん 11 ヱホバは常つねになんぢをみちびき 乾かわけるところにても汝なんぢのこころを滿足みちたらしめ なんぢの骨ほねをかたうし給たまはん なんぢは潤うるほひたる園そののごとく水みづのたえざる泉いづみのごとくなるべし
 1259㌻ 
12 汝なんぢよりいづる者ものはひさしく荒廢あれすたれたる所󠄃ところをおこし なんぢは累代よゝやぶれたる基もとゐをたてん 人ひとなんぢをよびて破𨻶やぶれをおぎなふ者ものといひ 市街ちまたをつくろひてすむべき所󠄃ところとなす者ものといふべし

13 もし安息日あんそくにちになんぢの步行あゆみをとどめ 我わが聖󠄃日せいじつになんぢの好このむわざをおこなはず 安息日あんそくにちをとなへて樂日たのしみのひとなし ヱホバの聖󠄃日せいじつをとなへて尊󠄅たふとむべき日ひとなし 之これをたふとみて己おのが道󠄃みちをおこなはず おのが好このむわざをなさず おのが言ことばをかたらずば 14 その時ときなんぢヱホバを樂たのしむべし ヱホバなんぢを地ちのたかき處ところにのらしめ なんぢが先祖せんぞヤコブの產業さんげふをもて汝なんぢをやしなひ給たまはん こはヱホバ口みくちより語かたりたまへるなり

第59章

1 ヱホバの手みてはみぢかくして救すくひえざるにあらず その耳みゝはにぶくして聞きこえざるにあらず 2 惟たゞなんぢらの邪󠄅曲よこしまなる業わざなんぢらとなんぢらの神かみとの間あひだをへだてたり 又󠄂またなんぢらの罪つみその面みかほをおほひて聞きこえざらしめたり 3 そはなんぢらの手ては血ちにてけがれ なんぢらの指ゆびはよこしまにて汚けがれ なんぢらのくちびるは虛僞いつはりをかたり なんぢらの舌したは惡あくをささやき 4 その一人ひとりだに正義ただしきをもてうつたへ眞󠄃實まことをもて論あげつらふものなし 彼かれらは虛浮󠄃むなしきをたのみ虛僞いつはりをかたり 惡あしきくはだてをはらみ不義ふぎをうむ 5 かれらは蝮まむしの卵たまごをかへし蛛網󠄄くものすをおる その卵たまごをくらふものは死しぬるなり 卵たまごもし踐ふまるればやぶれて毒󠄂蛇どくじやをいだす 6 その織おるところは衣ころもになすあたはず その工わざをもて身みをおほふこと能あたはず かれらの工わざはよこしまの工わざなり かれらの手てには暴虐󠄃あらびのおこなひあり 7 かれらの足あしはあくにはしり罪つみなき血ちをながすに速󠄃はやし かれらの思念おもひはよこしまの思念おもひなり 殘害󠄅やぶれと滅亡ほろびとその路徑みちにのこれり 8 彼かれらは平󠄃穩おだやかなる道󠄃みちをしらず その過󠄃すぐるところに公󠄃平󠄃こうへいなく又󠄂またまがれる小徑こみちをつくる 凡すべてこれを踐ふむものは平󠄃穩おだやかをしらず〘967㌻〙
 1260㌻ 

9 このゆゑに公󠄃平󠄃こうへいはとほくわれらをはなれ正義せいぎはわれらに追󠄃及おひしかず われら光ひかりをのぞめど暗󠄃くらきをみ 光輝かがやきをのぞめど闇やみをゆく 10 われらは瞽者めしひのごとく牆かきをさぐりゆき目めなき者もののごとく模さぐりゆき正午ひるにても日暮たそがれのごとくにつまづき 强壯すこやかなる者もののなかにありても死しぬるもののごとし 11 我儕われらはみな熊くまのごとくにほえ鴿はとのごとくに甚いたくうめき 審判󠄄さばきをのぞめどもあることなく 救すくひをのぞめども遠󠄄とほくわれらを離はなる 12 われらの愆とがはなんぢの前󠄃みまへにおほく われらのつみは證あかししてわれらを訟󠄃うたへ われらのとがは我われらとともに在あり われらの邪󠄅曲よこしまなる業わざはわれら自みづからしれり 13 われら罪つみををかしてヱホバを棄すてわれらの神かみにはなれてしたがはず 暴虐󠄃しひたげと悖逆󠄃そむきとをかたり虛僞いつはりのことばを心こゝろにはらみて説出ときいだすなり 14 公󠄃平󠄃こうへいはうしろに退󠄃しりぞけられ正義せいぎははるかに立たてり そは 眞󠄃實まことは衢間ちまたにたふれ 正直なほきはいることを得えざればなり 15 眞󠄃實まことはかけてなく惡あくをはなるるものは掠かすめうばはる  ヱホバこれを見みてその公󠄃平󠄃こうへいのなかりしを悅よろこびたまはざりき

16 ヱホバは人ひとなきをみ中保なかだちなきを奇あやしみたまへり 斯かくてその臂かひなをもてみづから助たすけ その義ぎをもてみづから支󠄂ささへたまへり 17 ヱホバ義ぎをまとひて護胸むねあてとし救すくひをその頭かしらにいただきて兜かぶととなし 仇あたをまとひて衣ころもとなし 熱心ねつしんをきて外服󠄃うはぎとなしたまへり 18 かれらの作わざにしたがひて報むくいをなし敵てきにむかひていかり仇あたにむかひて報むくいをなし また島々しま〴〵にむくいをなし給たまはん 19 西方にしのかたにてヱホバの名みなをおそれ 日ひのいづる所󠄃ところにてその榮光えいくわうをおそるべし ヱホバは堰ゐせぎとめたる河かはのその氣息みいぶきにふき潰つひえたるがごとくに來きたりたまふ可べければなり 20 ヱホバのたまはく贖者あがなふものシオンにきたりヤコブのなかの愆とがをはなるる者ものにつかんと 21 ヱホバいひ給たまはく なんぢの上うへにあるわが靈みたまなんぢの口くちにおきたるわがことばは 今いまよりのち永遠󠄄とこしへになんぢの口くちよりなんぢの裔すゑの口くちより汝なんぢのすゑの裔すゑの口くちよりはなれざるべし わがかれらにたつる契󠄅約けいやくはこれなりと此こはヱホバのみことばなり
 1261㌻ 

第60章

1 起󠄃おきよひかりを發はなて なんぢの光ひかりきたりヱホバの榮光えいくわうなんぢのうへに照出てりいでたればなり 2 視みよくらきは地ちをおほひ闇やみはもろもろの民たみをおほはん されど汝なんぢの上うへにはヱホバ照出てりいでたまひてその榮光えいくわうなんぢのうへに顯あらはるべし 3 もろもろの國くにはなんぢの光ひかりにゆき もろもろの王わうはてり出いづるなんぢが光輝かがやきにゆかん

4 なんぢの目めをあげて環󠄃視みまはせ かれらは皆みなつどひて汝なんぢにきたり 汝なんぢの子輩こらはとほきより來きたり なんぢの女輩むすめらはいだかれて來きたらん〘968㌻〙 5 そのときなんぢ視みてよろこびの光ひかりをあらはし なんぢの心こゝろおどろきあやしみ且かつひろらかになるべし そは海うみの富とみはうつりて汝なんぢにつき もろもろの國くにの貨財たからはなんぢに來きたるべければなり 6 おほくの駱駝らくだミデアンおよびエバのわかき駱駝らくだなんぢの中なかにあまねくみち シバのもろもろの人ひとこがね乳󠄃香にうかうをたづさへきたりてヱホバの譽ほまれをのべつたへん 7 ケダルのひつじの群むれはみな汝なんぢにあつまりきたり ネバヨテの牡羊をひつじはなんぢに事つかへ わが祭壇さいだんのうへにのぼりて受納󠄃うけいれられん 斯かくてわれわが榮光えいくわうの家いへをかがやかすべし 8 雲くものごとくにとび鳩はとのその窠すみかにとびかへるが如ごとくしてきたる者ものはたれぞ 9 もろもろの島しまはわれを俟望󠄇まちのぞみ タルシシのふねは首先いやさきになんぢの子輩こらをとほきより載のせきたり 並またかれらの金銀きんぎんをともにのせきたりてなんぢの神かみヱホバの名なにささげ イスラエルの聖󠄃者せいしやにささげん ヱホバなんぢを輝かがやかせたまひたればなり 10 異邦󠄆人ことくにびとはなんぢの石垣いしがきをきづき かれらの王等わうたちはなんぢに事つかへん そは我われいかりて汝なんぢをうちしかどまた惠めぐみをもて汝なんぢを憐あはれみたればなり
 1262㌻ 
11 なんぢの門もんはつねに開ひらきて夜よるも日ひるもとざすことなし こは人ひともろもろの國くにの貨財たからをなんぢに携たづさへきたり その王等わうたちをひきゐ來きたらんがためなり 12 なんぢに事つかへざる國くにと民たみとはほろび そのくにぐには全󠄃またくあれすたるべし 13 レバノンの榮さかえはなんぢにきたり 松󠄃まつ 杉すぎ 黃楊つげはみな共ともにきたりて我わが聖󠄃所󠄃せいじよをかがやかさん われ亦またわが足あしをおく所󠄃ところをたふとくすべし 14 汝なんぢを苦くるしめたるものの子輩こらはかがみて汝なんぢにきたり 汝なんぢをさげしめたる者ものはことごとくなんぢの足下あしもとにふし 斯かくて汝なんぢをヱホバの都みやこイスラエルの聖󠄃者せいしやのシオンととなへん

15 なんぢ前󠄃さきにはすてられ憎にくまれてその中なかをすぐる者ものもなかりしが 今いまはわれ汝なんぢをとこしへの華美はなやかよよの歡喜よろこびとなさん 16 なんぢ亦またもろもろの國くにの乳󠄃ちゝをすひ王わうたちの乳󠄃房󠄃ちぶさをすひ 而しかして我われヱホバなんぢの救主すくひぬしなんぢの贖主あがなひぬしヤコブの全󠄃能者ぜんのうしやなるを知しるべし 17 われ黃金こがねをたづさへきたりて赤銅あかがねにかへ 白銀しろかねをたづさへきたりて鐵くろがねにかへ 赤銅あかがねを木きにかへ鐵くろがねを石いしにかへ なんぢの施政者つかさびとをおだやかにし なんぢを役えきするものを義ただしうせん 18 强暴あらびのこと再ふたゝびなんぢの地ちにきこえず 殘害󠄅そこなひと敗壞やぶれとはふたゝびなんぢの境さかひにきこえず 汝なんぢその石垣いしがきをすくひととなへ その門もんを譽ほまれととなへん 19 晝ひるは日ひふたゝびなんぢの光ひかりとならず 月󠄃つきもまた輝かがやきてなんぢを照てらさず ヱホバ永遠󠄄とこしへになんぢの光ひかりとなり なんぢの神かみはなんぢの榮さかえとなり給たまはん 20 なんぢの日ひはふたゝび落いらず なんぢの月󠄃つきはかくることなかるべし そはヱホバ永遠󠄄とこしへになんぢの光ひかりとなり 汝なんぢのかなしみの日ひ畢をはるべければなり〘969㌻〙 21 汝なんぢの民たみはことごとく義者ただしきものとなりてとこしへに地ちを嗣つがん かれはわが植うゑたる樹株こかぶわが手ての工わざわが榮光えいくわうをあらはす者ものとなるべし 22 その小ちひさきものは千せんとなり その弱󠄃よわきものは强國つよきくにとなるべし われヱホバその時ときいたらば速󠄃すみやかにこの事ことをなさん
 1263㌻ 

第61章

1 主しゆヱホバの靈みたまわれに臨のぞめり こはヱホバわれに膏あぶらをそそぎて貧󠄃まづしきものに福音󠄃ふくいんをのべ傳つたふることをゆだね 我われをつかはして心こゝろの傷いためる者ものをいやし俘囚とらはれびとにゆるしをつげ 縛󠄃いましめられたるものに解放ときはなちをつげ 2 ヱホバのめぐみの年としとわれらの神かみの刑罰けいばつの日ひとを吿つげしめ 又󠄂またすべて哀かなしむものをなぐさめ 3 灰󠄃はひにかへ冠かんむりをたまひてシオンの中なかのかなしむ者ものにあたへ 悲哀かなしみにかへて歡喜よろこびのあぶらを予あたへ うれひの心こゝろにかへて讃美さんびの衣ころもをかたへしめたまふなり かれらは義ぎの樹き ヱホバの植うゑたまふ者もの その榮光えいくわうをあらはす者ものととなへられん

4 彼等かれらはひさしく荒あれたる處ところをつくろひ 上古いにしへより廢すたれたる處ところをおこし 荒あれたる邑々まち〳〵をかされて新あたらにし世々よゝすたれたる處ところをふたゝび建󠄄たつべし 5 外人あだしびとはたちてなんぢらの群むれをかひ 異邦󠄆人ことくにびとはなんぢらの畑はたをたがへす者ものとなり 葡萄ぶだうをつくる者ものとならん 6 然されどなんぢらはヱホバの祭司さいしととなへられ われらの神かみの役者つかへびととよばれ もろもろの國くにの富とみをくらひ かれらの榮さかえをえて自みづからほこるべし 7 曩さきにうけし恥はぢにかへ倍ばいして賞賜たまものをうけ凌辱はづかしめにかへ嗣業ゆづりをえて樂たのしむべし 而しかしてその地ちにありて倍ばいしたる賞賜たまものをたもち永遠󠄄とこしへによろこびを得えん 8 われヱホバは公󠄃平󠄃こうへいをこのみ邪󠄅曲よこしまなるかすめごとをにくみ 眞󠄃實まことをもて彼等かれらにむくいをあたへ 彼等かれらととこしへの契󠄅約けいやくをたつべければなり 9 かれらの裔すゑはもろもろの國くにのなかに知しられ かれらの子輩こらはもろもろの民たみのなかに知しられん すべてこれを見みるものはそのヱホバの祝しくしたまへる裔すゑなるを辨わきまふべし

10 われヱホバを大おほいによろこび わが靈魂たましひはわが神かみをたのしまん そは我われにすくひの衣ころもをきせ義ぎの外服󠄃うはぎをまとはせて 新郎にひむこが冠かんむりをいただき新婦󠄃にひよめが玉たまこがねの飾󠄃かざりをつくるが如ごとくなしたまへばなり 11 地ちは芽めざをいだし畑はたはまけるものを生しやうずるがごとく 主しゆヱホバは義ぎと譽ほまれとをもろもろの國くにのまへに生しやうぜしめ給たまふべし
 1264㌻ 

第62章

1 われシオンの義ぎあさ日ひの光輝かがやきのごとくにいで ヱルサレムの救すくひもゆる松󠄃火たいまつのごとくになるまではシオンのために默もださずヱルサレムのために休やすまざるべし〘970㌻〙 2 もろもろの國くにはなんぢの義ぎを見み もろもろの王わうはみななんぢの榮さかえをみん 斯かくてなんぢはヱホバの口くちにて定さだめ給たまふ新あたらしき名なをもて稱󠄄となへらるべし 3 また汝なんぢはうるはしき冠かんむりのごとくヱホバの手てにあり 王わうの冕󠄅かんむりのごとくなんぢの神かみのたなごころにあらん 4 人ひとふたゝび汝なんぢをすてられたる者ものといはず 再ふたゝびなんぢの地ちをあれたる者ものといはじ 却かへりてなんぢをヘフジバ(わが悅よろこぶところ)ととなへ なんぢの地ちをベウラ(配󠄃偶はいぐう)ととなふべし そはヱホバなんぢをよろこびたまふ なんぢの地ちは配󠄃偶はいぐうをえん 5 わかきものの處女をとめをめとる如ごとくなんぢの子輩こらはなんぢを娶めとらん 新郎にひむこの新婦󠄃にひよめをよろこぶごとくなんぢの神かみなんぢを喜よろこびたまふべし

6 ヱルサレムよ我われなんぢの石垣いしがきのうへに斥候ものみをおきて終󠄃日ひねもす終󠄃夜よもすがらたえず默もだすことなからしむ なんぢらヱホバに記念きねんしたまはんことを求もとむるものよ 自みづからやすむなかれ 7 ヱホバ、ヱルサレムをたてて全󠄃地ぜんちに譽ほまれをえしめ給たまふまでは息やすめ奉まつるなかれ 8 ヱホバその右手みぎのてをさしその大能たいのうの臂かひなをさし誓ちかひて宣給のたまはく われ再ふたゝびなんぢの五穀たなつものをなんぢの敵てきにあたへて食󠄃くらはせず 異邦󠄆人ことくにびとはなんぢが勞らうしたる酒さけをのまざるべし 9 收穫かりいれせしものは之これをくらひてヱホバを讃ほめたたへ 葡萄ぶだうをあつめし者ものはわが聖󠄃所󠄃せいじよの庭󠄄にはにて之これをのむべし

10 門もんよりすすみゆけ進󠄃すゝみゆけ 民たみの途󠄃みちをそなへ土つちをもり土つちをもりて大路おほぢをまうけよ 石いしをとりのぞけ もろもろの民たみに旗はたをあげて示しめせ 11 ヱホバ地ちの極はてにまで吿つげてのたまはく 汝等なんぢらシオンの女むすめにいへ 視みよなんぢらの救すくひきたる 視みよ主しゆの手みてにその恩賜たまものあり はたらきの價あたひはその前󠄃まへにあり
 1265㌻ 
12 而しかしてかれらはきよき民たみまたヱホバにあがなはれたる者ものととなへられん なんぢは人ひとにもとめ尋󠄃たづねらるるもの棄すてられざる邑まちととなへらるべし

第63章

1 このエドムよりきたり緋衣あかきころもをきてボヅラよりきたる者ものはたれぞ その服󠄃飾󠄃よそほひはなやかに大おほいなる能力ちからをもて嚴いかめしく步あゆみきたる者ものはたれぞ これは義ぎをもてかたり大おほいにすくひをほどこす我われなり 2 なんぢの服󠄃飾󠄃よそほひはなにゆゑに赤あかくなんぢの衣ころもはなにゆゑに酒榨さかぶねをふむ者ものとひとしきや 3 我われはひとりにて酒榨さかぶねをふめり もろもろの民たみのなかに我われとともにする者ものなし われ怒いかりによりて彼等かれらをふみ忿恚いきどほりによりてかれらを蹈ふみにじりたれば かれらの血ちわが衣ころもにそそぎわが服󠄃飾󠄃よそほひをことごとく汚けがしたり 4 そは刑罰けいばつの日ひわが心こゝろの中うちにあり 救贖あがなひの歳としすでにきたれり 5 われ見みてたすくる者ものなく扶ささふる者ものなきを奇あやしめり この故ゆゑにわが臂かひなわれをすくひ我わがいきどほり我われをささへたり〘971㌻〙 6 われ怒いかりによりてもろもろの民たみをふみおさへ 忿恚いきどほりによりてかれらを醉ゑはしめ かれらの血ちを地ちに流ながれしめたり

7 われはヱホバのわれらに施ほどこしたまへる各種もろ〳〵のめぐみとその譽ほまれとをかたりつげ 又󠄂またその憐憫あはれみにしたがひ其そのおほくの恩惠めぐみにしたがひてイスラエルの家いへにほどこし給たまひたる大おほいなる恩寵めぐみをかたり吿つげん 8 ヱホバいひたまへり 誠󠄃まことにかれらはわが民たみなり 虛僞いつはりをせざる子輩こらなりと 斯かくてヱホバはかれらのために救主すくひぬしとなりたまへり 9 かれらの艱難なやみのときはヱホバもなやみ給たまひてその面前󠄃みまへの使󠄃つかひをもて彼等かれらをすくひ その愛あいとその憐憫あはれみとによりて彼等かれらをあがなひ彼等かれらをもたげ昔時いにしへの日ひつねに彼等かれらをいだきたまへり 10 然しかるにかれらは悖もとりてその聖󠄃きよき靈みたまをうれへしめたる故ゆゑにヱホバ飜然ひるがへりかれらの仇あたとなりて自みづからこれを攻せめたまへり
 1266㌻ 
11 爰こゝにその民たみいにしへのモーセの日ひをおもひいでて曰いひけるは かれらとその群むれの牧者ぼくしやとを海うみより携たづさへあげし者ものはいづこにありや 彼等かれらのなかに聖󠄃きよき靈みたまをおきしものは何處いづこにありや 12 榮光えいくわうのかひなをモーセの右みぎにゆかしめ 彼等かれらのまへに水みづをさきて自みづからとこしへの名なをつくり 13 彼等かれらをみちびきて馬むまの野のをはしるがごとく躓つまづかで淵ふちをすぎしめたりし者ものはいづこに在ありや 14 谷たににくだる家畜けだものの如ごとくにヱホバの靈みたまかれらをいこはせ給たまへり 主しゆよなんぢは斯かくおのれの民たみをみちびきて榮光えいくわうの名なをつくり給たまへり

15 ねがはくは天てんより俯觀ふしみそなはし その榮光えいくわうあるきよき居所󠄃すみかより見みたまへ なんぢの熱心ねつしんとなんぢの大能ちからあるみわざとは今いまいづこにありや なんぢの切せちなる仁慈いつくしみと憐憫あはれみとはおさへられて我われにあらはれず 16 汝なんぢはわれらの父󠄃ちゝなり アブラハムわれらを知しらず イスラエルわれらを認󠄃みとめず されどヱホバよ汝なんぢはわれらの父󠄃ちゝなり 上古いにしへよりなんぢの名みなをわれらの贖主あがなひぬしといへり 17 ヱホバよ何故なにゆゑにわれらをなんぢの道󠄃みちより離はなれまどはしめ我儕われらのこころを頑󠄂固かたくなにして汝なんぢを畏おそれざらしめたまふや 願ねがはくはなんぢの僕等しもべらのためになんぢの產業さんげふなる支󠄂派󠄄やからのために歸かへりたまへ 18 汝なんぢのきよきたみ地ちをえて久ひさしからざるにわれらの敵てきなんぢの聖󠄃所󠄃せいじよをふみにじれり 19 我儕われらはなんぢに上古いにしへより治をさめられざる者もののごとく なんぢの名みなをもて稱󠄄となへられざる者もののごとくなりぬ

第64章

1 願ねがはくはなんぢ天てんを裂さきてくだり給たまへ なんぢのみまへに山々やま〳〵ふるひ動うごかんことを 2 火ひの柴しばをもやし火ひの水みづを沸わかすがごとくして降󠄄くだりたまへ かくて名みなをなんぢの敵てきにあらはし もろもろの國くにをなんぢのみまへに戰慄ふるひをののかしめたまへ〘972㌻〙 3 汝なんぢわれらが逆󠄃料はかりあたはざる懼おそるべき事ことをおこなひ給たまひしときに降󠄄くだりたまへり 山々やま〳〵はその前󠄃まへにふるひうごけり
 1267㌻ 
4 上古いにしへよりこのかた汝なんぢのほかに何いかなる神かみありて俟望󠄇まちのぞみたる者ものにかかる事ことをおこなひしや いまだ聽きかず いまだ耳みゝにいらず いまだ目めにみしことなし 5 汝なんぢはよろこびて義ぎをおこなひなんぢの途󠄃みちにありてなんぢを紀念きねんするものを迎󠄃むかへたまふ 視みよなんぢ怒いかりたまへり われらは罪つみををかせり かかる狀さまなること旣󠄁すでにひさし 我儕われらいかで救すくはるるを得えんや 6 我儕われらはみな潔󠄄きよからざる物もののごとくなり われらの義ぎはことごとく汚けがれたる衣ころものごとし 我儕われらはみな木葉このはのごとく枯かれ われらのよこしまは暴風はやちのごとく我われらを吹去ふきされり 7 なんぢの名なをよぶ者ものなく みづから勵はげみて汝なんぢによりすがる者ものなし なんぢ面みかほをおほひてわれらを顧󠄃かへりみたまはず われらが邪󠄅曲よこしまをもてわれらを消󠄃失きえうせしめたまへり

8 されどヱホバよ汝なんぢはわれらの父󠄃ちゝなり われらは泥塊つちくれにしてなんぢは陶工すゑつくりなり 我われらは皆みななんぢの御手みてのわざなり 9 ヱホバよいたく怒いかりたまふなかれ 永ながくよこしまを記念きねんしたまふなかれ 願ねがはくは顧󠄃かへりみたまへ 我儕われらはみななんぢの民たみなり 10 汝なんぢのきよき諸邑まち〳〵は野のとなりシオンは野のとなりヱルサレムは荒廢あれすたれたり 11 我われらの先祖せんぞが汝なんぢを讃ほめたたへたる榮光えいくわうある我儕われらのきよき宮みやは火ひにやかれ 我儕われらのしたひたる處ところはことごとく荒あれはてたり 12 ヱホバよこれらの事ことあれども汝なんぢなほみづから制おさへたまふや なんぢなほ默もだしてわれらに深ふかくくるしみを受うけしめたまふや

第65章

1 我われはわれを求もとめざりしものに問とひもとめられ 我われをたづねざりしものに見出みいだされ わが名なをよばざりし國くににわれ曰いへらく われは此こゝにあり我われはここに在ありと 2 善よからぬ途󠄃みちをあゆみおのが思念おもひにしたがふ悖もとれる民たみをひねもす手てをのべて招まねけり 3 この民たみはまのあたり恒つねにわが怒いかりをひき 園そののうちにて犧牲いけにへをささげ 瓦かはらの壇だんにて香かうをたき
 1268㌻ 
4 墓はかのあひだにすわり隱密ひそかなる處ところにやどり 猪ゐのこの肉󠄁にくをくらひ憎にくむべきものの羮󠄃あつものをその器皿うつはものにもりて 5 人ひとにいふなんぢ其處そこにたちて我われにちかづくなかれ そは我われなんぢよりも聖󠄃きよしと 彼かれらはわが鼻はなのけぶり終󠄃日ひねもすもゆる火ひなり 6 視みよこの事ことわが前󠄃まへにしるされたり われ默もださずして報むくいかへすべし 必かならずかれらの懷中ふところに報むくいかへすべし 7 ヱホバいひ給たまはく なんぢらの邪󠄅曲よこしまとなんぢらが列祖せんぞたちのよこしまとはともに報むくいかへすべし かれらは山上やまのうへにて香かうをたき岡をかのうへにて我われを汚けがししがゆゑに 我われまづその作わざをはかりてその懷中ふところにかへすべし〘973㌻〙

8 ヱホバ如此かくいひたまふ 人ひとぶだうのなかに汁しるあるを見みばいはん これを壞やぶるなかれ福祉さいはひその中なかにあればなりと 我われわが僕等しもべらのために如此かくおこなひてことごとくは壞やぶらじ 9 ヤコブより一裔ひとつのすゑをいだしユダよりわれ山々やま〳〵をうけつぐべき者ものをいださん わが撰えらみたる者ものはこれをうけつぎ我われがしもべらは彼處かしこにすむべし 10 シヤロンは羊ひつじのむれの牧場まきばとなりアコルの谷たにはうしの群むれのふす所󠄃ところとなりて我われをたづねもとめたるわが民たみの有󠄃ものとならん 11 然されどなんぢらヱホバを棄すてわがきよき山やまをわすれ 机つくゑをガド(禍福くわふくの神かみ)にそなへ雜合まぜあはせたる酒さけをもりてメニ(運󠄃命うんめいの神かみ)にささぐる者ものよ 12 われ汝なんぢらを劍つるぎにわたすべく定さだめたり なんぢらは皆みなかがみて屠󠄃ほふらるべし 汝等なんぢらはわが呼よびしときこたへず わが語かたりしとききかず わが目めにあしき事ことをおこなひ わが好このまざりし事ことをえらみたればなり

13 このゆゑに主しゆヱホバかく言いひ給たまふ わが僕等しもべらはくらへども汝等なんぢらはうゑ わが僕等しもべらはのめども汝等なんぢらはかわき 我わがしもべらは喜よろこべどもなんぢらははぢ 14 わが僕等しもべらはこころ樂たのしきによりて歌うたうたへども汝等なんぢらはこころ哀かなしきによりて叫さけび また靈魂たましひうれふるによりて泣なき嗁さけぶべし 15 なんぢらが遺󠄃名のこすなはわが撰えらみたるものの呪詛のろひの料りやうとならん 主しゆヱホバなんぢらを殺ころしたまはん 然されどおのれの僕等しもべらをほかの名なをもて呼よびたまふべし
 1269㌻ 
16 斯かゝるがゆゑに地ちにありて己おのれのために福祉さいはひをねがふものは眞󠄃實しんじつの神かみにむかひて福祉さいはひをもとめ 地ちにありて誓ちかふものは眞󠄃實しんじつの神かみをさして誓ちかふべし さきの困難なやみは忘󠄃わすれられてわが目めよりかくれ失うせたるに因よる

17 視みよわれ新あたらしき天てんとあたらしき地ちとを創造󠄃さうざうす 人ひとさきのものを記念きねんすることなく之これをその心こゝろにおもひ出いづることなし 18 然されどなんぢらわが創造󠄃さうざうする者ものによりて永遠󠄄とこしへにたのしみよろこべ 視みよわれはヱルサレムを造󠄃つくりてよろこびとしその民たみを快樂たのしみとす 19 われヱルサレムを喜よろこびわが民たみをたのしまん 而しかして泣聲なくこゑとさけぶ聲こゑとはふたゝびその中なかにきこえざるべし 20 日數󠄄ひかずわづかにして死しぬる嬰兒みどりごといのちの日ひをみたさざる老人としよりとはその中なかにまたあることなかるべし 百歳ひやくさいにて死しぬるものも尙なほわかしとせられ 百歳ひやくさいにて死しぬるものを詛のろはれたる罪人つみびととすべし 21 かれら家いへをたてて之これにすみ葡萄園ぶだうぞのをつくりてその果みをくらふべし 22 かれらが建󠄄たつるところにほかの人ひとすまず かれらが造󠄃つくるところの果みはほかの人ひとくらはず そはわが民たみのいのちは樹きの命いのちの如ごとく 我わがえらみたる者ものはその手ての工わざふるびうするとも存ながらふべければなり〘974㌻〙 23 かれらの勤勞はたらきはむなしからず その生うむところの者ものはわざはひにかからず 彼等かれらはヱホバの福祉さいはひをたまひしものの裔すゑにしてその子輩こらもあひ共ともにをる可べければなり 24 かれらが呼よばざるさきにわれこたへ 彼かれらが語かたりをへざるに我われきかん 25 豺狼おほかみとこひつじと食󠄃物くひものをともにし 獅しゝは牛うしのごとく藁わらをくらひ 蛇へびはちりを糧かてとすべし 斯かくてわが聖󠄃山きよきやまのいづこにても害󠄅そこなふことなく傷やぶることなからん これヱホバの聖󠄃言みことばなり

第66章

1 ヱホバ如此かくいひたまふ 天てんはわが位くらゐ地ちはわが足臺あしだいなり なんぢら我わがために如何いかなる家いへをたてんとするか 又󠄂またいかなる處ところかわが休憩やすみの場ばとならん 2 ヱホバ宣給のたまはく 我わが手てはあらゆる此等これらのものを造󠄃つくりてこれらの物ものことごとく成󠄃なれり 我われはただ苦くるしみまた心こゝろをいため我わがことばを畏おそれをののくものを顧󠄃かへりみるなりと
 1270㌻ 
3 牛うしをほふるものは人ひとをころす者もののごとく 羔こひつじを犧牲いけにへとするものは狗いぬをくびりころす者もののごとく 祭物そなへものをささぐるものは豕ゐのこの血ちをささぐる者もののごとく 香かうをたくものは偶像󠄃ぐうざうをほむる者もののごとし 彼等かれらはおのが途󠄃みちをえらみその心こゝろににくむべき者ものをたのしみとせり 4 我われもまた災禍わざはひをえらびて彼等かれらにあたへ その懼おそるるところの事ことを彼かれらに臨のぞましめん そは我われよびしとき應こたふるものなく我われかたりしとき聽きくことをせざりき わが目めにあしき事ことをおこなひわが好このまざる事ことをえらみたればなり

5 なんぢらヱホバの言ことばをおそれをののく者ものよヱホバの言ことばをきけ なんぢらの兄弟きやうだいなんぢらを憎にくみなんぢらをわが名なのために逐󠄃出おひいだしていふ 願ねがはくはヱホバその榮光えいくわうをあらはして我儕われらになんぢらの歡喜よろこびを見みせしめよと 然されどかれらは恥はぢをうけん 6 騷亂さわぎみだるるこゑ邑まちよりきこえ聲こゑありて宮みやよりきこゆ 此こはヱホバその仇あたにむくいをなしたまふ聲こゑなり

7 シオンは產うみのなやみを知しらざるさきに生うみ その劬勞くるしみきたらざるさきに男子なんしをうみいだせり 8 誰たがかかる事ことをききしや誰たがかかる類たぐひをみしや 一ひとつの國くにはただ一日ひとひのくるしみにて成󠄃なるべけんや 一ひとつの國民くにびとは一時ひとときにうまるべけんや 然されどシオンはくるしむ間まもなく直たゞちにその子輩こらをうめり 9 ヱホバ言いひ給たまはく われ產うみにのぞましめしに何いかでうまざらしめんや なんぢの神かみいひたまはく 我われはうましむる者ものなるにいかで胎たいをとざさんや〘975㌻〙

10 ヱルサレムを愛あいするものよ皆みなかれとともに喜よろこべ かれの故ゆゑをもてたのしめ 彼かれのために悲かなしめるものよ皆みなかれとともに喜よろこびたのしめ 11 そはなんぢら乳󠄃ちをすふ如ごとくヱルサレムの安慰なぐさめをうけて飽󠄄あくことを得えん また乳󠄃ちをしぼるごとくその豐ゆたかなる榮さかえをうけておのづから心こゝろさわやかならん
 1271㌻ 
12 ヱホバ如此かくいひたまふ 視みよわれ河かはのごとく彼かれに平󠄃康やすきをあたへ 漲みなぎる流ながれのごとく彼かれにもろもろの國くにの榮さかえをあたへん 而しかして汝等なんぢらこれをすひ背せにおはれ膝ひざにおかれて樂たのしむべし 13 母はゝのその子こをなぐさむるごとく我われもなんぢらを慰なぐさめん なんぢらはヱルサレムにて安慰なぐさめをうべし 14 なんぢら見みて心こゝろよろこばん なんぢらの骨ほねは若草わかくさのさかゆるごとくだるべし ヱホバの手てはその僕等しもべらにあらはれ又󠄂またその仇あたをはげしく怒いかりたまはん

15 視みよヱホバは火中ひのなかにあらはれて來きたりたまふその 車輦みくるまははやちのごとし 烈はげしき威󠄂勢いきほひをもてその怒いかりをもらし火ひのほのほをもてその譴せめをほどこし給たまはん 16 ヱホバは火ひをもて劍つるぎをもてよろづの人ひとを刑つみなひたまはん ヱホバに刺殺さしころさるるもの多おほかるべし 17 ヱホバ宣給のたまはく みづからを潔󠄄きよくしみづからを別わかちて園そのにゆき その中うちにある木きの像󠄃ざうにしたがひ 豕ゐのこの肉󠄁にくけがれたる物ものおよび鼠ねずみをくらふ者ものはみな共ともにたえうせん

18 我われかれらの作爲わざとかれらの思念おもひとをしれり 時とききたらばもろもろの國民くにびとともろもろの族やからとをあつめん 彼等かれらきたりてわが榮光えいくわうをみるべし 19 我われかれらのなかに一ひとつの休徴しるしをたてて逃󠄄のがれたる者ものをもろもろの國くにすなはちタルシシよく弓ゆみをひくブル、ルデおよびトバル、ヤワン又󠄂またわが聲名きこえをきかずわが榮光えいくわうをみざる遙はるかなる諸島しま〴〵につかはさん 彼等かれらはわが榮光えいくわうをもろもろの國くににのべつたふべし 20 ヱホバいひ給たまふ かれらはイスラエルの子輩こらがきよき器うつはにそなへものをもりてヱホバの家いへにたづさへきたるが如ごとく なんぢらの兄弟きやうだいをもろもろの國くにの中なかよりたづさへて馬むま 車くるま 轎かご 騾ら 駱駝らくだにのらしめ わが聖󠄃山きよきやまヱルサレムにきたらせてヱホバの祭物そなへものとすべし 21 ヱホバいひ給たまふ 我われまた彼等かれらのうちより人ひとをえらびて祭司さいしとしレビ人びととせんと
 1272㌻ 

22 ヱホバ宣給のたまはく わが造󠄃つくらんとする新あたらしき天てんとあたらしき地ちとわが前󠄃まへにながくとゞまる如ごとく なんちの裔すゑとなんぢの名なはながくとゞまらん 23 ヱホバいひ給たまふ新月󠄃しんげつごとに安息日あんそくにちごとによろづの人ひとわが前󠄃まへにきたりて崇拜をがみをなさん 24 かれら出いでてわれに逆󠄃そむきたる人ひとの屍かばねをみん その蛆うじしなずその火ひきえず よろづの人ひとにいみきらはるべし〘976㌻〙
 1273㌻